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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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選政官1

 ジョーは協議用の部屋を出て仲間たちを探した。

 スグに見つかるとは思って無かったが、それほど簡単に見つかった。

 なぜなら部屋の前に人だかりが出来て目立っていたからだ。


 中廊下にある広間の柱に使われていたと思われる石材に腰を降ろし休んでいるミックとラリーとグレーを見つけた。

 対面の位置にいるジョーは広間を突っ切って歩み寄る。


「おう、話し合いは終わったか?」

 ジョーに気が付いたミックが声をかけた。

「あぁ、終わったよ。これから選政官が来てるそうだ」

「それじゃあ、この後、呼ばれるな」

「それよりもゾゾロはどうなった?」

 ジョーの問いかけにミックはある部屋を指さして答えた。


「あの部屋でずっと泣いていたが、先ほどから泣き声が聴こえなくなったから泣き止んだと思う」

「そうか、サイリアとか中にいるのか?」

「あぁ、そうだ」

「それで、部屋の周りにいる彼らはなんだ?」

 部屋をまわりをたむろしている獣人達(会場で見知った)の事をジョーは尋ねた。

「お礼を言われたよ、ここまでありがとうだってさ。あと、ゾゾロが心配なんだろう」


「なるほど―――、俺も様子を見てくるか」

 ジョーはそのままミックに手を振り、座って休んでいるグレーをチラリと見て、獣人の集団の一部を凝視したままだらしない顔のラリーを確認した。

 ちなみに若くて成熟したメスの獣人だけを見て顔をだらしなくしているのはジョーもわかっているので何も言わない。

 しかし、どこか危うさを感じている。


 ジョーは仕方なしにラリーから目を背け、獣人が集まっている間を通り抜けると部屋に入って行った。


 入り口は扉も無く、仕切り用の布がかけてあるだけなので、淡い色の布をどかすとスグに中の状況が見て取れた。


「よし、よしよしよし、イイコ、イイコ」

 サイリアは抱きかかえるように毛むくじゃらのゾゾロをあやしていた。

 ゾゾロはサリイアの肩に顔を置きながら疲れたかのようにゆっくりと目を閉じている。

 部屋にはサイリアの他にカティアやフィフィにイア、それにニコとアンジー、ミレイ、隅で寝ているラビスがいた。


「サリイア師匠、次、わたし」

 カティアがサイリアに要求するとゆっくりとゾゾロをカティアの胸元に引き渡した。

 今度はカティアにゾゾロは抱かれてフィフィと一緒に部屋の隅にある異国風の椅子に移動していった。


 ジョーはその様子を目で追いながらゆっくりと部屋に入ってきた。


「あら、終わったの?」

 ジョーの気配に気が付いたサイリアは声をかけた。


「あぁ、でも、これから選政官が来るから会って挨拶はする予定」

「そう、それでゾゾロちゃんはどうなるの?」

 サイリアにそう聞かれジョーは悩む。

 会談の合間にそれとなく聞いてみたがここから最大速でも陸路で12日くらいかかり、探して見つけて戻ってくるなら30日以上はかかるだろうという事を知っていた。


「時間はかかるそうだ……」

「それじゃあ、その間どうするの?」

「そこは俺たちの領分じゃない、こっちの人達で決めてもらおう」

「無責任じゃない?」

「いや、依頼は獣人国まで行って引き渡しまでた」

「そうかな……」


 寂しそうにするサイリアにジョーは諦めの目を向けた。


「ニャー! ゾゾロの事はまかせるにゃ!」

 イアが突然間に入ってくる。


 ちょっとビックリするジョーとサイリア。

「どうした急に?」

「ニャー、とうちゃんとかぁちゃんがレイニャンかしたいニャン!」

「お礼か?」

「にゃ! にゃ! あとゾゾロの事もいうニャ!」

「ゾゾロをどうするんだ?」

「カゾクくるまでいっしょにいるニャ!」

「そうか、それが一番いいかもな」

「にゃー、それにゃら会いにいくにゃ!」

 ジョーの腕を引っ張るイア。

「おいおい、行くなら全員でだろ?」

「いいわよ、私たちは先にお礼を言われたから」

 サイリアが簡単に答えた。

「それだったら、もういいじゃないか?」

「全員にしたいんじゃない?」

「にゃー!はやくいくニャ――!」

 イアが強烈に腕を引っ張り続ける。

 ジョーは仕方なく外に引っ張っていかれた。


 外に出るとイアはスグに父親である『アントン』と母親である『マルマ』を呼んだ。

 父親であるアントンはイアにすごく似ていなかった。当然であるが見た目からして違う、ケモノ比率が高いので2足歩行のネコっぽいのだ。しかし、母親のマルマはなんとなくイアに似ていた。子どもっぽさなど無く、大人の女性である事は見て取れる、尻尾とネコ耳はついていたが美人の系譜だ。

 その後でジョーはイアの両親からすごい感謝される。

 イアよりも片言の大陸共通語で感謝され、母親にも泣きながら感謝され、プミプミの親族からも立て続けに感謝された。


 圧倒的感謝を前に――ジョーはすごく恥ずかしい気持ちになった。


 そして、色々と話を聞かれ、イアがゾゾロを引き取ると勝手に話して驚かれ、色々と話している内にジョーを探しにきた補佐官が「会談の準備が出来た」という報告を聞いてジョーは気恥ずかしい場所を離れる事になった。


――事柄省略――。



 歓待用の部屋ではなく、謁見用の部屋に移動したジョーは1人で中で待っていた。

 すこし不貞腐れたような不満そうな表情を浮かべて。


(あいつら、全部俺に押し付けていきやがって)

 内心も不満そうに思う。

 ジョーは誰が一緒にお偉いさん(選政官)に会わないかと誘ったが、全員が素っ気ない返事で断ってきた。

 このような会談はそれ相応の覚悟と目的をもった者しか行きたいと思わないのだろう。

 それ以外の者からすれば『めんどくさい』以外の選択肢しかないイベントだ。


 部屋の中の意匠は以前訪れた王城の中と違い非常に簡素であった。

 石工の意匠は壁に施されているが、それ以外灯りの用具であったり必要な物以外見当たらない。

 ジョーが現在座っているラグのような敷物にデカいクッションのようなモノを床に直置きして部屋の中に座っている。

 一応ではあるが、蛇腹刀を外して床に置いている。

 敵意はないから武器の携帯はしないと態度で見せる為だが、そもそも偉い人が来るのに部屋の中まで蛇腹刀(スネーク)が携帯出来る事に驚いたジョーであったが文化の違いに戸惑いも見せるも適応するしかない。


【心配するなって、だれもお前を喰う訳じゃないだろ】

 床に置かれたスネークが話しかけてくる。

「心配してないし、誰も来なかったことに不満を感じてるだけだ」

【ケケケッ、それじゃあ素直に待ちな】

「それにしても遅いな」

 部屋に通されてから幾ばくかの時が流れていた。

 ジョーの前に置かれた同じような敷物に空席の場所を見つめる。


 そうこうする内に部屋の外が騒がしくなって気配が漂う。


普通の会話文章と獣人語の違いは「・・」 と「《・・》」で対応していくつもりですがたまに、間違うと思います。そうなったらごめんなさい。読みにくいと思いますが、作者も人間、ケアレスミスします。



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