「性欲はありますか?」の質問
いまの社会、社員にストレスチェックを受けさせることが義務になっている。
メンタルをやられる人が増えすぎて、それが無視できないほど日本社会の生産性に影響しているのだろう。
「かわいそうだから」という理由だけで、行政が企業に手を入れるほど甘い世の中じゃない。
さて、受けたことがある人なら知っていると思う。
あの設問の中には、必ずこれがある。
「性欲はありますか?」
……どういう意味だよ。
下品じゃないか。
昔の私は、そう思いながら適当に答えていた。
だが最近、なんとなく分かる気がしてきた。
正しい日本語ではないと思うが、性気と生気は、たぶんつながっている。
そしてそれは、年齢を重ね、ストレスが過度にかかる環境に身を置くようになって、ようやく分かってきた。
余裕がなさすぎて、性的なことに気が回らない。
クジャクが、その綺麗な羽を広げる求愛行為すら面倒だと思ってやめてしまうような、そんな、生物としてはたぶんイケない状態に入っている。
私はもういい歳だから、加齢という要素も加わっているのだと思うが、これが若者だったら本当に危険だ。
あるいは、
「こんなに精神をやられているのに、まだ性欲があるのか。こいつ、勢い余ってヤバいことをしないか?」
そんな危険性をチェックしているのかもしれない。
なんにせよ、この設問は、人間の核心を探る重要な質問なんだろう。
こんなことを考えるのは、正社員を逃げ出したいからなんだろうか。




