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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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洞窟風呂1

「こっちにゃ! そこがすべるにゃ」

 イアは岩を削って出来た階段を下りながらジョー達を案内しいていく。

 洞窟内は、大きい開放的な間口で太陽光を取り込み、自然光で照らされた場所は初めて訪れたら神秘的に感じる。

 イアの弟のシュキマは階段の段差に手間取り全身を使って降りていて、それをカティアとフィフィ、それに女性陣が「ほら、危ないよ」、「抱っこしようか」、「がんばれ、がんばれ」と応援しながらなので通路が若干であるが渋滞しているものの、洞窟のすぐ近くある広間まで来られた。


 入ってすぐに異様な匂いは無かったが、洞窟内にこもる独特な湿気と一緒に腐った匂いと果実の香りが混ざったような匂いがしてきた。


 2つの出入口があり、材木で作られた仕切りの真ん中に獣人の女性が座っている。

「あっちがオトコが入るところにゃ、こっちがオンナにゃ!」

 イアが入り口の説明をしてくれた。

「そうか、分けられているのか……てっきり混浴みたいに男女一緒かと思った」

 ジョーがそう、口にするとイアが笑って「まえは、いっしょにゃぁ、でも、にゃんか変わったにゃ。じーちゃんが言うには《ぶんめぃーとうせい》っていうやつにゃ。あっちこっちから来るから、そっちにあわせたニャ」と軽く説明をしてくれた。


「つまりは大陸側っていうか、“俺ら(=大多数)”の文化にあわせた感じか?」


「にゃ?? たぶんそうニャ!」と元気よく返事をする。



「うおぉぉぉぉ、なんてこった! なんでそんな愚かな決定をしたんだッ!! 文化の尊さを大事にしないなんてぇぇぇ………。別にいいじゃないか一緒に入ったって」

 ラリーが唐突に絶望した表情で悔しがる。

 地面を叩いて、本気の奇行行動だった。

 しかし、隣で“警備”しているラリーとグレーは冷めた表情でみて、「通りで座り込むな」、「邪魔になるだろ」と冷たい言葉を投げかけた。


「にゃ? どうしたにゃ?」

 イアが心配そうに見つめた。

 もちろん、リィムとドゥリも怯えながら地面を叩いて悔しがる大人をみて硬直し、シュキマは真似するようにラリーと同じ行動をして遊んでいる。


「気にするな、発作みたいなものだ、暫くすれば直るはずだよ、たぶん……。それよりもどうやってフロに入るんだ? おカネとか払うのか?」


「にゃ? フロォにおカネはいらニャいよ? でもブクブクはそこで買うニャ!」


「ブクブク?」

「にゃぁ、石ケンのことにゃ」

「あぁ、もってるからいいよ」

「にゃ、それにゃらいいにゃ、かーちゃんにみんなの分ってもらったにゃ、無かったらいうにゃ」

 イアはそう言って古びた袋入れ(=財布)を持ってジョーの前に見せた。


「あとは何かあるか?」

「にゃ、ニモツやフクは入れるとこがあるにゃ、ソコにいれんにゃ」

「じゃあ、普段の湯屋と同じだな」

「にゃ! そうにゃ!」


 ジョー達はイアの説明を聴いた後、男女に別れてフロに入る事になった。

 ただ、イアは弟のドゥリとシュキマを連れてった。

 ゾゾロは男ども入る事を選び、ラリーは最後まで「異文化交流、異文化交流!」と叫んで女性と入る事を選ぼうとしたが、ミックとグレーに両足を掴まれ、そのまま男湯の入り口に引きずられていった。


***

~女性脱衣空間~


「これが、服を入れるかご?」

 カティアは植物の蔓で編んだ、不揃いなカゴが床に積み重なって置かれていたものを聞いて、使用方法をイアに尋ねた。


「にゃ! そうにゃ!、あっちの方に入れるニャ」

 壁に無数の穴が掘られて、いくつかが埋まっていた。ほとんどが空いているようだが先客がいるようだ。


「わかった、ここでもう熱いね」、「早く行こうよ」

 フィフィとカティアが嬉しそうに風呂にはいる準備をする。


 イアも服を脱ぎ始めると、シュキマが足元に絡みついてきた。

「《にゃー、シュキマ、邪魔ニャ! 早く服をぬぐにゃ!》」

 ちゅいをしてみるが「にゃー、にゃー」と泣いて立ったまま両手をイアの顔に突き出した。


「《服は、自分でぬがないと、だめニャ!》」

 そういってイアは屈んだが、なおもシュキマは要求する。早く服を脱がせと言っているように動かない。


「はぁ~《そのままにゃ……》」

 疲れたように息を漏らしてイアははシュキマの服を脱がす為に腰の紐を解いて、そのまま服を剥くように脱がせた。


「にゃ~♪」

 嬉しそうにシュキマは鳴いた。


「《クツも入れるニャ! シュキマそこで待ってるニャ! リィムとドゥリも走るにゃ!》」

 服を折りたたみながらイアは小さい子達に注意をしていき、自分も入浴の準備を進めていった。


「フフフッ♪ やっとフロに入れるね」

 ラビスはサイリアの背中を指でゆっくり表面の皮膚の感触を確認するように撫でた。


「ひゃッふぉ! ちょっとやめてよ」

 サイリアは下着姿で不意に背中からお尻にかけて、くすぐったい感触に身をよじる。


「いいじゃない♪ あとで洗ってあげるからね。丹念にね……デユフフフフッ」

 顔も身体も綺麗に整っているのに、その言葉からは汚く下心のある笑い声が盛れていた。


 不穏な空気を醸し出しながら、カティアは1番にフロ場に繋がる布の幕を開いた。




風呂は心の洗濯。(誰かの名言)

リリンとリリスの知恵。



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