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正社員を逃げ出したいんですよ  作者: そきおこ


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20/28

ep20. わたくしごと

もう15年ほど前の話です。


私が働いていた会社では、経営が厳しかった時期があり、人事昇格が著しく制限されていました。


もちろん、そんな時期に私が昇格することはありませんでした。


ただ、それまでは年功序列に近い形で人事昇格が行われていました。


同期も順番に昇格していきますが、多少の早い遅いはあります。


私は遅いほうでした。


言い訳に聞こえるかもしれませんが、配属部署の事情もありました。


たまたま同じ部署に同期がいて、彼も昇格できませんでした。


見渡せば、昇格していないのは彼と私の二人だけ。


そんな状況で、昇格の制限が始まりました。


その状態が約3年続きました。


昇格すれば、少なくとも3万円近く給料が上がります。


さらに、その等級の中でも昇給していくので、前年までに昇格した同期との差はどんどん広がっていきました。


月に5万円くらいは違っていたと思います。


ボーナスまで含めれば、年間100万円近い差だったかもしれません。


この頃から、お金のことを考えると落ち込むようになりました。


暮らしていけないからではありません。


周囲との差が見えてしまうからです。


給与というのは、それを一番分かりやすく数字で見せてしまいます。


3年ほど経って会社の業績が回復し、人事も平常に戻りました。


でも、私に昇格の順番は回ってきませんでした。


その間に3年分の昇格待ちが積み重なっていたからです。


会社としては、将来を期待する社員を優先するのも当然です。


私は、その列の後ろに並ぶ立場でした。


そして、並んだ後輩たちを飛び越えて昇格することはありませんでした。


悲しかったのは、昨日まで仕事を手伝っていた6年ほど後輩が先に昇格したことです。


もちろん、彼が悪いわけではありません。


会社には会社の判断があったのでしょう。


さて、前に書いた、同じ部署で昇格できなかった同期と私は、その後、会社を去りました。


人は、不公平そのものよりも、不公平を感じ続けることのほうがつらいのかもしれません。


私は中企業へ転職しました。


結果として、転職して良かったと思っています。


いろいろな経験ができましたし、人としても以前よりたくましくなりました。


転職して良かったことは、ほかにもあります。


それまでできなかった働き方を実践できるようになったんです。


仕事との向き合い方も、以前とはずいぶん変わりました。


その話は、また別の機会に書こうと思います。


ただ、正解だったかどうかは、今でも分かりません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


このエッセイは、その日に考えたことだけでなく、昔の出来事や、ふと思い出したこと、将来の妄想などを気ままに書いています。


なので、ときどき20年前に戻ったり、未来へ飛んだりします。


もし共感したことや、「それは違うんじゃない?」「私はこう思う」ということがあれば、ぜひ感想を聞かせてください。


「小説家になろう」にアカウント登録すると、ページ下部の「感想を書く」からコメントできます。


また、「面白かった」「続きを読みたい」と思っていただけたら、評価やブックマークもしていただけると、とても励みになります。


みなさんの感想や評価を励みに、これからも妄想を膨らませながら書き続けていこうと思っています。


また次のエッセイでお会いしましょう。

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