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第十一話

 いつもの昼休み。

 いつもの場所でいつものように話している、いつも通りの平和な日常だった。

 アスランが爆弾発言をしなければ。


「もうすぐ時間だ、またな」

「……ん?なにが?」

「言っただろう?今日は隣国の皇帝に挨拶しに行ってくる」

「……なんで?」

「俺は次の皇帝だからな。事前のあいさつだ」

「いやそうじゃなくて、なんで先に言わないの?」

「言ってなかったか?」


 いや、まったく聞いてないよ?


「なんで言ってくれなかったの……」

「すまない、伝えたと思い込んでいた」

「しかも、いきなり過ぎるよ……そんなんなら今日学園休めばよかったじゃん」

「昼休みが終わる時間と出発の時間がかぶっていてな。ライナの顔をみてから出発したかったんだ」

「……その言い方ずるい。何も言えなくなる」

「隣国の特産品でも持って帰ってやる。だから待っていてくれ……そろそろ行かないとな」


 はぁ……、どうにもならないんだ、しょうがない。

 笑って見送ってやるとしよう。


「わかった。いってらっしゃい、気をつけてね」

「あぁ、いってくる」


 なんか、これって……。


「今の、なんだか夫婦みたいだな」

「言うな、馬鹿」

「もしかしてルピシアも思ったのか?」

「ここではライナだって言ってんだろ!」


 そうしてアスランは隣国に出かけた。

 学園では、アスランが早退したという話題で一杯になった。

 それだけでいっぱいになるか?普通。


「はー……アスラン、大丈夫かな」

「すみません、少しよろしいですか?」

「え、あっ……は、はははははいっ」


 話しかけてきたのはクラスのベルとは別グループの一軍女子の主格。

 急だったからびっくりしたが、陰キャの擬態は完璧だ。さすがすぎる。


「そ、そんなに気負わなくてもいいんですよ?」

「ひゃいっ、ありがとうございますっ……」


 ビビって噛む真似も完璧。やっぱ長年やってきた甲斐があったな。まだ1年目だけど。


「そ、それで私になんの用ですか……?」


 もしかしてアスランと一緒にいるところをみられた?

 いや、それはない。いつもアスランといる場所は私の空間魔法で来られないようになってるし、音も聞こえないはずだ。


 それか、アスランが行ったあとに私も同じ場所に行くところをみられた?

 ……それもないか私、時間を止めて移動してるもん。

 こうやって思い返すと私ってやっぱ隠すことにガチだな。


「……姉妹校交流会の日休んでもらえませんか?」

「あ、無理です」


 ……やっべぇ!やらかした。

 一軍相手に即答してしまった……。しかも無理ですって……いじめられたらどうしよう。


 私のせいでこの人たちの将来がアスランの手によってボロボロに……。

 せ、せめて理由を聞こう。そしてまだチャンスあるよみたいな空気だそう。


「そ、その……なんでですか……?」

「……私は、今までずっとアスラン様の一番を目指して日々アタックしていました。」

「でも、アスラン様には婚約者がいますよね……?」

「はい……以前、婚約者様はどのような方か聞いたことがあるんです。そしたら、幸せそうな顔をして惚気……自慢してくれました」


 あいつ何やってんだ。


「あんな幸せそうな表情をするアスラン様を私は見たことがありません」


 へー。そうなんだ。……別にうれしくないけど。


「なので婚約者様に私は敵いません。しかし、この学園になぜか婚約者様は居ないのです」


 あ、やっぱ理由はバレてないんだ。よかった。


「これはチャンスです。一回でもアスラン様と二人で行事を楽しみたいんです。お願いします!」


 深々と私に頭を下げる一軍主格。

 お願いだからやめてほしい。こんな陰キャに頭を下げないでほしい。

 ほら、みんな見てんじゃん。ザワザワしてきたから、お願いだからやめて。


 まぁ、私が出す答えは決まってるよね。


「……え?無理に決まってんだろ?何言ってんの?」


 私はこれからの未来、全部のイベントアスランと過ごすって約束したの。

 譲るわけ、ないよね?


 それに、お前と一緒にイベントを回ってもアスランは楽しくない。

 私はアスランが楽しければ、幸せであればなんでもいい。

 自分で言うのもなんだけど、私が隣にいることがアスランの一番の幸せだから。


 ごめんだけど、譲れない。

 これだけは、絶対。

 もし、無理やりにでも奪おうってなら、私に勝ってからにしてよね。

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