REALⅡ
昔は今へと続き
今は未来へと確かに続いている
そして、いつかは流転の輪へと還っていくのだろうか─
それはまだ途上の存在には見えない話だろう
閉じた目は思考の海から浮上するのに合わせるかのように、その閉じられた目は開かれていった。
(まぁ、何も変わる事は無いよな)
現実なんて、そんなものだろう。
アニメやドラマなら、そうだ…今で言う、創作物なんてものがあるならば、ここで何か起こるのは定番なんだろう。
けれども、それは創作物だ。
マヤカシの幻。
言わば、フィクションと言うやつだ。
俺の生きている世界は、この血が熱く流れるリアルだ。
創作物とは、一緒には住めない。
そう、まったくの別物の世界の住人と言えよう。
「はははッ」
っと、一笑して、思考の片隅で考えていた夢想の世界を、冷たい現実の世界へと受け入れるように切り替えていく。
「はぁ…」
そして、最後は溜め息を吐いては目の前の現実を直視する。
男の目の前は相変わらず、オフィスの絶望を彩るように、書類の山々の風景を視界に映しているのだった。
「それにしてもだ。改めて、気持ちを入れ替えた所で現実は変わらないよな。まったく、本当に─いつまでだ? いつまで、こんな無謀なデスマーチを俺は続けないといけないんだ? いつまで、この地獄の中で生きないといけないんだろうな?」
まぁ、男がそう言葉を投げ掛けた所で、誰もその問い掛けに応える者は居ないだろう。
ここには、この男しか居ないのだ。
気付いた者や、逃げられる者は既に逃げた後とも言えた。
「あぁ、本当にどうしようもないんだな?」
その男しか居ないオフィスで、やはり男は誰にも届く事は無い愚痴は零しつつ、書類を流し目で見ては無感情な表情で書類の整理をし始めていった。
「うー…ん…っと─今は何時だ?」
ある程度、書類の整理も山場を越えた辺りだ。
ふと、気付けば─いやに時計の針の音が耳に聞こえて来ていた。
針の音が気になったところ、男は時間を重ねて確認する為にも時計を見ると、時計の針は”1:11”を指し示していた。
「そう言えば、腹減ったな─あれ? 今日食べたのはいつだったか? 水分は摂ってたよな?」
最初の一瞬だけ、男の表情が綻んだのだが、それは時刻が揃っていた事に対する、小さな喜びを感じただけであった。
その後には、既に男の中に在った小さな喜びは薄れていき、また現実に直面していっていた。
時間を徐々に認識していくに連れて、男の都合の良いお腹は「ぐぅ…」と音を鳴り響かせては、その存在をアピールして来ていた。
「ああ、やっぱり…腹減ってるな」
これは認めざるを得ないだろうな?
と、諦めた表情で両手をだらしなくも上げると尚更、空腹を男は感じ始めるのだった。




