REAL
物語ってなんだろう
生きるってなんだろう
人生とは?
人の物語の終着点は何処にあるのか
人の始まりは何処からなのか
それはきっと”誰にも分からない”
けれども、常に始まりと終着点はあるのだけは確かで
心の中の何処かでは、理解してしまっているのだろう
現実は夢のようだと─。
いや、夢は現実のようだと─。
ふと、そういう考えから─いつも思考は始まってしまう。
そういえば─人が起きている時の脳の働きの方が異常だったという説が無かったか?
そんな取り留めの無い思考をしつつ、男は過去を振り返るように漁っていく。
一番最初に思い出せるのは─そうだ、幼少期の頃の記憶だろうか?
男は人見知りだったのだろうか?
少なからず、周りからは大人しい子だとは言われて育って来ていたように思える。
精神年齢が少しだけ、幼少の頃は高く見られていたと思える。
ただ、少なからず成長が早く見えるように周りの目に映ったのは、決して良い事だけを引き寄せる訳ではなく、どこかでは気味悪がられては、忌み嫌われていたと今では思える節もある気がした。
だが、そんな自身にでも優しく接してくれる両親や友達が居たのも確かだった気がする。
そして、その光り輝くような暖かさに触れられて、生きて来れた事は男にとっては、かけがえのない一番の幸せだったのだろうと思えた。
そんな幼少期もある程度、育って来たら…てっきり、その暖かさは鳴りを潜めてしまったのか─悲しきかな、今では立派に競争社会へと揉まれ生きていく事になっているのが実情か。
しかし、それでも男にとっては幼少期の頃の記憶とは大切なモノであるのは変わらなかった。
(でも、なんでだろうな?)
ある程度成長し、男自身も気にならなくなってはいたが、それでも確かに…幼少の頃は自身の成長が幾分か進んでいたように思えていた。
まるで、何かに追われるように成長を迫られていたようにも思える。
─だが、それでも自分は自分だよな?
男は自身の小さな疑問に対し、そう思う事によって、そっと…心の内の疑問に鍵を掛けては、何度も人生を謳歌して来ていた。
(まぁ、そうだよな。色々と…、そうだ、本当に色々と有ったが、それでも、運が良かっただろう。無事に周りと比べても、進学も就職も困る事なく、ここまで来れていると言えるだろう。頑張ろう…、そうだ、結局は頑張るしかないんだからな)
自己暗示─と言い換えてしまえば悲しいが、そういうものだと、男は自身へ戒めという名の結論を出し、意識を浮上させるように覚醒していくのだった。




