↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
408/444

選政官3

「あッ! そうだった、そうだった」

 思い出したようにチャーガマは声を発しジョーを見て、そして静かに頭を下げた。


「まず、子供たちを救い、送り届けてくれた。ありがとう、代表者としてお礼する」

 そして、顔をゆっくりとあげた。


「――初めに、お礼を言わねばならんと思っとったが、忙しくてすっかり忘れてしまった」

 チャーガマの口元と目元の毛が動く、毛深いから殆ど表情は見えないが笑っているように見えた。


「いえ、これも仕事です。後で依頼書に確認の印を頂けると幸いです」

 ジョーは冗談ぽく返した。


「うん、そうしようか」

 チャーガマには冗談には聴こえないようだった。


(距離感が……)ジョーは悩みながらも、初めて会ったばかりのズレに苦しみながら会談は始った。



――閑話休題――時間経過――。


「大体わかった、それは後で読んでおこう。それで何か希望はあるのか?」

 チャーガマは頷いた。

 コツがボソボソと耳元で囁く。

「なるほど……、馬車が壊れた。ウマは大丈夫なのか? それで修理か……」

 チャーガマは数度頷きながら確認をとってジョーに向き直った。

「話は聞いた。工員の手配はスグにするから安心しなされ」

 ジョーにそのように話す。

「お心遣い、感謝します」

 相応するように頭を下げた。


「いいって、いいって。それよりも聞きたいのが、どこに泊まるかあてはあるのかい?」

「いえ、宿を取ろうかと思いますが、無ければ野外でも十分待てます」

「そりゃいかん、そっちの手配もしよう。なに、気にしちゃいかん」

 ジョーは静かに頭をさげて「何から何までありがたい」と感謝を述べた。


 一連の流れはとても緩やかな雰囲気で行われたが――(やったぜ、宿代とメシ代が浮いた)と澄まして感謝しているように見えるジョーのうすら暗い策略が成功した瞬間でもあった。


「さてと……決まりごとはこんな所か、他に何か言いたい事はあるかな?」

 チャーガマは最後に言い残した事はあるか確認をしてきた。


「そうですね……。それではゾゾロの両親の件。重ね重ねで申し訳ないと思いますが、探し出してやって下さい」


「あぁ、もちろん探そう。国内にいる子だったら時間が掛かるかもしれないが必ず探し出す」

 チャーガマも太鼓判を押したように了承した。


「そうですか……、我々の願いは叶いました」

 ジョーは了承したように頷いた。


「以上だな。それじゃあ後の手続きは追って知らせよう」

 チャーガマはそう言うと後ろで警備をしていた護衛の獣人を呼んで脇を持って立たせてもらっていた。

 足腰が悪いと言っていたチャーガマの表情はとても疲れているようにジョーには見えた。

 長時間の緊張が続いていてどこかホッとした様子が少しだけ垣間見れて(相当、身体が悪いのか?)とジョーは怪訝に感じたが早足で退散するチャーガマの様子を不信に思いながらも、初めの段階から様子がおかしかったので、それ以上考えるのをやめた。


 それよりも、クゥとリンが今後の事で話しかけてきてそれ所では無くなってしまった。


※※※


 面倒事から解放されたジョーはサイリア達がいる部屋に戻ろうとしていた。

「ぁあ、だるいな、こういう正式な会談って言うのは」

 ジョーは腕を回して、首を動かし、コリをほぐす。

【そんな、正式で畏まった会談でもなかっただろう?】

 背負った相棒の蛇腹刀(スネーク)が話しかけてくる。

「お前にはわからないよ。人とヒトの細かな応酬っていうのは意外と神経を使うんだ、冗談を言って場を和ませる会話術、相手を不快にさせないようにする気配りと言葉選び、それが終わるまでずっと続くんだ」

 お前には出来ないだろ?――と挑発するような目を後ろに送った。


【そうか? 冗談ぽいのは無かったし、不発だっただろ? それに昔に偉い人の話の聴き方を教えてもらったぞ】


「嘘つけ、どんなんだよ」


【うむ、会話の『さしすせそ』と言うヤツだ】


「会話のさしすせそ?」


【簡単に言えば偉い人が何か言ったら『さすがですね』、『しらなかった』、『スゴイ、素晴らしい』、『センスがありますね、セカイがとれる』、『そうですね、その通りです』と相槌うって、相手を気持ちよく肯定させ、ペコペコ頭を下げておけばいいらしい】


「本当にそんな法則があるのか?」


【うむ、『キギョウセンシ』はこれを身に着けていたらしい】


「…………じゃー、今後、参考にされてもらうか」


【是非、そうしたほうがいい】




 ジョーがそんなバカな会話をしながら戻ると部屋の前にある回廊の中庭にカティア達が座っていた。

 その中にいたイアがジョーの姿を捉えると、すごい速度で駆けてくる。


「ニャー! おわったにゃ!」

 元気よく声を出すイア。


「あぁ、終わったぞ」


「じゃあ、あたしん家にいくにゃ!」

「いや、まだ行けない、これから説明と書いてもらった物の回収がある」

「にゃ? わかんにゃいけど……まぁ、いいにゃ! みんなで町をみんにゃ!」

 尻尾をフリフリさせて誘うイア。


「その前に、この、グルミ・サ・パタを見て回ったのか?」


「にゃー! 忘れてたにゃ! みんなとみるにゃ!」

 思い出したようにイアの目は輝いた。

 そして、そのままジョーの元から離れると再びカティアとサイリア達がいる方に駆けていった。




なんとなく、かしこまった言葉で書くか、崩して書くか迷いました。

正式な会談の仕方は国によって異なるし、礼儀作法も違うから苦労します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。