↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第6章;獣人国に行きたい?
350/444

博引旁証1

「少し考えてもみろ、道端に死体があるとどうなる?」

 ジョーは困っている弟子に問いかける。


「……魔物とか来て食われる?」

 疑問に思いながらも答えるカティア。


「……正解の1つだな」

 ジョーがそう言うとカティアはホッとした顔をした。

「――そして、そのまま死体を放置するとどうなる? フィフィ答えられるか?」

 急に話を振られたフィフィは身体を跳ねて驚きながらも――。

「えっと……、屍鬼(グール)やスケルトン、後は稀に影怨霊(ダイド)になったりします」


「そうだ、そこの話は教えたな、だから死体の処理はしっかりやるに限る。では、次だ、それでもソコに首括りをして晒す理由を言ってみろ、カティア」

 ジョーは質問形式にカティアに話題を振った。

 まるで修行中の授業のように。


「え―――――――――――――――――ッと……」

 空を見上げ考え始める彼女の発声は平坦のままだ。

「わかんないか?」

 ジョーは先に進まない彼女に問いかける。

「と、ちょっと待って下さい、師匠。考えますから」

 焦った様子でカティアは思考をめぐらせた。

「よーく考えろ」

「ん――――――――んッ……」

 カティアは暫く考えてピーンと来たように目を見開いた。


「わかりました!『やったぜ! 倒したぞ! みんな見てくれ!』って事ですよね?」

 キラキラした瞳でカティアは笑顔のまま答えを言う。

「うーーーーん……正解かなぁ~」とジョーも悩みながらもカティアの回答に同調するが半分正解、半分不正解という感じだ。

「師匠、ちがうんですか?」と聞き返す。

「いや、あってることは合ってるが――」

 歯切れ悪く言うジョー。

「――もっと言えば領主として成果の掲示をしなければならない為に 人通りのある所で見せなければならないという事だ。『安心してください、問題は取り除きました。私は仕事をしています』と領主のターンさんは言いたいわけだよ。つまりは脅威の排除をしたのを周りに誇示いている訳だよ」

「ふむふむ、わたしの言う事は正解でしたね!」

 どや顔のカティア。

「しかし、もう1つ意味はある」

 ジョーは続けざまに意味深に発言をする。

 イアも「にゃ?」といい不思議そうな顔をしてパポンも同様だ。


「街道を挟んで町の方に並べるという事は町に住む人に『お前ら、問題を起こすな、やったら同じようにするぞ!』と脅しているんだよ」

「師匠! なぜそんな事をするんですか?」

 カティアは元気よく質問をする。

「それは治安維持の為だ。 問題は去っても町の中に残る不安は去った訳ではない。むしろこれから動き出す奴も出てくるからその間に釘をさして警告した訳だ」

「なるほど、なるほど」

 頷くカティア、他の者も納得している表情を見せた。


「一般的に人が死ぬとどうする? カティア?」

「それは町の人がって事ですか?」

「そうだ」

「それだったら、あれです! 人を呼んで最後の悲しみ――…」

「そうじゃなくて、死体の処理方法だけでいい」

「エ――、そこだったら、死体を燃やした後、骨だけにして教会にいって清めてもらってから埋葬します」

「そう、普通は燃やすモノだ。古来より死生観の違いから埋葬方法も様々だったが、多くの問題を孕んでいた。処置もしないで放置するとフィフィが答えたように屍鬼(グール)やスケルトンなどの魔物に変化する。厄介な事に後世にその問題が降ってくるわけだ、そこで大陸の多くの埋葬方法は、まず火葬し、清め、所定の場所に納める。こうする事によって魔物の発生を抑えている訳だ。この方法の多くの根幹は『魔物になった者に魂の安らぎは無く、永遠を彷徨う』とされている昔からの価値観からしっかりとした埋葬が推奨されている」

