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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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飛行船1

「ふおぉぉぉ……、予想外の大きさね」

「でっけぇニャぁぁぁぁ」

「なんか、キュンキュンて風を切るような音が聞こえてくる、昨日はわからなかった」

「おっきぃ~、なんだろう、あれ?」


 カティア、イア、フィフィ、パポンはその場から見上げて空にあるモノを確認する。

 全長300メートル級輸送飛行船を近くでみて大きさに圧倒された。


「《ねぇ、あれにのるの! のるの!》」

 ゾゾロは興奮気味にニコに言った。

「《あぁ、そうだよ》」

 優しくニコは答える。

「《プミプミ! あれにのるんだ!》」

 ゾゾロは隣にいる嬉しそうな顔で言った。

 しかし、プミプミは耳をシュンとさせ、明らかに暗い顔している。


「《どうしたの?》」

「《……おおきくて、こわい》」

「《そんななら! てをつなごう》」

 ゾゾロは強引にプミプミの手をとった。

 彼女はビックリするが、次第に顔が晴れやかになり「《うん!》」と元気よく返事をした。

 笑顔になる獣人の幼子をニコは優しい笑顔で見つめていた。


「おーーーい、いくぞ」

 ジョーは遠くから声をかけた。


――閑話休題。



 ジョー達は塔の傍の昇降機前に来ると身なりのいい職員が一礼

 木造の囲いで出来た昇降機の扉を開ける。

 ジョーはパインブの手綱を持って並走して歩いていた。

 進行の際、馬の暴走を押えるのと、細かな操作をする時に取り入る基本的な行動となる。


 ゆっくりと手綱を引っ張りパインブが暴れないようにサイリア達が乗っている馬車を昇降機の中に入っていく。

 馬車が1台入れるほどの大きな鉄格子の箱の空間。そして縦に細長い立方体の中を網目状に木造の格子が走る。

 ガラガラと扉の閉まる音。


「にゃ~ん? みんなで乗るんにゃにゃいの?」

 イアはサイリアの座っている操縦席の脇から顔を出す。

 ジョーは上半身だけ逸らし「重さと広さが関係しているんだ。馬車2台は入らないし重いから1台づつ」


「にゃ! そうかにゃ!」

 イアは納得するとピーと警笛の音が響く。

 それと同時に床がガタっと動いた。

 ガタゴトと音を上げて上に昇り始める。


「ににゃッ! うごいてるニャ!」

 イアはキョロキョロと辺りを見回す。

「ほ、本当だね」

 フィフィも飛び出して答える。

 人生初の昇降機を体験したから。



「そりゃそうだろ昇降機(ベーター)なんだから」

 戸惑い無くジョーは答える。


「べたーいうのかニャ!」

 イアはビックリしたまま興奮している。


「ほらほら、お行儀よく座って無いと落ちるよ」

 サイリアは心配そうに身体を突き出すイアを戻していく。


「大丈夫、これが昇降機だから、どっかの商会の技術らしいわ」

 カティアはイアの後ろから抱き着いた。

「どこのにゃ?」、「えっと、スゴイ大きい商会だって」、「にゃ?」、「たしかヒトコシ商会だったような」

 キャーキャーと騒ぐ3人。


「騒ぐと落ちるぞ」とジョーが嘘を言うと3名はピタリと停まった。


「にゃ? にゃんで動いてるにゃ?」

「えっと……下で歯車回している人がいて、それが引っ張るのかな?」

「ポンちゃんわかるかにゃ?」

「えっとねぇ~……見ないとわかんないよ」

「そうかにゃ~」

 今度は4人でボソボソと相談しだした。

 そんな話を聞くうちにおよそ10メーターの距離を昇降機は昇り切った。


 扉が再びガラガラと音を立てて開くと入り口と同じように職員が礼儀正しく一礼し出迎えてくれた。


 目の前に広がるのは開けた場所、船着き場の通路は板張りの上に奥まで続いていく。


 ジョーは手綱を引っ張ってパインブを歩かせる。

 馬車がギギギと音を出して動き昇降機から外に出た。

 風が吹き上げるように流れ込み、さらに近くで飛行船が見えてくる。

 船と一体となる巨大な気嚢(きのう)が山のように見え、その下についている鉄製の船体と何層にも重なったプロペラが着装されているのが確認できた。


 ジョーは橋げたのような通路を進んでいくと――当然のようにイア、パポン、フィフィにカティアまでもが荷台から顔をだしてこれから乗る飛行船を言葉も無くあんぐりとした表情のままずっと見つめていた。


「……これ、空をとべるんかニャ?」

 不意にイアは喋る。


「えっと、飛べるよ。それだから飛行船っていうんでしょ?」

 フィフィは答える。


「どうやってとぶんにゃ?」

「ええっと……」

 言葉に詰まるフィフィ、それ以上の知識は無かった。


「――上部の所、布みたいな金属がボコボコとしている部分に空気よりも軽い気体(ガス)を詰めて全体を持ち上げているんだよ」

 見かねたジョーが助言を与える。


「にゃ? それだけでとべんのかニャ?」


「いいや、後は空竜種の魔石を積んでる。それで浮力を持たせているのさ。機能としてわかりやすく説明すると王都近くに棲む竜種のドレイクは本来飛ぶことが出来ない、いや、殆どの竜種は飛ぶには身体が重たすぎる、羽ばたいても“普通なら”身体は持ち上がらないほど重い、グリフォンもそうだが、鳥のように身体を持ち上げるにはもっともっと筋肉が必要だし身体を軽くしないといけないらしい。空を飛ぶために魔石の魔力で身体を軽くして飛ばしている事で、それを応用したのがこの飛行船にも積んでいる動力部だ。だから重くても大きくても浮く事が出来る」


「……つまり、魔石の力と何かの最新技術で飛んでいるって事ですか?」

 カティアは尋ねた。


「そういう事だな……」

 ジョーが答えると「それなら安心ね!」と彼女はキッパリとした様子で納得する。


(魔石と最新技術の信頼感すごすぎだろ……)

 ジョーはそれ以上の説明を止めた。




気嚢の中に入っている気体は水素かヘリウム……という正式名称はありません。

唯一言えるのは“空気よりも軽い気体”です。


そういえば最近、飛行船みないなぁ~。


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