池のヌシ
今日もラジオ体操を二つやり終え、一旦の家路につくその帰り道、丸い石を探しおみくじをする。
「今日は末吉かぁ」
この後は未来の蔵で遊ぶ予定がある、家で生姜焼きを食べる、実家のそうめん地獄からの脱出に、ありがたみを覚え完食する、荷物を整理し蝉が鳴かなくなった夏を歩く。
「混じってる……」
島の中なのに空と海が繋がり境目がなくなる、俺も暑さと混じって境目がなくなる、蝉も家から出たくないのも納得の暑さだった。
「何が混じってるのですか?」
突然隣に未来が現れた、けれどもうあまり驚かない、そうなるほど共に夏を過ごした。
「空と海だよ、水平線が見えるのが珍しいんだ」
「今から予定を変更して、朝聞いた池のヌシを探しに行きましょう!!池も水平線をずっと眺めれます!!」
「じゃあよろしく」
美樹と蔵で合流し、ラジオ体操の時に子供達から聞いた、白いネッシーを探しに行く。
池は未来が行っていた通り水平線が眺められた、蔵から持ち出した釣り竿を垂らしながら、並んで景色を眺める、遠くの島には入道雲が、ソフトクリームみたいな形になっていた。
「あの曇美味しそうだよな」
「はい!フワフワで甘そうです」
……フワフワ、だろうか。
「そうね、牧場近くで食べると美味いわよね」
確かに、牧場近くのソフトクリームは美味しい。
「牧場近くに、わたあめは売ってますか?お祭りの屋台でしか見た事がありません」
「あら、私は肉が焼けた煙みたいだと思ったのだけど」
「バイオレンスです」
雲をみて肉の煙を連想するとは、朝飯を食べてないのだろうか、生姜焼きを思い出す。
「きよぽんは何に見えた?」
「俺は……ソフトクリーム」
「では!帰りに駄菓子屋さんに寄りましょう!!」
その日ヌシが釣れることは無く、雲がネッシーに見えたと結論つけた。
夏休みは、宿題をやらなければいけないと思うくらいには進んでいた。




