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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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迷宮訓練2

「えー、それじゃあ、迷宮に行く為の訓練をする。やる事は目標の撃破だが、普段の訓練と違う事がある。それを頭に入れていくように」

 ジョーは教官という立場で説明を行う。

 弟子の訓練をつける為だが、他の者にとっては興味深そうにして茶化す声が発するだけだ。カティアとフィフィ以外は関係ないのだから特にラビスの声は無視していた。


「その、普段と違う点は理解しているな?」

 ジョーの問いかけにカティアは一瞬怯みながら――「狭い所で戦う?」と答えた。


 ジョーは目頭を抑える。

「よかった、わっていたか……」

 苦節、数百という問いに掛かる事、幾星霜、カティアがまともに答えて成長が垣間見えた瞬間だった。


「ちょっと、師匠、驚きすぎ!」

「いや、驚いてない、いいんだ。迷宮は普段の広場を想定した訓練よりも立ち回りが厳しい、その事を感じているだけでも成長した」

「でも、どんな風な訓練をするんですか? 迷宮想定の訓練って?」

 フィフィが質問を投げかける。

「初めてだから簡単にする。敵は1体、コッチは2人1組で攻撃する訓練だ」

「それだけですか?」

「そう、先制攻撃で一気に仕留めるという訓練になる。ついでに言えば協力して対象を攻撃するから見ておけ!」

 ジョーはサイリアに合図を送ると土精霊の『ノンちゃん』が土人形(ゴーレム)1体を道なりの途中に創り出した。


「大体、道幅は4メートル程度だが、迷宮ごとに広い狭いはある。訓練だという事を理解してくれ。もちろん、壁や天井もあると思って行動する事。余計な攻撃は崩落を招くとか考えろよな」

 木剣を突き出して簡単に状況把握を説明してく。

 ジョーはサイリアを呼び準備を言うと彼女はジョーの後ろについた。

 もちろんノンちゃんを肩に乗せて。

 

「まずはゆっくりと進む。この時、前衛と後衛の距離に注意」

 ジョーは説明を挟みながら予行演習を進めていく。

「まず、最初の曲がり角になる。この時に死角の確認だが目視、厳しい場合は鏡、または無い場合、剣の刀身の反射等で影を確認する。もっとも、その前に音や魔術での索敵も有効になるが罠を見破る場合、石などの投擲物で確認するのが一般的になるが、今回は省く次にだ……――」


 ジョーとサイリアは歩みを進め、2個目の曲がり角についた。

 ジョーは曲がり角で半身になりながら人形が居る事を確認する。

「この時に1体の標的を視認し相手が気が付いてないようなら、後ろに合図を忘れるな――」

 ジョーは無言でサイリアに手信号で合図を送った。

「ここからが本番になる。ここは基本戦術の『カットパイ』で攻撃をする」


 ここで、範囲外でジョーのやり方を観覧していたカティアが手をあげる。

「師匠! カットパイというのは食べ物の名前ですか?」


「ちがう! パイを切るように移動して攻撃するという意味だ。それにゾゾロのイアもザワザワしない、落ち着くように」

 

 食べ物の名前を口に出したことによりゾゾロが興奮しだし、それに釣られてリィムとドゥリも騒ぎ、シュキマもイアに何かを訊いていた。

「『パイはたべもの』」、「あるにゃー!」、「ないよ」、「シャー!」、「『おちつけ』」

 そんな声が聴こえたがジョーは説明を続ける。


「曲がり角を起点とした攻撃方法だ。前衛が飛び出す準備、後衛が魔術を発動する為に離れる――」

 ジョーが目くばせするとサイリアは魔力を操作し始め、ジョーと少し離れた。


「まず、前衛と後衛が等間隔に移動する、前衛が飛び出すと同時に後衛は道奥に移動して目標に正面に出るようにする。その間に前衛は目標の前に大きく飛び出す!」

 説明しながらジョーは造られた空間の端に飛び出した。


「――そして、ここだ。 オレが前に飛び出すと目標は正面に出てきた俺を注視するだろ? その時に大きく出る事により、後方のサイリアの攻撃射線が空く。自分を囮にしてまずは後方を助ける感覚だな、その後でサイリアが魔術で正面から攻撃」

 ジョーがそう言うと「…射ぬけ、魔術の矢(マジックアロー)」とサイリアの詠唱が聴こえ、2発魔術が飛来し正面にいると土人形に衝突して半透明の魔術の矢が刺さった。


「まず牽制の魔術が来たらコッチも動きだすが、この時に魔術は致命傷でなくても防がれてもいい。一瞬怯めばこの距離なら!」

 ジョーは説明混じりに木剣で土人形の胸付近を貫いた。

「と――、こう言う風にちゃんとトドメを刺すように一発で決める」


 訓練の流れを口頭で説明しながらカティアとフィフィに見せ終えた。

 やられ役の土人形もすべて用意した緩やかな訓練。

 ジョーは動きを止め「ここからはカティアとフィフィにやってもうらう、動きは分かっただろ?」とふたりに問うとカティアは潔く頷き、フィフィは少し心配そうだった。


「難しいのは飛び出した後、カティアはしっかり魔術の射線を開ける事とフィフィがしっかりと魔術を打ち出して援護をするタイミングだけだ。初めはゆっくりでいいから声を掛け合ってやるように。連携の訓練でもあるからお互いの信頼しあえ」


「大丈夫だよ。カティアもフィフィも出来るから、今までの修行を思い出して」


 ジョーとサイリアは弟子にエールを送った。


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