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8月短編集  作者: 天雲 律
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夢の草原

ポロン ポロン ポロロン


いつもより悲しいアコギの音で意識を確認すると同時に、腹の激痛で意識を失いそうになる。


「起きて、蒼!次は夢の中でも死んじゃうよ!!!」


咲の激励で指を鳴らす、痛みが無くなりはしなかったがお腹は塞がったようだ、痛みに耐えながら立ち上がる。


「今何がどうなってるんだ?」


景色を見ると草原だろうか、辺りには岩が沢山あり走って逃げるのは難しそうだ。


「今は人型チンチラが金棒を持って……蒼の腹がぶち抜かれてた」


咲がここまで運んでくれてアコギを鳴らして、意識を獲得できたのだろう、今日の夢の解決はチンチラをどうにかするのが近道……だろうか………


「さっき俺が死にかけた理由は」


「この夢……蒼でも武器が出せないみたい」


チンチラの前に出て、武器を出そうとしたら出せずに死にかけたか、武器がダメでも腹を塞ぐ事は出来る、つまり。


「水とか炎なら扱えるか」


再び指を鳴らす、イメージするのは小さい頃見た火災現場の炎、岩の向こうに狙いを定めるとイメージどうりの炎が出現し、草を燃やした。


「咲、チンチラは今何処にいるか分か……」


咲が指を指すより先に、先ほど燃やした草原に人型チンチラ……目が6個、手が途中で枝分かれした化物が現れる。


「気持ちわりぃなぁ!!」


再三指を鳴らし炎を出現させる、化物は消え煙が虹に変わり夢から覚める。



午前11時、腹の痛みと頭の痛みが酷くベットから立ち上がれない。


「あれはチンチラじゃねぇよ、咲」


生命の進化論を冒涜する見た目は、およそ地球に存在する生命では無い、紛れも無い悪夢だった

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