「はい!師匠。 昔はなんで処置しなかったんですか? グールになるんだったらその前に対策をとるのが普通なのでは?」

「死後の考え方の違いだろう、土地の土着信仰は結構強い上に時代と共に共通認識も違うから、それに屍鬼(グール)やスケルトンになる確率は“自然発生”だけで考えたら、それほど多くない」

「なるほどー」とカティアは納得する。


「だけど、今回はそのまま放置する訳だ。周辺を困らせた賊は死後も苦しんでくれって事だろうけど、その考えは思想や宗派など国によって様々だから俺も何も言わないで放置する」

「なるほどー」×2とカティアとフィフィは納得した。


「にゃ! おしえてニャ! あそこで捕まっている奴はにゃでニャ?」

 イアは話の間に入って手を振って質問をする。

 ここまで聞きたくて我慢していた感じだ。


「見て見ろ」

 ちょうど馬車の横にスコップで地面を掘って土台を立てる作業をしているのが見えた。

 そこにいる男は手足に鎖と重りをつけられ、特に目立つのが首輪だった。重厚な造り、並みの力では引きちぎる事すら不可能だろうと思えるほど大きい。

 その様子を横目で見てジョーは視線を戻す。


「首輪をしていただろ? アレは近くの兵士が監視していて少しでも逆らったら締め付けて動けなくするか、魔術で気絶させるタイプの奴だ。彼は元仲間の遺体を吊るすモノを造っている、それも彼の刑罰の1つなのだろう」


「にゃ? どういう事にゃ?」

 イアは意思が通じてないのか不思議そうな顔をしていた。

 ジョーは頭をガシガシと掻いて(難しすぎたか……説明が面倒だな)と思う。


「……彼らは賊の生き残りだ。本来なら死刑に準ずる形をとるのが一般的だが、その前に賊の持っている情報を引き出したいと考えるのが“普通の領主”の考えそうな事だ。そこでどうするのか……。痛めつけて情報を吐かせるか――と、考えるが、これはデマカセをいう確率も高く、口裏を合わせやすい。そこで自然と情報を喋ってもらうように対策を取るわけだ」

 言葉をかみ砕き、状況を説明していくジョー。

 獣人にもわかりやすい例えを探して彼も苦労している。


「どんな方法でですか?」

 カティア興味深そうに訊いた。


「俺だったら…そうだな、囚人を完全に隔離して、それぞれ情報を吐かせるように仕向けるな。そしてこの後でこう言う『この中で最も有益な情報を話したヤツを奴隷送りにしてやろう』――と、持ちかけると思うぞ」

 ジョーがソコまで言うと、「んーーーん」とカティアは悩ましい声で考え事をしていた。



世界観考証。


 この世界では葬儀方法の一般的なやり方は 火葬にしました。

 この選択は――もし、土葬にして町の近くに墓地とかあって、そこから骨兵士や屍鬼などの魔物が……なんて考えましたけど、それってどうなの?って思ったからです。

 だって、普通に考えて、自分達に害するものへの対策を取らないなんて普通では無いから。

 例えるなら、火薬庫に安全対策も取らずに放置する某国のように。

 例えるなら、原子力発電所で放射能対策も取らないように。


 それ以下の思考で異世界で生活できるのか? ヤバいよね、いつかどこかで問題おきるじゃん!

 その可能性の近い場所で町を造るの? ムリじゃね?

 という結論の為です。確率でいえばかなりの場所で起きてしまう問題です。


 さらに言えば元来キリスト教を元に土葬とは終末が来てから復活するという考えからそのまま埋めているのであって、古代エジプトのミイラと同じ考えからだと推測できます。

 日本では転生が主体だから火葬でいいのかも? 輪廻転生の考えからだと思いますが、その他の宗教問題の為にこれ以上は避けます。 日本は宗教の自由がありますから信じる、信じないは勝手です。


 よって、以上の事から火葬が一般的になりました。ゴブリンの処理方法で説明したと思います。

 以上!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。