オシオキタイム~続
前回に続き、ト書きです。
[カティア]:「いったぁぁ―――い! 予想の5倍くらい痛いッ!」
[ジョー]:「まだ1回目だぞ」
[カティア]:「……師匠、ムリです。尻が割れます」
[ジョー]:「全ての尻は割れているから問題ない」
[カティア]:「……それ以上にです。どんどん裂けちゃいます。死んじゃいます」
[ジョー]:「安心しろ、尻叩かれて死んだ奴の話なんて、きいたことがない」
[カティア]:「むち打ちで死んだ人の話なら知ってます!」
[ジョー]:「アレはムチという道具を使うから危険であって、俺のは素手だ」
[カティア]:「それでも痛いもん!」
[ジョー]:「ごちゃごちゃ言うな! ほら、後79回だ」
[カティア]:「やだぁ~、しにゅぅ~」
[ジョー]:「カティア、尻の穴しめとけ!」
[効果音]:[パアァァァ――――――――――――――――――ンッッ!]
[カティア]:「ぎゃあぁっぁあぁ!」
[効果音]:[パアァァ―――――――ンッッ! パアァァ―――――――ンッ! ]
[カティア]:「やめてぇ~、尻がこわれりゅ~」
[効果音]:[パアァァ―――ンッッ! パアァァ―――ンッ! パアァァ―――ンッ!]
――時間経過――カティア、オシオキ完了。
[カティア]:「うあぁあああああああああ―――――――――――ッッ」
[ジョー]:「泣くな、泣くな」
[カティア]:「じッじょう、ひどいぃ~」
[ジョー]: 「酷くない、回復魔術習っといてよかったな」
[カティア]:「うぅ…うう……」
[ジョー]:「さて、次はフィフィだ。そこに手をおいてケツを向けろ」
[フィフィ]:「はい……」
[ジョー]:「そうだな……フィフィは50回といった所か」
[カティア]:「ししょう! フィフィちゃんの分、軽くないですか?」
[ジョー]:「口答えしない。フィフィは最初に謝ったし、うるさくなかった。カティアはうるさいし、嘘を言うし、余計な工作もしたから回数を増やしただけだ」
[カティア]:「それってヒイキって奴です!」
[ジョー]:「うるさい、もう1回初めからやり直すか?」
[カティア]:「ひぃえッ!」
[ジョー]:「フィフィ、行くぞ……」
[フィフィ]:「ふゃい……ふえええぇぇぇ―――!」
[ジョー]:「叩く前になぜ泣く」
[フィフィ]:「だって、ごわいがらぁ~」
[ジョー]:「泣くなって……わかった……少し弱めに叩いてやる」
[カティア]:「それはヒイキです! 師匠はフィフィちゃんに甘い気がする」
[ジョー]:「黙ってろ!」
[ジョー]:「それじゃあ行くぞ、その前に懺悔をしなさい、フィフィ」
[フィフィ]:「かってに…でがけてぇ~~、ごめんなざぁいぃ~」
[ジョー]:「よし!」
[効果音]:[パアァァァ――――――――――――――――――ンッッ!]
――時間経過。――フィフィ、オシオキ完了。
[フィフィ]:「うあぁぁぁあぁ! うえぇぇ―――! いあたぃッ!」
[ジョー]:「これでいいだろう。フィフィの罪は償われた。よし、最後だ!」
[イア]:「ニャッ!」
[ジョー]:「目を背けるなイア! お前もカティアとフィフィと同じ罰を受けてもらう」
[イア]:「にゃぁ~~~あ! ごめんにゃさいニャ~! ゆるしてほしいニャ~」
[ジョー]:「その言葉は早く聞きたかった」
[イア]:「やだにゃ~! 痛いのやだニャ~」
[ジョー]:「これまでもオトナシイようだったが……先に言っておくイアの罰の回数は“222”回だ」
[イア]:「ニャッ! すっげー多いニャ! えっと50回を4回……にゃ! ニャで多いニャ!」
[ジョー]:「それだけ俺が怒っているという事だ」
[イア]:「わるい事したニャ、それはごめんニャぁ~、でも、カティアとフィフィよりも多いニャぁ~」
[ジョー]:「……反省はしているようだが、だが、罰の変更は無い」
[イア]:「にゃ! ひでぇニャ~~」
[ジョー]:「イア、なぜ重い罰か言おう……。お前は立場上、一番大人しく待っていなきゃいけない存在なんだよ。どこの世界にあれだけの事を頼んで、裏では遊んでいた奴に同情するのか? しおらしく待っているのが正解なのではないのか?」
[イア]:「にゃ? よくわかんねぇ~にゃ……」
[ジョー]:「それじゃあいいか、お前の親友のポンちゃんの立場で考えてみよう」
[イア]:「ポンちゃんのたちば?」
