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作家令嬢の田舎追放推理日記〜「推理なんてやめろ」と言われましたが、追放先で探偵はじめます〜  作者: 地野千塩
第3部・スタテル島編

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番外編短編・その後の娘の話

 私の名前はアニス・ドニエ。お父様のクリス・ドニエは実業家だが血筋は庶民だ。いわゆる成金ってやつだ。私も成金令嬢って呼ばれてる。他にも変わり者とか変な子とか色々言われてるけど、まあ、他人の評価はどうでも良い。


「あぁ。本当にホラー小説って面白いわ」


 そんな私、今日は本屋に行ってホラー小説を物色中だった。今、十歳の私だけれども、子供向けの本はやたらと説教くさいし、優等生すぎて飽きちゃうのよ。その点、ホラーは怖さがメインだから、変わり者呼ばわりされてる私にはピッタリ。


「アニスお嬢様、またホラー小説ですか。お母様のアンナ奥さんの小説は読まないの?」


 同行いているメイドのマクダは呆れ気味。マクダは元々私の母の実家で働いていたが、人手不足なども相まって私の専属メイド。元々母とも友人みたいだし、マクダとの上下関係はない感じ。


「お母様の小説は怖くはないのよねぇ。その点が物足りないわ」


 私は書店の新刊コーナーをチラリとみながら呟く。母の本もあった。今は恋愛小説を書いているみたい。元々ミステリ作家としてデビューしたのに、今は恋愛小説、グルメ小説、ヒューマンドラマ、ファンタジーなどなどなんでも書いてる。


 おまけに探偵事務所まで経営している。もう立派な社長だ。奥様ではなく、いつも社長と呼ばれているぐらい。タフで強かで面白いお母様。私の自慢でもあるけれど、怖い小説だけは書いていないからかえって気になっちゃう。


「アニスお嬢様、そんなこと言っていいんですか。クリス様に怒られますよ」

「いいのよぉ。今はお父様もお母様もいないもの」


 私はちょっと舌を出し、ホラー小説も買った。お母様に見つかったら怒られそうだけど、やっぱり怖いものって面白いと思うんだ。


 家に帰ったらさっそく部屋に行き、ホラー小説を隠す。隠れてこっそり読むと余計に面白い。まあ、マクダにはバレでるけどいいか。


 そんなイタズラみたいなことを考えていたら、ちょっとお腹が減ってきたわ。ホラー小説も上手に隠せたことだし、ちょっとキッチンに行って甘いものでも食べよう。マクダたちメイドは風呂掃除や庭の手入れで忙しいみたいだし、このイタズラもバレないはず。


「あ!」


 しかしキッチンに行こうとしたら後悔した。だってお父様とお母様がこっそりイチャイチャしているんだもの。


「クリス、あなたが焼いたケーキ、とっても美味しいんだけど。昔、タラント村で焼いてたケーキより何倍も美味しいわ。どこかで習った?」

「それは愛しい妻の為にこっそりと修行したわけだよ」

「へぇ。アニスが聞いたら何て言うかしら。誕生日にケーキ作れってせがまれるわね」

「だろうな。まあ、一人娘の為にひと肌脱ぐのも悪くない。もうすぐアニスの誕生日だし、良いプレゼントを用意しておこう」


 お父様とお母様、二人でケーキを食べながら、時々キスもしているじゃないの。恥ずかしい。両親のこういう姿を見るのってちょっと、ね。こっちまで糖分で胸焼けしそう。


 私はすぐに自分の部屋に逃げ帰り、ホラー小説を読むことした。この調子だったらお母様にもお父様にもバレそうにないし。それに胸焼けしたところをホラーでお口直しよ!


「とはいえ、パパとママが仲が良いのには越したことはないわ」


 そう呟き、ホラー小説のページを開く。これからどんな物語が始まるのだろう。わくわくしてきた。

ご覧いただきありがとうございます。


今作、なろうリワードがついておりまして、大変嬉しく思いました。ありがとうございます。現在はオカルトモノを連載中です。趣向が変わりすぎですが、こちらもよろしくお願いします。

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