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8月短編集  作者: 天雲 律
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天楼千重波、甘美な味

「次はこっちだよ!」先ほどまでの甘くトロけるような声では無く、確かにそこに存在する活力溢れた声で俺を導いてくれる。


三分程歩くと肉とソースの良い香りにがしてくる場所に連れられた。


「おじちゃん!つくね、ネギマ、ぼんじり、こころを二つずつ」


「あいよ、ところで手繋いでるのは彼氏か?やっと身を固める気になったのか」


即座に否定しようと思ったが、お姉さんが先に返事をしてしまう。


「可愛いでしょ」


「お熱いねぇ、ほれ出来たぞこぼすなよ」


「ありがと、次はこっち行くよ!」


お姉さんにまた何処かに引っ張られ歩き出す、次に向かったのはベンチのある所らしく、座る事が出来た。


立ちっぱなしか歩いてるのが続いたため、足に疲労が溜まっていた。


「疲れてる?焼き鳥食べれば元気になるよ」


隣に座って耳元で囁いてくれるが、先ほどまでの元気で活力溢れる印象とは異なり、落ち着いて安心感のある印象になる。


コロコロ変わる印象に戸惑いつつも、心惹かれ始めていた。


焼き鳥を差し出され一緒に食べる、塩気が効いていて何本でも食べたくなる味だ。


特に気に入ったのはネギマだ、ネギがシャキシャキしていて肉はほんのり焦げているからか、鼻から炭の香りが心地よく抜け、直ぐに食べ終わってしまった。


横を見ると笑顔で美味しそうに食べるお姉さんがいて、自然と笑顔になり更に味が上手く感じた。

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