マクゴナルの言葉
「あなたは!」
ハンプトンもマクゴナルを見て驚く。
しかし、マクゴナルから発せられた言葉にハンプトンの心は締め付けられた。
「何しに来たんだ。」
マクゴナルは静かに言う。
「マクゴナル様、ハンプトン殿は!」
トーマスが2人の間にに入ろうとしたが
ハンプトンがそれを止めた。
「いいんだトーマス君。」
ハンプトンはマクゴナルの方をしっかりと向き、深々と礼をする。
「ご無沙汰しております、マクゴナル様。」
マクゴナルはじっとハンプトンを見たまま動かない。
しばらく沈黙が続いたが、マクゴナルがトーマスに言った。
「貴方はこの人がユリアちゃんにとってどんな人か知っているのだね?」
トーマスは静かに頷いた。
「そうかい。」
マクゴナルはため息混じりで俯きながら言った。
「マクゴナル様、私は名乗る気はございません。」
「当たり前だろ!今更何を言っているのさ!」
「ユリアちゃんは、今幸せなんだ。あんたがそれを壊す事は許さないよ。」
ハンプトンはじっと黙っている。
「あの時、もう探すのはよしなさいと言ったはずだ。もうユリスの事は忘れなさい。話はそれだけだよ。」
マクゴナルは最後にそれだけ言うと、邸の中に入っていった。
「ハンプトン様…」
がっくり頭を下げているハンプトンにトーマスは心が痛んだ。
「トーマス君、では僕は行くよ。」
ハンプトンはひと呼吸すると笑顔を作りトーマスに言った。
「ハンプトン様…子供が生まれたら、生まれたら是非抱いてやってください。」
ハンプトンは静かに微笑んだ。
「ありがとう。」
トーマスは馬に乗って行くハンプトンの背中をしばらく見送った後、中に入った。
すると、リビングの方から声をかけられた。
「戻ったかい。ちょっといいかい?」
リビングでトーマスを待っていたマクゴナルが手招きした。
夜遅い事もあり、邸の中はしんとしている。
しばらく沈黙があった後、マクゴナルが話し始めた。




