夢の草原
ポロン ポロン ポロロン
いつもより悲しいアコギの音で意識を確認すると同時に、腹の激痛で意識を失いそうになる。
「起きて、蒼!次は夢の中でも死んじゃうよ!!!」
咲の激励で指を鳴らす、痛みが無くなりはしなかったがお腹は塞がったようだ、痛みに耐えながら立ち上がる。
「今何がどうなってるんだ?」
景色を見ると草原だろうか、辺りには岩が沢山あり走って逃げるのは難しそうだ。
「今は人型チンチラが金棒を持って……蒼の腹がぶち抜かれてた」
咲がここまで運んでくれてアコギを鳴らして、意識を獲得できたのだろう、今日の夢の解決はチンチラをどうにかするのが近道……だろうか………
「さっき俺が死にかけた理由は」
「この夢……蒼でも武器が出せないみたい」
チンチラの前に出て、武器を出そうとしたら出せずに死にかけたか、武器がダメでも腹を塞ぐ事は出来る、つまり。
「水とか炎なら扱えるか」
再び指を鳴らす、イメージするのは小さい頃見た火災現場の炎、岩の向こうに狙いを定めるとイメージどうりの炎が出現し、草を燃やした。
「咲、チンチラは今何処にいるか分か……」
咲が指を指すより先に、先ほど燃やした草原に人型チンチラ……目が6個、手が途中で枝分かれした化物が現れる。
「気持ちわりぃなぁ!!」
再三指を鳴らし炎を出現させる、化物は消え煙が虹に変わり夢から覚める。
午前11時、腹の痛みと頭の痛みが酷くベットから立ち上がれない。
「あれはチンチラじゃねぇよ、咲」
生命の進化論を冒涜する見た目は、およそ地球に存在する生命では無い、紛れも無い悪夢だった




