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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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洞窟風呂3

「にゃぁああああああッ!」

 イアは驚いた声をあげて、直ぐに岩陰に避難するように呼びかける。


「えッ、なになに、なんで?」

 カティアはまだ状況をわかってないか右往左往しているが、イアに腕を掴まれ岩陰に身を寄せる。

 そうする間にもお湯の噴き出す山から大量の蒸気が上がると、直ぐ間を置いて天井を穿つ程のお湯が飛び出した。

「こっちにゃ!」

 置いてけぼりのカティアとフィフィをイアは引っ張り岩陰に隠れる。


 噴きあがる湯は天井で跳ね返り辺りに辺りに無差別散布、つまり熱湯を所かまわず飛散していた。

 逃れる方法は飛び散らない奥に行くか、戻るか、お湯の中に飛び込むか、隠れるかしかない。


「《ニャー!あっついニャ!》」

「あっつ!あっつ!」

 飛び散る熱湯は地面に跳ね返りカティア達の背中や肩の素肌を襲う。


 暫くすると、勢いも収まり、飛び散りも徐々に少なくなっていった。


「収まった?」

 フィフィはそう聞いた。

 ひょっこり顔を出すシュキマに「にゃー、ダイジョウそうにゃ」とイアは辺りを見回した。


「ちょっと大丈夫だった?」

 カティア達を心配してサイリアが裸のまま小走りで近くまで来た。


「サイリア師匠は平気でした?」

 カティアは岩影の奥に隠れた子供(リィム、ドゥリ、シュキマ)を元の場所に戻すために持ち上げている。


「えぇ、平気だったよ、ほら」

 サイリアの頭の上に魔術で造った水球が浮いていて、それが平べったく傘のように彼女の上部を守っていた。

「おふょ? それってフヨフヨのやつですよね?」

「そうそう、これを膜にすると熱いのも平気なのよ」

 経験と知識を元にカティア達よりも確実で安易な方法で身を守ったサイリアにカティア達は羨ましそうな顔をした。


「いいなぁ~」

「じゃあ、後で教えるから身体を洗いましょう」と手を出したサイリア。

 サイリア達を立たせて、そのまま噴出孔から離れて奥に向かっていった。


>>洞窟内、男湯サイド


 ジョー達も突然の熱湯の噴出に対しゾゾロを守る為『オスッ、漢壁』作戦で彼の身を守った。(※魔力を纏い、裸のまま暑さに耐える肉壁作戦)


「もう安全だぞ、ゾゾロ」

 熱湯に濡れながらジョーは振り返りゾゾロに告げた。

「《さて、身体を洗おうか》」

 身体の皮膚から湯気を帯びながらニコは残った右腕で髪をかきあげた。

 と、同時にミック、ラリー、グレーもやり切った顔をしてフォーメーションを解いていく。


 驚いた顔をして固まっていたゾゾロは徐々に笑顔を見せて尻尾をフリフリさせながら強張った表情を解いていった。

 

 ちなみに、彼らが『漢壁』などという摩訶不思議な防御陣形をとった事は旅先の浮かれ具合と風呂に入れる感謝、そして仕事終わりの解放感からの行動だったと思いたい。



>>洞窟内、女湯サイド


 カティアを連れたサイリア達は間欠泉の山から下の方に陣取り、その辺に出来た洞窟風呂の1つに入っていた。


 近くの別の湯溜めではカティア、フィフィ、イアにその弟、妹達と一緒に湯を掛け合って遊んでいた。


 ゆったりと足を伸ばして休んでいるサイリアはホッとした表情でぬるい湯を浴びて天井を見上げた。


 穴が開いている場所からの日光と湯気で不思議な高揚感に包まれたサイリアのすぐ傍で[ポチャンッ]と水が弾ける音が響く。


「サーイリアッ! いっしょに入ろう」

 ラビスは容姿端麗な顔から、いやらしい笑みを浮かべて近くにすり寄ってくる。

「ちょっと、ちょっと、近い、近いよ」

「いいじゃない、サイリアは身体洗ったら直ぐに居なくなるんだもん」

「えッ、ええっと……」

「だから、今ね、洗えなかったカラダの分をグヘへへへッ」

 不気味な笑みと一緒にラビスは顔を近づけた。


 「そこまで!」

  不意に声がかかると、ラビスの髪を引っ張り、首がガクンとなって、そのまま後ろに倒れ、不細工な水音と一緒にお湯のそこに沈んでいく彼女。


 その場所にはアンジーとミレイが素っ裸のまま立っていた。


 水を浮遊させてラビスは起き上がった。

「イタッ、ちょっと何すんのよ! 首がグキッって鳴った。やだ、痛い、コレ痛い」

 濡れた髪でお化けのように見えたラビスはすごい勢いで抗議する。


「うっさいし、そのままお湯に浸かれば直るよ、たぶん…」

 アンジーがどうでもいいように言うとミレイも『そうだ、そうだ』と言わんばかりの対応を身体で示していた。

「もう、やだよ! ねーさん暴力反対」

 ブツブツ文句を言いながらラビスは髪をかきあげて、横長の耳と綺麗な素顔が露になると、そのまま湯に浸かり、スルスルとサリイアの方にスリ寄っていった。


「ねーえ、サイリア、首が痛いからなおしてぇ~」

「もう、ラビスは回復魔術だって使えるじゃない」

「でもぉ~エルフわぁ、こういうときぃにぃ、なおしてもらえるとぉ、うれしいのぉ」

 まとわりつくような猫なで声でラビスはお願いする。

 サイリアもヤレヤレといった表情でゆったりと弱めの治療をする事にした。


「も~う、やっぱりサイリアは優しぃなぁ~」

 サイリアにもたれかかりながらラビスは笑みを浮かべた、とても安心したような。


「動かないでよ」

「いいじゃない、はい、タッチ、タッチ」

 軽い気持ちで軽くサイリアの胸部(おぱーい)を触るラビス。

「ちょっとッ! 治療中に触らないで」

「でもぉ~、エルフは水浴びの時とか相手の重要な所を触ったりするのは親愛の証なの」

 それぽく言い訳するラビスに「そんな事ないよ、騙されない」とアンジーが湯船に浸かりながら相槌を入れる。


「もう、また嘘! ラビスはなんでそんなに私の触りたがるのッ!」

サリイアは少し怒気を含んだ物言いをしてラビスを叱った。

「そうね……1つはカタチのいいブツを育てて見たいというエルフ的な欲求よ。もう1つは……、ちょっと見てくれれば分かると思うけど」

 そういってラビスはサイリアの元を離れていった。

危なかったパイタッチ描写はお風呂の煙が無かったら見えていたぜ!


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