↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
369/444

寄り道

「こ~かん、こーかん♪」「いくぞ、みんあでぇ~♪」

 ゾゾロとプミプミは伝説の剣(=その辺に落ちていたちょうどいい木の棒)を振り回しながら元気よく道を歩いていく。

 好奇心多い年頃なので色々と見て回りたい思いがあるようだ。

 その後ろにはニコがゆっくりと後をつけて見守っていた。


 そして、その後をジョーとカティア、フィフィ、イア、パポンが色々と話しながら目的地まで歩いている。


「師匠、ところでなぜおカネを交換しなくてはいけないんですか?」

 カティアは話の中で素朴な疑問を投げかける。

 それをジョーは『こいつ、冗談だろ?』という意味を込めた眼で見ていた。


「なんですか! そのゴミを見るような眼は!」

「ゴミだと思ってない、アホだと思っている」と素直にジョーは返す。


「アホでいいじゃないですか!まだ“修行中”なんですから教えてください」

「はいはい、説明は大事ですヨネェ」と軽い口調で話しかける。

「もー! いいから説明を!」

 ジョーとカティアのいつもの関係をしながら説明を続ける。

 持っていた銀貨を袋から取り出してみんなに見せる。


「――さて、その前に質問をしよう。俺たちがブリューシュ王国からパンテオン王国に入国した時におカネの換金をしなかった、おカネとは国ごとに貨幣を造るモノだから基本的にその国でしか使えない、しかし俺たちはそうしなくても使えた。それは何故か?」


「使えた理由ですか?」

 カティアは尋ねる。


「そう、他国でも使える理由」

「それって重要ですか?」

「重要じゃなかったら質問しないだろ?」


 ジョーにそう言われ頭を悩ます4名の乙女。

 その中でフィフィが何かに気が付いた。


「わかりました、三国同盟の仲だからです」

 そのように答えると『ドウメイって何にゃ?』と『あのね、なかの良い国って事だよ』と教え合うイアとパポンの話が聞こえてくる。彼女達は遠い国から来たからピンと来るものが無いようだ。


 ジョーはニヤリと笑って「惜しいけど着眼点はいい、違う国だが仲が良く“価値”が同じだと商人達が商売をしやすいという訳だ、さて貨幣(カネ)として流通している銅貨、銀貨、金貨を造る上で気を付けている事を考えれば自ずと答えがでる」


「造るうえで?」

 カティアは悩みながら質問をしていく。

「そう、同じ価値を持たせる為にしている事……」

「一緒のモノ造ればいいじゃない?」

 カティアは疑問符をつけながら呟いた。


「そうだ! 一緒なんだ。つまり……」

 ジョーはさらに話を続けようとする。

 驚きながらも「つまり……エぇーと、同じ通貨を造る?」と彼女は答える。


「惜しい、同じ通貨じゃなく、国が違うから通貨も違う、しかし何入っているモノは同じ、金と銀と銅がどのように使われている?」


「同じ……量?」

 相槌を打ってもらうようにカティアは答えた。


「そう、各通貨に使われる、金、銀、銅の割合が一緒だから価値が同じになっている、だからブリューシュ王国とパンテオン王国では同じ通貨が使えるんだ。事前に国同士でそれぞれの配合量を取り決めて製造しているから”おなじもの”とみなしている」


「「なるほど~」」

 カティアとフィフィは同時に頷く。


「にゃ! にゃんで金、銀、銅を使ってるニャ?」

 元気よく手をあげイアは質問する。

 疑問に思った事を口にするのは彼女の良い所だ。


「基本的に……希少価値がある事を除けば、無害である事、加工が比較的しやすい事、頑丈さ、腐食耐性などが使用している理由だと思う」

「そうニャンか?」

「食器とか口に含まれるモノに使われるだろ? さすがに金の装飾品とかは貴族関係の場所でしか見ないけど」

「……にゃ? 食器は木ニャン!」

「それは一般的には……まぁ、庶民感覚からしたらそう思うよな、でも、それで納得しておけ。手で持っても口に含んでも大丈夫だから使っていると、毒性のある鉱物もあってそういうのは使えないだろ?」

「わカッたニャン!」

 元気よく返事をするイア。

 

 その集団の様子を後ろ歩きをしながらゾゾロは見つめていた。

 そのままジョーの手に持たれている銀貨を見つめ――『もってる!』と叫んだ。


「《にゃぁッ! どうしたにゃ、ゾゾロ?》」

 イアは突然叫んだゾゾロに驚いた。

「《もってるよ、イアねぇ、もってる》」と元気に告げる。

「《にゃ?もってんのかにゃ?》」

「《うん》」

 ゾゾロは返事をすると立ち止まって腰に下げた皮袋(=ギルドでもらったお古)を取り出し中を確認する。

 中に入っているのはゾゾロが移動の間に集めた珍しい形の石や何かの抜け殻、羽など一般的にはガラクタ品の類が入っていた。


ゾゾロの周りに集まってその袋に注目して――ついにゾゾロは中身を取り出す。

その手には“銅貨”が持たれていた。


「それ、銅貨だろ? 俺が持っているのは銀貨で……」

 ジョーはその時に思いついた――(なぜ、ゾゾロが銅貨をもっているのか?)――そう疑問が頭をよぎる。


「な、あ、ゾゾロ、それをどした?」

 ジョーは心配そうに訊いた。心境としては自分の子供が盗んできたのかと心配する親の気持ちだ。

 しかし、それは杞憂におわる。

 彼は楽しそうに貰った経緯を話してくれた。

 まとめると――ギルド併設の食堂でゾゾロは店の主人(ハッシュ夫婦)の手伝いをしていたのだと言う、その中で客の1人がくれたものらしい、その客の容姿は極めて特徴的、髪の色が白と青と黒のまだら模様らしく、そのような容姿の者をベルンの町で1人だけ知っていた。

 オジュール=カッパーノ、翼陽の団の団長を務めている男だ。

 彼は気前がいい、よくカティア達にお小遣いを上げていた、そしてゾゾロが手伝いをしていてそのお駄賃と考えれば辻褄は合う。

 その後でゾゾロは使用方法が分からず、机で硬貨を回したり、弾いたりプミプミと遊び道具として使っていたようだ。


(まぁ、いいか、楽しそうだし)

 カティア、フィフィ、イアとパポンに宝物を見せるように自慢しているゾゾロを見て安心したが、どこかで“心に棘が刺さる”引っかかりをジョーは覚えた。

 



この世界で硬貨の価値……いえ、通貨の価値を検証するのは、いささか不用心かもしれません。

経済観念、それは話をする上で物語りの価値観を壊してしまうからです。

例えばドラクエシリーズで有名な『ゴールド』ですが初期の宿屋は安いのに終盤の宿屋は高いとか、なんで魔界っぽい所で“ゴールド”使えるの?とか大人になってから疑問に思ってました。

そこはスルーしようよ。そう囁く声が聞こえますが、ドル高円安、ユーロ導入など現実世界では貨幣の弊害や障害など国と国を出して生活しているという話ですので価値の差がある事が自然と判断した次第です。


江戸時代の日本は銀と金の価値が同等でその為、海外に金が流出し黄金の国とか呼ばれた経緯があるとかないとか。価値の正確な物差しがないとこういう事が起こります。


だから作中でも自然な考えで換金所や両替所はあると思います。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。