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命を選ぶ
授業中周りの喧しさに鬱陶しさを感じる、いつも通りではあるけれど、倫理の授業だからだろう別の事を考えてしまう。
先生はたった2ページの美術の教科書を飛ばし、カントの哲学に入っている、だが俺は美術のページからは離れなかった。
カントの哲学は『誰かに全てを否定されたとしても、それでも肯定出来る何かを見つけろ』言いたいのはおそらくこんな所だろう、たが美術、芸術、美しい物を俺は知らない。
「混ぜればいいか」
カントの哲学と混ぜれば、俺にとって美しい"者"は──
「クロウだな」
スマホのフォルダを開き、愛犬を眺める窓際に立ち空を見つめるその姿、一緒に昼寝してくれる優しさ。
「美しい」
俺は人間嫌いだ、授業中にもかかわらず騒ぐバカな奴ら、注意しない先生。
それでも確かに美しい者はいた。




