ep11.バカがうらやましい
世の中を変えるのは、若者と馬鹿者だ。
歳を重ねるにつれて、その意味がよく分かるようになってきました。
最近、よく思います。
バカがうらやましい、と。
何かをやろうとすると、まず準備をします。
打ち合わせをして、検討して、根回しをして、稟議を書いて……。
「やりたい!」と思った瞬間から、そんなタイムテーブルが頭をよぎります。
そして、自分の詰まったスケジュール、関係者の予定、事前準備の段取りを考え始めます。
もちろん、ゴールまで走りきることが仕事です。
でも、「やりたい!」と思ったあの瞬間の熱量は、ゴール前にはもう残っていません。
いつの間にか、「やりたい」は「やらなきゃ」に変わっています。
そして、うまくいっても、誰も褒めてくれません。
うまくいかなければ、待っているのは非難と低評価です。
日本の会社は、昔からこんな感じだったのでしょうか。
昔の家電メーカーが出していた、あのワクワクするような製品も、こんなプロセスを経て世に出ていたのでしょうか。
たぶん違うんじゃないかと思います。
ISOとか、コンプライアンスとか。
どれも必要で、素晴らしい仕組みです。
でも、その導入と引き換えに、何かとても大事なものを失ってしまった気がします。
勢いとか、熱量とか、多少の無茶とか。
そういうものです。
この先、AIが入ってきて、この流れはもっと加速するのかもしれません。
昔はきっと、
「がんがんいこうぜ」
それが正義だった時代もあったはずです。
だからこそ、新しい会社や若い組織が、まだそういう空気を持っているのかもしれません。
めちゃくちゃ、うらやましく思います。




