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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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対人訓練

「迷宮ねぇ……」

 思慮深く考え込むサイリア。

 その訓練はカティア達には、まだ早いものだったからだ。

 

「訓練、何事もクンレンは大事ですよ! 教えてもらわないと成長できない」

 カティア熱意で押し切ろうとする。


「そう言っても、迷宮は普通の仕事よりも勝手が違うから……。ジョーはどう思う?」

 サイリアは訓練途中で水と栄養補給をしにきたジョーに尋ねてみる。


「あ――……、まぁ、迷宮に興味あるのはしょうがないとして……。カティアとフィフィは何が必要か分かるか?」

 水を飲みながらジョーは休んでいるふたりに尋ねた。


「圧倒的な力!」、「『迷宮法』を守りつつ探索の基礎知識を手に入れる」


「……(カティアは後で補習だな)。まぁ、迷宮について色々と教えないといけないが、基本的に隘路(あいろ)のような限定された戦闘技術と対人訓練は絶対に習得しないといけない」


「”対人訓練”? なんでですか?」

 不思議そうに尋ねるカティアはジョーの言葉に反応した。


「基本的に迷宮とは場所を限定された所になる。 例えば、依頼の目的物が同じ場合、楽をしたいとか、競争的な依頼で対象物が限定された時などに略奪という事が起こりえるという事だ、もっとも一番多い時は移動や戦闘後の疲労困憊の状態を狙って来る者達がいる……つまり魔物よりも人が危険になるという話だ、簡単に言えば」


「なるほどです。しかし、強ければ問題なし! つまり力!」


「いや、強さより、寝ている時とか、油断している時、色々と不都合な時に狙ってくるから、そう言うのに気をつけろいう話だし、魔物と勝手が違って対応が難しいんだよ」


「でも、普段から師匠と一緒に剣術修行してますよね? 何が違うんですか? あれもある意味、対人訓練ですよね?」


「人の特性というか、技能というか……まぁ、実際に体験しないとカティアとフィフィは完全に理解出来ないだろうな……」

 ジョーは言われて考え込む。

 ふと、周りを見るとゾゾロと遊びながら休んでいるニコとミックとグレーが居た。


「グレーッ! ちょっと来てくれ!」

 大声で彼を呼ぶと、グレーはすぐに来てくれた。

「どうした?」

 すぐに要件を尋ねる。

「悪いけど、盾ってあるか? なんでもいいから訓練で使いたい」

「試し用の革の盾ならあるぞ」

「それでカティアと戦ってくれるか?」

「わかった、とってくる」

 グレーはそう言ってドシドシと地面を歩いて荷物を取りに行った。


***


「それじゃあ、始めようか」

 ジョーはふたりの近くに構え審判のような形式を取っていた。

 一方にはカティアが木剣をもって準備をし、もう一方ではグレーがボロボロの革盾(中型90センチ程度)とカティアの持つ木剣と同じ長さを持って対峙している。


「先にいうが教導の訓練だから、“止め”と言ったら動きをとめろよ」

 ジョーは主にカティアに告げる。

「わかってます、始めましょう」

 やる気満々のカティアは軽くステップを踏みながら静かに集中し始めていた。

「それじゃあ、説明しておく。魔物と人の違い、それは武器と防具という道具を操るという点だ。特に小鬼や大鬼などの人型魔物は道具を使うが盾をつかう特異な技能は人の専売だから十分に勉強してこい」

 ジョーの助言はソレだけだった。

 カティアは頷く。

 ジョーはグレーの方を向いて確認をとると向こうも頷いた。


「それじゃあ、始めるぞ!」

 そのように宣言してジョーは後ろに下がる。

 カティアとグレーは互いに構えた。

 グレーは左腕と盾を突き出して町の構え、あくまでも攻撃して来いと胸を貸すようだ。

 対してカティアは小さくステップを踏んで右手に剣を構え相手に向ける。

 ゆっくりとした動きの後で歩幅の揺れを少なくしていき、そのまま駆け足で前進した。


 緩急を使った動きでカティアは、まず左に、フェイントを入れ。そしてグレーの盾の死角を攻めるように切り返して速さを魔力で増す。


 グレーは冷静に相手の動きを見切っていた。

 カティアが来る方向を瞬時に読み取り盾の死角に入った時に爆発的に盾を突き出し突撃する。

 


 鈍い音がして「グッ、ギャッ!」と可愛げのない声を出してカティアが後方に飛ばされ、ゴロゴロと4・5回転して、カティアは身体を制御しながらすぐにその場に起き上がる。

 カティアが木剣を再び構えた所でジョーが止めた。


「止め! そのままッ!」

「師匠、まだ行けるッ!」

 カティアは威勢の良い声をあげる。


「いまのはグレーが見逃してくれたから助かっただけだ。転がった時点で距離を詰めて、グサッとイケた。それよりもカティア“反省”だ。今の動きの狙いは?」

 ジョーはカティアとフィフィの訓練の仕方として一区切りついた所で考える時間を与えていた。

 通し稽古の時と違い、失敗と思考と改善を繰り返して教えていく。


「えっと、正面からぶつかったら悪くなると思って、後ろに回り込んで攻撃しようとしました。それから……急に盾が飛び出して来てスゴイ衝撃が来た」


「まあ、そんな所だが。 あれが一般的な盾術の1つ“盾強撃(シールドバッシュ)”だな。盾というか、全身をハンマーのように使って相手を吹っ飛ばす技術だ」


「防御だけじゃないんですか??」

 カティアがそう言うとグレーが話に入ってきた。


「カティアちゃん、盾というのは昔から打撃武器の側面もあった。俺は今、そのまま突き出したが、盾の縁を使って骨を折るやり方や、形状が違えは刺突武器としての側面も見せる。盾の真ん中に金物を付けて突き刺すヤツもあるから両手持ちの武器として対処したほうがいい、もちろん、こっちの武器も気にしよう」

 グレーは盾と木剣を見せて説明をしてくれた。

 カティアは考える。どうすれば“攻撃”が届くのかと――。


「わかりました、次、お願いします」

 表情を戻してカティアは剣を構えた。


剣術も対人訓練じゃないの?思った人もいるかもしれません。

ですが、基本的に体術、つまり体の動かし方を学んでいる最中の割合が高いです。

戦闘技術とは少し違う感じです。

オリンピック競技のスポーツと実際に戦場で使う《槍投げ》の違いだと認識してほしい(作者も迷う)


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