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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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空旅3

「負けて徳をする。一見すると大きく間違っているように思えるが、負けるとは国が弱い事が多い、勝つとは国が優れているという事でもある。勝った国は負けた国から略奪するだけではすまない、国を大きくしたいならその国を統治下に治め広く管理する事も出来る。

そうなった場合、多くの国が自国の文化、風習、教育、武器、食料を等々を押し付け、自国の利益の為に発展と取り込みを行うだろう。そうなると負けた国は多くの恵みが民にもたらされ発展し、新しい商売、強力な武器の製造、強い軍隊を得て、負けた後で国が育つ場合がある。これが負けて徳をするという事だ」


「でも、それって勝った国が負けた国を取り込もうとする場合ですよね? 取り込まなかった場合は滅亡ってことですか?」


「滅亡って、全部破壊するって事か?」

「そうです。負けた国の国民は奴隷として売られるとかあるんですか?」

「そうとう昔はそういうの記録はあったらしいけど、1000人とかそんな少ない国民の数で、現在のように多い場合、色々と無理があるから滅亡までは滅多にないんじゃないか? 国の崩壊はよくあるが……」

「あれ? そうなんですか? 小説にはよくある展開なんですが……」

「カティア、もしや、あの『※クッロコ』シリーズの本の話か?」

「そうです、主人公が亡国の姫なんですよ。3巻であかされました!」

「もう、その本は読むな!」


――閑話休題――

 ジョーは脱線した話を仕切り直した。


「まず、戦争に勝った国は負けた国を一時、統治下に治める。これは、戦後そのままにした場合、隣国だと自国に被害が出るとさっき話したと思う。そうならない措置だ」

「遠くで戦争した場合だったらどうなるんですか、師匠? 戦後、勝って財宝奪って帰ればいいような気もしますけど」

「それは、そのままにしたら国が荒れ、難民が増え、周辺国から恨まれ憎まれ、将来的な国家間の連携もとれないままだろう、征服にしろ、同盟にしろ、未来が暗くなるから、そこまでの事を考えて決めなくてはいけない」

「なるほど……」

「だから、統治下に置く、そして生き残った民に自国の文化を受け付ける。これは反発を押え自国にとって有利にする為だ。よくある手法だと敗戦国の姫と自国の偉いさんをくっつけて将来的にその子供に統治させるって手もある。そこで重要なのは如何にスムーズにそれまでの政治の廃止や、その土地の有力者を黙らせるという課題があるが今回は詳しい説明は省こう」


「なんでですか?」

 ジョーの提案にカティアは疑問を投げかけた。

“詳しく説明”をすると、最も多いのは政権移行後の憂いを無くすため、王族を一族郎党処分させ、反対勢力になりそうな貴族も同様、毒殺、暗殺、国外逃走後の始末など――詳しく説明すべき内容が多く、歴史上、今日に至るまで、そのような処分が不変的だと子供たちの前でいう内容でも無いからだ。


「まぁ、お茶の時間だから……冷めるからさっさと説明を省きたい、むしろ長い話になるし、余計な事もあるからだ。それじゃあ…―――――いいか、まず国力、つまり戦闘力を計るモノは簡単に言うと3つある。民、カネ、食料だ。この3つが戦争の基盤となるから覚えた方が良い」


「それだけですか?」、「なんか少ないね」

 カティアとフィフィは同じようにジョーを見つめた。


「分かりやすいように絞っただけだ。これらは多ければ多いほどいい! そんな特徴がある。つまり最もわかりやすい言い方が出来る」

 ジョーの断言に――「実際の戦争は部隊の強さだったり、戦術の強さ、陣形の強さ、地形の利用で流れが変わる事もある」とミックはお茶を飲みながら付け加える。

「武器の強さ、防具の強さでも兵士の強さが変わるぞ」とグレーも教えてくれる。


「でも、重要なのは、その3つだね。無かったら何もできないもの」とアンジーの答えにラビスとミレイが頷いた。


「それによ、忘れちゃいけないけど、兵士の殆どは男だ。だから、欲が溜まりやすいから、それを発散させるために、戦場の花、しょう――…」

[ゴンッ! ゴンッ!」「グフッ……」

 ラリーがご高説をたれる前にミックとグレーは殴ってラリーを止めた。

 余計な事を言わない様に。


「……そのために分かりやすく教える必要がある。さて、机の上にお菓子を広げなさい。それをカティアとフィフィ。イアとパポンで2等分に分けてみな、適当でいいから」

 ジョーの指示に怪訝そうな顔をしながら2組に分かれて机の上に紙を敷いてお菓子を広げていく。



「分け終わったら、カティアとフィフィで1組、イアとパポンで1組、それで疑似戦争の組分けとする。焼き菓子は『民』、揚げ菓子は『カネ』、塩菓子は『食料』という事になる」


 カティア&フィフィ対イア&パポンで戦争した場合の疑似体験をさせる為に二手に分けた。簡単な説明でお菓子をそれぞれの役割に例える。


「では、これからお前たちに戦争の無慈悲さと、いかに損をするかという事を説明していく。あくまでも体験の為だが話を聞いた後で痛感するだろう……」


 ジョーの神妙な言い方に何故がカティア達はゴクリと唾を飲み込んで身構えた。



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