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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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危機管理という不運

 晴れ渡る青空のもと、 空から巨大な物体が飛来し、大きな音を立てて地面に近づく。


 ―― ごぉぉおおおォォォん ごぉぉおおおォォォん


 プロペラが音をたてて機体を減速させ、橋のような飛行船の発着場に笛の音と誘導員の旗が舞う。

 接触音が鳴ってから機体のプロペラが轟音から高音へ、ゆっくりと減速し始めた。


 しばしの作業の後、飛行船の後部貨物室が開く。


 ゆっくりと外の光が貨物室に入り、外の景色が現れると「着いたにゃぁァァァ!!」とイアの声が一番に響いた。

 彼女が着いたと言ったのはぺテナダ国のアブブロン領に着いたという事だ。

 飛行船の航路中継地点であり、ジョー達にとって目的地の場所だ。


「ちゅいた? ちゅいた?」

「ちーたー?」

 馬車の中から遊んでいたゾゾロとプミプミが顔をだした。

 ニャンニャンと興奮気味に辺りを見回すイアと対照的にパポンは感慨深く空を見上げた。


「イア、まだだぞ、手続きして、治療院で『旅の予防』をするからまだ出発はできない」

 ジョーはパインブの手綱を握りながら、傍に着き、歩幅を合わせるようにゆっくりと馬車を移動させていく。


「チョーインに行くニャン? なんでにゃん?」

「アレだよ、地域ごとの風土病に罹らない為の予防だよ。はじめにいた町で腕とかに薬をぶっ刺しただろ?」

「にゃ? あの痛いヤツかにゃ?」

「たぶんそれ」

「にゃー!! やだにゃ! 痛かったにゃ!」

「いや、お前たちはやらない、やるのは俺とサイリア、ニコは以前にやってるから、ミック、グレー、ラリーにミレイとラビス、アンジーはわからんけど、後はカティアにフィフィだな」

「よかったにゃ! もう、やりたく無いニャ!」

 ジョー会話するイアに「なんでー?」、「なにー」とゾゾロとプミプミが不思議そうに尋ねてきた。

「《にゃ? ゾゾロもプミプミも、痛いのやらなくてよかったにゃ! 助かった(ベルン)町で腕に打たれた痛いヤツにゃ、ギュってやってビューってやられた《注射》ってやつにゃ?》」

 獣人語で説明をするがいまいちピンと来ていない様子。

「《あのねぇ、からださわられて、ピリピリするのぬられて、あま~いアメもらった》」

「《おなじなのぉ》」

  ゾゾロの説明では触診と塗り薬、そして不活性の甘味飲薬を処方されたが、それがクスリだと気が付いていないだけだ。


「にゃんだってッ!」

 初めての告白に衝撃を受けるイア。

 しかし、彼女受けた痛みには理由があり、活性型投薬は10才以上、不活性型投薬は3才以上10才未満という基準があるためだ。

 余談だが、ゾゾロとプミプミにもたらされたクスリ、ドロップアメ型の開発な理由としては子供が投薬時に暴れるか泣くかが多く、長い研究の末20年前に開発された品が大陸中に広まったという苦難と多くの子供たちの涙で出来た品だという事だ。


――閑話休題――。


 ぺテナダ国のアブブロン領にあるキューベイという町の治療院から出て来たジョー達。

 外にいたニコとゾゾロとプミプミ、イアにパポンはナワールを撫でながら纏まって遊んでいた。


「早かったな」とニコが声をかける。


「混んでなかったんでね、すぐにさ」とジョーが返事をする。

 他の者もひと休憩という感じだ。

 他愛無い会話と合流、その後ろに不機嫌そうに腕をさするカティアと俯いたままのフィフィが歩いてきた。

 

「どうしたにゃ?」

 イアは心配そうにカティアとフィフィに駆け寄る。


「ぶっすりとやられたわ……」

 つまり、注射を受けたという事になる。


「いたかったにゃ?」

 イアの問いにカティアとフィフィは同時に頷いた。


「サイリア師匠、なんで『旅の予防』を受けないといけないんですか?」と近くにいるサイリアにカティアは尋ねた。

「えっとね……、まず旅先での死亡っていうのが魔物に襲われるか病気っていう理由でね。特に風土病とか知らないと死んじゃうのよ。からだを綺麗にしてもダメだし、そんな時に中央国家のある国が予防策のクスリを開発してくれたの、えっと、シモーネとかシロンという学者さんで、その人のおかげで知らない国でもある程度安全にいけるようになりました」

「それだったら、もっと早くしてほしかった!」

「特に風土病は土地によって変わるし、なにより近場で受けると料金も安くなるの」

「それじゃあ、痛くない注射にして欲しい……」

「その内に開発されるんじゃないかな?」

「いまがいい……」

 この時の注射はガラス製だが針は以上に太くなっている。

 それが子供受けしない、見た目と技術上の不備だ。


 悲しそうなカティアにイアはゆっくりと抱きついた。

「にゃ、イタイのはヤにゃ、これでいたくにゃいか?」

「うん」

 カティアは抱きつき返す。

「終わってしまった事は仕方ないとして、早く行くわよタイオワに!」

 決意も新たにカティアは宣言した。


――――閑話休題―――。


 ぺテナダ国のアブブロン領から出て翌日、夕方近くの通商路をジョー達は国境付近の河を目指し馬車で移動していた。

 なぜが馬車を連結させて――。

 ジョーは操縦席で馬を動かし、隣にはミックが落ち込みながら座っていた。


「すまん……」

「気にするな……」

 ミックの言葉にジョーは励ます。

  

不活性ワクチンとか、生ワクチンとかの概念はおいておきます。

魔術でどうにかとかは難しいですからね。

風土病とか、伝染病は怖いです。日本だと不活性型のワクチンの問題は過去にさかのぼるとポリオウイルスしか思いつきません。現代ならコロナのデルタ型とかオミクロン型とか色々ありますが……。コロナって伝染病か微妙です、新型ウイルス平気かも……。

おっと、某国に消されそうだ。

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