悠久の花火
イカ焼き屋、たこ焼き屋、お好み焼き等の店を空いている方から選び、祭囃子を自称お祭りマスター深月と一緒に駆け抜けた。
祭りのソースと人のむせ返る程の熱気に後ろ髪をひかれながらも、最後にラムネ屋にも寄り、今度は山の中腹まで駆け上った。
「深月……ちょっと休………憩しよう」
「だーいじょぶ、もう着いたから花火が上がるまで、ここで一緒に喋ろう」
俺と深月は幼い頃だ、小さい頃からずっと仲が良く、毎年花火を見に来ていたが、こんな山奥で見るのは始めてだった。
深月と一緒になんでもない話しをする、英語教師の話し方が眠すぎる、課題がまだまだ終わらない、バスケで大会まで行けなかった。
とりとめも無い話しをし、買ってきたお好み焼き等を食べ終わると丁度花火が上がった。
ドーン ドーン ドドーン
山の中でも心臓に響く花火の音、深月とはあと何回一緒に見れるだろうか。
「深月とは、もう一緒に見れないかな」
花火にかき消されそうな小さい声だが、深月は聞き逃さなかった。
「なんで?また来年も来ようよ、これ約束ね」
そっと僕の頬に手を添え、唇を押し付けてきた。
顔が真っ赤になるのが嫌でも分かる、残りのラムネで冷やそうとしても、とっくにぬるくなっていた
「来年も一緒に来ようね、大好きだよ光輝」
「俺も大好きだよ、深月」
僕の名の通り花火は夜空を輝かせ、月は神秘的に花火と調和していた。




