9.後処理と行方
重苦しい雰囲気は、
少しだけ和らいだ。
だが、問題がなくなったわけじゃない。
テオの隠蔽のおかげで、
この騒ぎはまだ外にはバレていない。
それでも、背けられない現実がある。
壊れた椅子。
アッシュが破壊した扉。
真っ二つになったベッド。
木屑だらけのえぐれた床。
そして、最後に壊れた棚。
──さて、これをなんて説明すればいい。
そもそも、ここは親父さんの厚意で俺たちが借りてる部屋の一つだ。
簡単に片付けられる話じゃない……。
ふたりが駆けつけたってことは、
きっと一階にいる親父さんにも聞かれてるはずだ。
「遅くなったが、テオ、アッシュ。来てくれて助かった」
「すげぇ音してたからなー」
「ま、あれ聞こえない方が無理でしょ。
一階まで響いてたぜ」
「……なら、親父さん何か言ってなかったか……?」
「そこは平気。宿の親父さんには痴話喧嘩だって言っといたし。ノルンに彼女できたのか、ってニヤついてたぞ」
思わず、こめかみを押さえた。
……後で、ちゃんと訂正しておこう。
「ごめんなさいっ」
ルナが慌てて頭を下げる。
テオはそんな彼女の頭をぽんと撫でて、
いつもの調子で笑ってみせた。
「気にすんなって。今は無事だった方が大事だろ?」
……面倒見がいいのか、ただの気まぐれか。
「ただ痴話喧嘩にしては、この部屋はやりすぎだよな……」
テオのその一言で
四人とも、改めて部屋を見回した。
そこでようやく、 誰もがそのひどさに気づく。
ルナの視線が、 真っ二つになったベッドで止まる。
次いで、えぐれた床。 壊れた椅子。 扉の破損。
その顔が、みるみると青ざめていった。
「……これ、全部……」
震えた声が、 途中で消える。
「んー……ノルン、さすがに暴れすぎじゃない?」
「俺への風評被害だな…… とりあえず修繕費用はパーティ費用から出すからな。」
アッシュが壊れた扉に視線を向けたまま、 ため息を吐く。
「床までえぐれてるからな。
金貨10枚で済めば、安いと思った方がいいな。」
ルナが、びくりと肩を震わせた。
「ご、ごめんなさい……っ」
また頭を下げかけた彼女の頭を、
テオがぽん、と軽く押さえる。
「だから気にすんなって。こういうのは生きてりゃ何とかなる」
「お前の言う何とかなるは一番信用ならん!」
「ひどくない?」
その時、 一階から野太い声が飛んできた。
──親父さんだ。
「おーい!! 上!! いつまで騒いでやがる!!」
ギシ、ギシ、と 階段を上がってくる音が近づいてくる
「うわ、親父さん来た」
テオが顔をしかめ、
反射的にアッシュの後ろに隠れた。
「おいっ」
「絶対ヘイト俺だってぇ」
ふたりのやり取りを見て、 思わずこめかみを押さえた。
……さて。 まずは、どう説明しようか。
金貨設定組み直しました。
銅貨3枚 1回の食代。
目安こう思って頂けたら……




