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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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茶飲み→酒宴


「いや~、楽しいねぇ~」

 陽気な声と一緒に顔を赤らめているラリーは機嫌よく容器に入った酒を飲み干した。

「ブハー」と息を吐くと酒臭い。

「ほんとほんと、いい気分」

 ラビスが気前よくラリーの空になった容器に酒を注ぐ。

「おりゃ、これどうも、どうも」

 注がれたのは琥珀色の濁った液体。

「えいえい、えぇーい、いいの、いいの」

 呂律が回ってない様子でラビスは変な返事をした。


 なぜこうなっているかと言うと。初めに歓迎の茶会、そして食事が運ばれ、そのうちオルオンが酒を出してきて、茶会から宴会に、最後に近所からお酒が集まってきたので現在のように陽気にほろろ酔いの状況が出来上がっていた。


「うまいなぁ~、こりゃぁ酒が美味いだけじゃねぇよっと、きれいなお姉さんにそそいでもらったからだなぁ~」

 ラリーは酔って滑るかのごとき滑舌で褒め称えた。


「いや~、あんた、わかってるね」

 ラビスは上機嫌でもう一回お酌をする。

 ラリーは受け口をしながら酒を飲み干した。


「ありゃ、ありゃ、ありがとーうございます。それじゃあお返しにお胸でもおもみしましょうか?」

 酔っぱらった拍子にデリカシーを置き忘れた言葉を吐く男。

[バシッ]とラリーの顔に衝撃がはしる。 平手でラリーの顔を叩いたミックがすごい形相で睨んでいた。

「ラリー、ここは場末の酒場じゃない、ヒトん家だ。わかってんのか?」

 ミックは凄みのある言い方でラリーに注意をし、その後ろのグレーも真剣な様子で頷きながら視線を送っていた。


「あぁ、わかってますよ。ごめんって、そんなにらむなよぁ~、少し酔ったから口がかるくなったん・だ・ゼ!」

 まるで解かっていないラリーの様子と態度にミックはイライラとした様子だったが、何か言いたそうにする素振りだけで怒りを飲み込んで座り直した。



 そのような酒宴の席の近くを獣人特有の民族衣装に着替えたイアと武装を解いたカティアとフィフィ、それに付いていくクアン。

 

「《ニャー! とーちゃん、じっちゃん、ばっちゃん。まわり見てくるにゃー!》」

 元気に挨拶をして手を振っている。

 先ほどから周囲の散策に出ると話していたので着替え終わって出かけるようだ。

 イアの姉妹たちの『愛で時間(タイム)」も終えたフィフィもカティアも満足そうだ。


「にゃー・・…《待つニャ!》「《どこニャ》」」その後ろから『リィム』、『ドゥリ』が追いかけてきた。

 

「《おまえたちは家でまってんにゃ》」

「《いっちょにいくニャー!》」

「《だめニャ、シュキマとゾゾロは寝てるから見とくニャ! かーちゃんもミューちゃんのセワとおキャクの相手でいそがしいにゃ!》」

 イアにそう言われてシュンとするリィムとドゥリ。

「《返事はどうしたにゃ?》」

「「にゃぁ……」」

「《帰ったら、あそぶにゃ》」

 イアがそう言うとリィムとドゥリの尻尾と耳は再び立ち上がった。


 イアがリィムとドゥリにニャーニャーと話して、プァーニャーと返事をしてなだめると、カティアとフィフィを連れて行ってしまった。ついでにクアンが後をつけていく。



***――閑話休題――。


 ジョー達は暫らく宴会を続けていた。

 初めにあった精神的な壁もお酒に溶かされて薄くグニャグニャになっている様子だ。

 そんな開けた宴会に新しい乱入者が現れた。

 子供を背負った年若い女性獣人が尋ねて来たのだ。


「《まーちゃんいる?》」と声をかけ宴会中の中からお目当ての人を探す。

 アントンが声に気が付いて立ち上がった。

 そのまま女性の元に声をかけていく。

 獣人の女性はアントンとなにやら喋っている様子だった。

 それをラリーは酒を飲みながら、熟練の目利き美術評論者のような眼つきをし、一切の精神的表情ブレも無く「いい身体してやがる」と評した

 その後でニヤニヤと何か妄想をしているようだが相手は子持ちの人妻(未確定)のような雰囲気であるから不敬を通り越して恐ろしい妄想だ。

 しばらくするとアントンが挨拶をかわして女性は奥の方の部屋に向って行った。


「先ほどの女性はどうしたのですか?」

 ミックにそのように質問をされアントンは驚いて目を見開くと瞳がキュッと細くなって2度3度、部屋と目線を行き来してゆっくり覚悟を決めて落ち着いた様子で話し始めた。


「いやーヨ、マルマのともだチだヨ。さっきのハ、イアがつれられテ、マルマのおチチがでなぁってネ、代わりおチチ、くれルヨ。たすかってル」

 笑顔で言うがどこかぎこちない。

 要約するとイアが連れ去られてそのショックで母親のマルマの母乳が停まり、友人である女性にかわりに貰っているという事になる。


「でモ、だーいじヨうぶ、イアも帰ってキタよ、これでもとどおりネ」

 機嫌よく喉をゴロゴロと鳴らしてアントンは掴める干し果実を食べた。

 

「なるほど……それじゃあ、様子が心配だがらみてくるわ……」

 ラリーが真面目な顔で殊勝な物言いをあわせ立ち上がろうとするがグレーとミックが服と手を引っ張り無理やり座らせる。

 要約すると『授乳の様子をのぞき見』をしようとしているからだ。

「やめとけ、バカヤロー」、「酒だけ飲んでろ!」と怒られて「いいじゃねーか、生命の始めの尊い行いを眺めても」とラリーは反応するが無理やりという絶した力で抑えつけた。


 その様子を見てアントンは「ニャハハッ」と陽気に笑っていた。


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