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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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幸運なる島2

町の出入口で木造屋根付きの乗合馬車(迷宮行き)にパポン、イア、ゾゾロにプミプミとナワールを乗せて草原にある踏み均された程度の道が丘を越えて続いていた。


 遠くには牧場のような囲いが見えるが所々で荒廃寸前の荒れた土地も見える寂しい状況だ。

 そんな平坦な道をジョーは愛馬にカポカポと蹄を鳴らしながら乗合馬車の速度と同等に進んでいく。


「師匠、あそこに馬の群れが見えます」

 カティアは辺りを警戒しながら伝えた。

 移動する時は自然と警戒するようになる彼女だが、実際にこの場所では危険度は少ない。


「軍馬の飼育でもしているんじゃないかな?」

 馬に乗りながらジョーの遠くの丘の向こうにある黒い影の集団を見つめる。


「軍馬ですか? ふつうの馬の飼育では?」


「いや、この島は特殊で畜産関係は出来なかったはずだ」


「畜産? 羊とかウシとかを飼う事ですよね。それって普通の事では?」


「だから…この島自体が特殊なんだよ。幸運なる島……、この言葉の意味は決して“前向きな”言葉ではない。むしろ危険度を現している」


「?……まったくわかりません」


「いいか、丘とか他の所もよく見ろ?」

 ジョーは辺りを指さしてカティアに注意を促す。


「なんか……掘り返した跡とか、不自然な穴とかありますね」

 カティアはよく見て答えた。


「昔の戦闘跡だよ」


「ここ戦場だったんですか?」


「あぁ、島中に魔物が溢れかえっていたと聞いたぞ」


「えぇ! なんでですか? まだ魔物1匹も見て無いんですけど!?」


「この島にある迷宮の入り口からあふれ出てたらしい。昔だから資料も残って無いが、この島を支配下に起きたい連合国家群は相当長い年月をかけて島全土の魔物を駆逐したって話らしい。その時の戦闘の傷跡が島中に残っている、だから森は無くなり土地は荒れ生産出来る物が無いから畜産や畑をやる人が少ない、島の食糧は輸送船や飛行船で運ばれてくるモノが殆どなんだろう」


「なるほど、しかし、なぜこの場所で軍馬育てようと思ったんでしょうか?」


「軍馬は普通の馬を育てると違って訓練が必要になる。戦時の大きな音に動じない為に火薬とかを使って慣れさせ、隘路(あいろ)などの起伏にとんだ所を走破させる訓練の為に広い土地と周りに何もない所が必要だからだ。それに1頭あたりの取引価格も高い」


「なるほど、考えている訳ですね」


「というか、それしか出来ないからな、幸運なる島、元々は“死の島”と恐れられていたという話だ」


「そうですか? むしろ何も無いように感じますが……」

 町を出てから草原だらけの辺りを見回す。


「そもそも、この場所に来る事自体が危ない、島の回りでは海流の衝突で渦潮が頻繁に発生して操縦のままならない危険地帯らしい、少し航路を外れれば海獣の巣。荒れ海と呼ばれている一流の船乗りしか島に近寄れないそうだ。それに、この小島に満杯の魔物、死骸と血だらけで土地は腐り死んで作物も育たない不毛な大地だったそうだ」


「それじゃあ幸運って話はどこから来たんですか? まったく“幸運”じゃないし」


「そうだな、でも言っただろ、この島、全体に魔物がいたんだ。埋め尽くす程の量が。この島を掘ると相当な骨が出てくる。この島だけで何千何万っていう数の魔物が喰い争っていた。もしこの島が陸続きになっていたらどうなっていたと思う?」


「??……どうなっていたんですか?」


「ここいら一帯は人の住める土地じゃなくなっていただろう。ある学者が言うには大陸全土の2割程が住めない土地になっていただろうという話もある」


「それって相当ですよね?」


「そうだな、周りが海に囲まれ、渡るのも大変な海流で海獣の巣が周りにあり、孤島であった事が幸いした。だから“幸運なる島”つまり、俺たち(=国々)にとって幸運だったという話だ」


「それが幸運なる島という訳ですね……わたし達にとってという」


「そういう事、それに、この島で見つかる魔物は変異種が多いとされているが、ある学者の仮説では変異種ではないく原種ではないか? という事だ」


「???……つまりは?」

 カティアは考えるが分からないので答えを聞いた。


「魔物は元々この場所から発生し世界に広まったという仮説だよ」


「本当ですか!?」


「本当かもしれないし、嘘かもしれない。だから仮説なんだろ?」


「なるほど、なるほど……でも……どうやって広まったんでしょうか? まわりは海ですよね?」


「海を渡ったんだろうな、大抵は死ぬが割合的に少しは生き延びるだろう。、そこから繁殖して増えたと考えるのが仮説の一部だ」


「ほうほう、ココまでの話を聞いてわたしは思いました。この島を治める国々……えっとグギャーム? な、ナパポ?――」

 カティアは悩みながら、この島を治める国々の名前を口に出すが正確には覚えていないようだ。


「――グリアーム公国、ギャリアー国、ソワーズ国、ナイボ国、タナシ共和国」

 ジョーは付け足すように正確に国名を答えた。


「そうです、グリアーム、ギャリアー、ソワーズ、ナイボ、タナシという国々はこの迷宮を何を目的にしているんでしょうか? やっぱりお宝とかですか?」


「そうだな……この町を見たところやっぱり魔物から取れる“魔石類”、毛皮、皮などの生活用品類が倉庫で見えたからそういうのを手に入れているんじゃないかな? あとは岩塩、鉱石類あたりか」


「それだけで十分なんでしょうか? あと軍馬だけ育てているようですが魅力に欠けます」


「良い所に気が付いたな」

 ジョーはカティアを誉める。

「えへへっへ、そうでしょ? 7大迷宮の割には魔物だけだなぁ~と思って、やっぱりお宝が無いと!」


「そうだな、魔物だけだ……だが、その魔物の存在がこの場所を引き付けている」


「どうしてですか?」


「前に教えたはずだ。冒険者として仕事をする区域には縄張りがあって頂点の捕食者をはじめその下を境に増えていく。つまり大きな一帯があって魔物は生活と繁殖が出来る。これはどこも変わらない。しかし、この場所は魔物が多大に湧き出ている、いや、この島の面積の割に出現し過ぎていると言える。そこで学者はこう考えた、実は迷宮の地下にものすごい広大で豊かな土地が眠っている―――と」


 ジョーはそのように推察される夢と希望の言葉を伝えた。




あとがき


 迷宮に宝あり。

 つまる所、利益があるから迷宮が動くわけです。

 簡単に言えば油田やレアアースがあり生活の役に立つものが取れるということでしょう。


 ですが、油田やレアアースって先進国では役にたちますが精製技術がない場所だと只のゴミ、さらにいえば利用でき製造できないと役に立ちませんね。

 話の世界では魔石や魔道具の材料などがそうゆう役割だと解釈してください。


 幸運なる島、つまり地下帝国の領土を求めて連合国は金を出しています。

 国力=領土とはなりませんが、豊かな土地は国力になり有利だからです。インドとか中国などは人が多い、大河があり豊潤な土地があったからです。ロシアやカナダは土地が広くても厳しい気候ですから文明の発展条件を満たさなかったという事です。



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