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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第7章;獣人国に行くよ
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墜落

 レットブロー全身全霊の渾身の一撃は――ジョーの体が煙のように消えてしまった事で霧散する。


「なッ」

 彼はこの言葉を残し、爆音と爆発にも似た衝撃波の中心に姿を消した。


***


「おっけー、イイ感じ。サイリアやりな」

 ラビスは自身の能力で木々の壁を造り衝撃波と爆風を防ぎきる。


 杖を構えたサイリアは「―――――――、その器を変えよ、…地割れ(マグナレック)」と詠唱を終えると地面の柄を叩いて魔術を発動させる。


 切れ込みが地面を疾走し、爆心地に向かった。


***


 レットブローは動かずにいたが、グラリと地面が動くのを察知する。

 次の時には地面が砕け、激しい揺れと一緒に天地逆転に地面が襲い掛かり埋もれていく。


「わぁあああああああああああああああああぁぁぁ………――」


 何が分からずにそのまま地面に飲み込まれて姿を消していった――。

 ズレた大量の土砂と岩盤は下降部の川に飲み込まれ巨大な水飛沫があがった。


 そして――思いもよらぬ方向にいたジョーが雑木林から姿を現す。


「どうだ?」

【あぁ、消えていったぞ】

 

 良い感じのニチャリとした悪い笑みを浮かべ崩れ落ちた崖の方を見ていた。

 崖の奥から激しい衝突音と、それに伴う反響音が響き――そして、静かに音は消えていく。

 

「ちょっと、ちょっとッ! 師匠ぉ―――――」

 カティアが大声で駆け寄ってくる、その後ろにフィフィやイア、パポンも続く。


「師匠、消えた、バーンとなってブワァーきた、そしたら地面崩れた! 師匠、現れた、どうなってるッ!」

 興奮気味に伝えるカティア。

「なにか原住民みたいな喋り方すんな」


「そうじゃなくて、なんでッ!」


「おいおい、まだ戦闘中だ。説明するのは終わってからにしてくれ」


 カティアはギャーギャー喚てていたが、そんな中、サイリア達が小走りで駆け寄ってくる。

「終わった?」

 サリイアはジョーに確認の意味を込めて尋ねた。


「一応……―――」

 返事をしようとしたジョーは【まて、まだ気配があるぞ】というスネークの言葉を聞くと「カティア達を頼む!」といって崩れた崖の方に急いだ。


 崖に寄れば微かに聞こえる水の流れる音と一緒に野太い叫び声が聞こえてくる。


(なんだ!)


 身を乗り出すジョー、そこに見たのは崖から生える未成熟な木に捕まり空中に宙ぶらりんの状態のレットブローを発見した。


(しぶとい!)

 そう思ってジョーは崖を駆けだした。

 

 レットブローは武器を枝に絡め何とか安全を確保しようとしている。

 そこに上から来るジョーを発見した。


「待ってろぉぉぉぉ!!!」

 ジョーが威勢よく声を掛ける。


「おぉ、まかせた!」とレットブローは返事をする。

 返事から助けが来たという喜び伝播していた。


 ジョーは蛇腹刀を振るうと――蛇のように崖際を伝って、木々の根元を切り裂いた――。


「おわああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ………ぁぁ――――――――――――」


 そのまま一直線に下に滑空し、水霧の中に消えたレットブロー。

 声だけは反響して聞こえるが底まで相当深いのか目視する事もかなわない。


「いやー、良かった早めに気が付いて」

 ジョーはヤレヤレと焦りから落ち着いた表情に戻った。

 崖に対し垂直に立ちながらジョーは崖下に落ちた彼の行方を確認する。

 現在は水の流れる音が聞こえるだけで岩の崩れる音やその他は聴こえない。


【勝ってカブトのなんちゃらだな、戦況確認は最後まで見ないと分からない】

「その通りだな……戻るか」

 ジョーは崖昇りの要領で仲間の元に戻っていく。


***


 外套(がいとう)の露を払っているサイリアとカティア達が崩れた岩場の崖をヒョイヒョイと飛び跳ね戻ってくるジョーを発見した。


「師匠! こっち、こっちぃ~」

 カティアが大きな声を上げて手を振る。


 到着するジョーにサイリアが布地を渡して、体を拭けといういう感じだ。

 ジョーは滴った髪を静かに拭きだした。


「確認は終わった?」

「あぁ、一応、下の川に放り込んどいた。後は溺れるにせよ、流されるにせよ時間は稼げたな」

 サイリアの質問にジョーは返事する。


「ししょう、ししょう、さっきの続きです! なんで消えたんですか!?」

 速く捲し立ててカティアは尋ねた。


「わかった、わかった、話すけど歩きながらだ」

 ジョーはそう言ってカティア達を連れて馬車がある場所まで戻る為に雑木林の中に入っていた。


***


 早足で起伏のある道を歩いていく。

 先頭ラリー、ミック、グレーの三槍将(トライデント)と、その間に入って軽快な会話をしているラビスだ。


 そんな先頭集団と少しだけ距離を開けて歩くジョーはカティア達に質問攻めにされていた。


「師匠、消えた現象は技ですか? わたし教えてもらって無いですけど」

「ちげーよ、お前も知ってるだろ」

 ジョーは腰元を見せると少し高級そうな短剣が装備されている。

 『幻惑幻夜の短剣』を見せた。


「おお! それは偽物ぽい本物を造る魔剣ですね!」

「そうそう、言い方は悪いけど本物に近い幻惑を生み出す魔剣だな。それを使った」

「あぁ、だからですか!」

「おまえ……忘れてただろ」

「……まぁまぁ、タネ明しも出来ましたし、それはいいですけど。なんであのアゴ割れ鎧男をその、だまし討ちに……」

 言いにくそうにするカティア。

 結果的に崖から突き落としたわけだから。


「何を言ってる。俺達はそのつもりだったぞ」

「でも、決闘ですよね」

「いや、そんなめんどくさいモノを受けたつもりはない」

 ジョーはそう言い切った。


懐かしい武器。

アブラート編と修行編で出てきました。


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