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【本編】お疲れ様、いただきます【完結】  作者: 山西音桜
second season
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「どういうこと?」

「どういうこと?」


 私の持っている情報が正しいものだったとして、アーサー君は確かに、彼女とともにいる約束をした。

 そして、それを破ったのはどうやら彼女の方。

 でも彼女は、アーサー君のことを追って日本までやってきて、私のことを殺そうとまでした。


 矛盾の多すぎる話に、今現在、私の頭は混乱中だ。


「まぁ、簡単な話だ。俺とリジーの関係はとうの昔に終わっている。リジーは他の男に言い寄られてそのまま縁を繋いだからな」

「ははー」


 え、じゃあ普通にエリザベスさんが浮気して別れて、アーサー君はフラッとした後私と部屋にいて、なのに今になってアーサー君のもとにエリザベスさんがやってきた、ということでいいのだろうか。

 でもこれは、アーサー君側の話だ。エリザベスさんがどう思っていたかわからない。というよりもこんなにアーサー君のことを思っていたのに、他の男性に目がくらんだというのは何故?


「お兄様ったら、ひどい」

「ひどいのはどちらだ。振っておきながら今更構いに来るなど、俺はお前の愛人になったつもりはない」

「ええ、()()()()()()()()()()

「は?」


 ああ、そういうことか。


「兄妹というのは、共にいるべきですわお兄様。妹が誰に恋情を抱こうと、兄が誰に愛情を抱こうと、共にあるべきなのではなくて?」


 つまり、彼女はただのヤンデレなんじゃなかった。

 ヤンデレのブラコンだったのだ。

 私の周り属性盛り込んだ人が気がするんだけど、どうなんだろう。


 彼女にとって、アーサー君は家族だった。恋愛感情じゃなくて。

 でも、アーサー君にとって、彼女は恋人だったのだろうに。


「わたくしの家族はお兄様だけ。ねえ、それでいいでしょう?」


 完全なる自己中発言なのだけど、それで許されると思っているのは、妹の我儘ということでいいのだろうか。

 家族なら、甘えてもいいのだと思っているということで、いいのだろうか。うん、私にとってはよくはないんだけどさ。

 アーサー君も「何を言っているんだお前は」とでも言いたげな顔をしている。


「何を言っているんだお前は」


 声に出さずにいられなかったみたいだった。


「お前に半永久の命を与えたのは、お前が望んだからだ。それでいざ共に生きる存在がこの世にいないから俺も共に生きろというのは傲慢にもほどがある」

「どうしてですか? この子が死ぬまでは共にいる約束をされていらっしゃるのに」

「俺がみな美を愛していて、共にありたいと望んで何が悪い。それをみな美が受け入れた。それだけのことだ。そこにお前が俺を連れ出せるだけの理由はない。大人しく、一人で、イギリスに帰れ」


 一人で、をえらく強調している。

 イギリスの男性ってこんなに常に「愛してる」だとかいうものなの? 人間じゃないけどアーサー君は。


 とりあえずこのままだと、ただの押し問答になることが目に見えているから、早々にバイトへ戻りたいと告げるのはさすがに気が引けるのだが、誰か助けに来てくれることを願うのは、それも我儘になってしまうだろうか。

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