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8月短編集  作者: 天雲 律
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丸い石地蔵

夏休み親戚の家の人の所に行かせて貰う、ユラユラと波に揺られるように、フェリーから降りると後ろから、笛が鳴った。


「スタート合図みたいだ」


おばさんから貰った地図を使い、家までの距離を見る、それなりの距離はありそうだが、なんとかたどり着けそうだ。


15分経っただろうか、坂が多く思っていたより体力を削られる、所々蜘蛛の巣があるのだろうか、顔に何かが引っかかる不快感がある。


「やった!今回は大吉ですよ、美樹」


「よかったわね未来、私は末吉だから残念だわ」


前方に地蔵に何かをして、……文脈的には占い……おみくじをしている、俺と同じくらいの歳の女の子二人がいる。


「おみくじでもやっているんですか?」


俺はこの夏お世話になる、始めての島暮らし知り会いは多い方がいいと思い、挨拶を含めて話しを振る。


「むむっ、あなたは……誰でしょう」


「はじめまして、荒井のおばあちゃんの家にお世話になる、清水です」


「なるほどでは、きよぽんと呼ばせていただきます、荒井のおばあちゃんなら、家族みたいなものです、私は未来とお呼びください」


「私は……美樹ですよろしくね、きよぽんはおみくじとか好き?」


「ボチボチです」


「じゃあこのお地蔵様で、おみくじを引きましょう、とりあえず、水切りに使えそうな、薄く平たい丸い石を見つけて来て、あっちの川の方がいいわよ」


指をさされた方角に進む、なかなか道がデコボコしていたが、何度か転びそうになったが、田舎での遊びにワクワクしていた。


一人適当な石を探していると後ろから話しかけられた。


「きよぽん……大丈夫ですか」


先ほど大吉を当てた……未来さんが心配し、探しに来てくれた、適当な薄く丸い石を拾い掲げて見せる。


「ちょっと不格好ですがイケます!」


帰りは二人並び歩く、不思議と転びそうにならなかった。


「きよぽんは都会から何をしに来たのですか?」



「俺は……約束を果たしに来た」


「約束……きっときよぽんは、約束を守ります私が保証します」


石を目の前に置き地蔵に手を合わせる。


石は赤いバツ印が浮かんだ。


「あら……凶ね」


俺の夏休みは凶から始まった。


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