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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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空旅1

「じゃあね、わたしが攻略するんだから、それまで待ってなさい」

 カティアは海風が強く流れる飛行船の搭乗口で振り返った。

 日中、そして快晴の空を遠くに見上げ、遠くの丘に眼をやった。

 その方向は幸運なる島の迷宮入り口。

 決意を述べて、またいつか戻ってくるという意思表示を言葉に込め。

 自信のある表情で先を行くイアやフィフィを追いかけた――。



 海風が激しく吹き抜ける中で飛行船は動き出した。

 固定されたロープを外し、巨大なプロペラ激しく動いて回転を速める。

 浮き出した船体は海原の空を駆けて次の目的地に向って行った。


 ――期待に胸の爆弾が破裂しそうになる子供たちを乗せて。


***

 航空4日目、朝方――展望室。


「つまんなーい!」

 不満そうに飛行船の展望室の長椅子に寝転んで顔と声と態度で《不満の連続》を訴えった。

 カティアが不満なのは部屋に籠っているからである。

 飛行船は無事次の寄港地、イーララック国内のアメガンにいたが船から出る事は叶わなかった。

 何故ならイーララック国は内戦中。激しい戦闘ではなく小康状態だが、それでも王国側と反王国側に別れ、いかなる時も国内の火薬庫が爆発してもおかしく無い状態が続いているので船から出る事を止められているのだ。


「はいはい、いいから何も言わずに装備の点検を済ませなさい」

 ジョーはスネークを丁寧に布で拭いて、ワセリンのようなモノで汚れを落としていた。

 他の全員も同じく部屋の中に集まり装備の点検を続けている。

 やる事が無いからだ。


「し…しょ。もう…終わりました、…暇です」

 不貞腐れた返事がカティアから聴こえる。


「それだったら、姿勢を正してお行儀よく座ってなさい、姿勢の乱れは心の乱れ、心の乱れは隙を生む」


「いい言葉なんですが……何もできなくて悲しみに満ちています。なんで船から降りたらいけないんですか?」


「それはね、カティアちゃん。外に出たらこの国の怖ーいお兄さん達に誘拐されるかもしれないからよ」

 ラビスが自作の矢を造りながら答えた。

 ちなみに鏃(やじり)は鍛冶屋に注文しているが、羽とノ(=やじりを取り付ける本体部分)は自前で用意して制作しているようだ。


 手伝いのミレイも頷く。

 机の上の道具箱から鏃を削り研いでいた。


「誘拐されるんですか? 戦争中なのに?」

 カティアは起き上がって答える。


「たとえ、例え、本気にしないで聞いて、誘拐されるのは周りが危ないから、危険な国と言えば戦争、戦争は国の乱れ、そして治安の乱れ。こういう時に盗賊とかヤバい奴らが暴れるの、だからソコの交易所にも怖ーい顔の兵隊さんがいっぱい知るでしょ? こういう場所にも危なーい人物が潜んでいるから警戒しているのよ」

 ラビスはすまし顔でカティアに教えてあげた。

 カティアは先ほど窓から顔を覗かせたら確かに武器を持った兵士が沢山いたのを思い出す。

 ミレイは頷きながらノとなる部分をヤスリで削り真っ直ぐにしている。


「うぅ~~~~、ちょっとくらいならイイと思う」

 カティアは唸り声をあげた。


「ちょっとでも危ないわよ。私達も以前、こんな風に内戦気味の国を訪れた事があるけど、普通の住民も排他的で嫌がられたもの、国全体でピリピリしちゃって行っても何も楽しい事も無いのよ」

 

「本当に?」

「ほんとう!」


 ラビスにも言われカティアはまた椅子の上に寝転んだ。


「カティア、椅子は寝るものじゃなくて座るものよ」

 今度はサリイアが注意した。

「ししょ~、わかってますが、わたしは戦争が憎いぃ~」

 悲しみを表したふて寝を体現する。

 そして起き上がり、今度は机の上に上半身を預けたように寝た。

「こら、机の上に寝ちゃダメ」

「サイリア師匠、これくらい許してください。そいしないと心が折れそうです。せっかく違う国に来たんだから見て回りたかった。美味しいモノ食べたかった」

 そんな態度のカティアにサイリアは何も言わずにため息だけ吐いた。

 

 しかし、そこに覆いかぶさる1つの影。

「しかたねーにゃん! ヒトはセンソーがすきだニャン!」

 イアがカティアに抱きついた。

 親愛的行動だろう。


「こら、別に戦争が好きなわけないだろ?」

 ジョーが蛇腹刀の掃除を終え注意した。


「にゃ? じっちゃんが言ってたにゃ。 ヒトは毎日センソーしてるって」


「毎日じゃねーよ。時々? ……いや、結構な争いしてるな」

 ジョーは不穏な噂や小康状態の国々、内戦、小競り合い等々を合わせると戦争というカテゴリーに含まれると思い直した。

 それはイアの国から見ればの話で大多数の国々とイアのいる国からみればどこかは争っているかもしれない確率の話だが、イアとその家族から見れば毎日争っているように見えるだろう。


「そもそも戦争って儲かるからするんですよね」

 懸命に自分の杖の整備を終えたフィフィが満足顔で話に入る。


「そうそう、戦争って儲かるのよ」

 イアの尻尾に触れながら若干機嫌が良くなったカティアが答える。


「センソーがモーカるってなんにゃ?」

「えっとねぇ……ウハウハになるのよ」

「ウハウハ?」

 いまいちピンと来ていないイア。

 説明するにはもう少し詳しく簡単に教える必要がある。


「カティア、フィフィ。戦争は儲からない、確実に“損”をする。その考え方は間違いだ」

 ジョーは言葉を繋げてた。


「あれ? 昔、屋敷に来ていた商人のおじさんがそう言ってましたよ。『戦争は稼ぎ時』だって」

「わたしも聞いたよ。小麦の価格が上がるから、南方は儲かるなって。お父さんが言ってた」

 カティアとフィフィは相槌を打ちながら言葉を並べる。


「それは大きな間違いだ。そろそろ休憩にするから、その時に説明してやろう。戦争が儲からないカラクリを」

 ジョーは蛇腹等をを革製の鞘にしまう。




戦争など日本では長らく無縁ですが世界のどこかでは起こっている問題です。

現在ならアフガニスタンですかね?

内戦やっている国は治安が悪いです。

それに中東は特別な条件下にあります。

昔、母が海外旅行に行った際、飛行機の給油の為に中東のどっかの国に入る事になったんらしいんですが、その時の案内人?というか、そんな類の人に『給油中は顔を伏せて絶対に頭を上げない様に、女性の方は男の人の姿をみないように』とか言われて怖かったと言っていました。

当時、嘘だと思ってましたが、最近のニュースで女性蔑視のイスラム教は本当だったと感じます。


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