[ジョー]:「考えても見てくれ……イア達とはぐれて寂しい、でも、だれもいない。そんな苦境でも救助された。嬉しい思いもあるだろうが……助けてと頼んだ仲間は町で遊び歩き、楽しみながら甘いものを食べている」
[イア]:「にぁ~?」
[ジョー]:「そんな事を知ったらポンちゃんはどう思うかな?」
[イア]:「それにゃ~、やだと思うにゃ~」
[ジョー]:「そうだろ、そうだろ。オレだって思ったね。あれだけ健気に懇願されて、神経が磨り減るほど慎重に行動して罠をめぐらし、汗だくになって盗賊を追い詰め、余計な問題を片づけた後、疲労したまま帰還してきたと思ったら……弟子は遊んでいるし、依頼者のお前は楽しそうに町を満喫していたと……」
[イア]:「にゃ~にゃんとなくわかったにゃ~」
[ジョー]:「この話をポンちゃんに話してやろうか?」
[イア]:「それはコマんにゃ~」
[ジョー]:「そうだな、友情って奴が壊れるだろうな……、それじゃあどうすんだ?」
[イア]:「バツをうけるにゃ~」
[ジョー]:「受けるんだな?」
[イア]:「お願いするにゃ~」
[ジョー]:「それじゃあ、懺悔しなさい」
[イア]:「ザンゲってなんにゃ?」
[ジョー]:「悪いことをしたのを自分の口から言う事だ」
[イア]:「わかったにゃ~、でも、その前におしえて欲しいニャ?」
[ジョー]:「なんだよ?」
[イア]:「222回って、なんでにゃ? ヘンだニャ!」
[ジョー]:「それはアレだ。ゾゾロとプミプミの分の22回が入っているからな」
[イア]:「ニャ――! なんでにゃ!?」
[ジョー]:「驚くな、ゾゾロとプミプミの面倒を見ているだろ? まとめてだ」
[イア]:「それでもにゃ! その分はゾゾロとプミプミの分ニャ!」
[ジョー]:「罰っていうのは、その罪を自覚している者が受けて初めて効果が出るんだよ。罪と罰とはそういうモノだ。だから、ゾゾロとプミプミが自覚していると思っているのか? アイツらは純粋だから何も考えてないぞ、罪の意識すらないんだ」
[イア]:「にぁ~……わかったにゃ。よくわかんにゃいけど……ゾゾロとプミプミの分は引き受けるニャ~」
[ジョー]:「よく言った、その子の机に手を置いてケツを向けろ」
[イア]:「にゃ……にゃ~」
[ジョー]:「尻尾を持てよ、脚も開け」
[イア]:「に、にゃ~、こえ~にゃ~」
[ジョー]:「椅子を掴むな、ヘンな体勢だと危ないぞ」
[イア]:「にゃ、待ってニャ! ムリにゃ!」
[ジョー]:「……ここまで来て逃げるか」
[イア]:「にゃ、にゃ~、ふるえて来るにゃ、止まんねぇにゃ~」
[ジョー]:「……参ったな」
[カティア]:「師匠、待ってください」
[ジョー]:「どうした?」
[カティア]:「イアちゃんの分を私たちに回してください」
[フィフィ]:「お、お願いします!」
[イア]:「おめぇにゃ~」
[カティア]:「仲間でしょ」
[フィフィ]:「いっしょに頑張ろう」
[ジョー]:(カティアもフィフィも痛みは残っているのだろう、内股のまま歩いている。それでもイアの為か……)
[ジョー]:「………………負けたぜ」
[イア]:「にゃ~、アリガとニャ~!」
[ジョー]:「3人並べ、イアは100、カティアとフィフィは50だ。22回は省いてやる、10回交代でいくぞ」
[カティア]:「はい! 師匠」
[フィフィ]:「わかりました!」
[イア]:「にゃ~、出来そうだニャ!」
[ジョー]:「よっしゃあッ、いくぞぉぉぉ! ケツの穴閉めろ!」
[効果音]:[パアァ―――――ンッッ! パアァ―――――ンッッ! パアァ―――――ンッッ!]
[ジョー]:「まだまだ、そんなモノかッ!」
[効果音]:「パンッ! パンッ! スパパパンッッ―――!!」
[ジョー]:「そのまま耐えろよ! オラオラッ! オラッオラッオらぁぁ――――――――!!!」
扉から漏れるジョーの声と少女達の叫び声は続いた。
その悲鳴を聞いていたゾゾロとプミプミは、耳も垂れ下がり、尻尾にも力は無い。ただ獣人の子供たちは互いの手を取り合って静かに震えている。
自分たちの仲間のイアの「ニャ―――!」という無慈悲な悲鳴を聴いて、次は自分たちかもという想像をしてしまった。
そして――時間が過ぎ。
オシオキ時間が終了。結果としてフィフィ100回、イア100回、そしてカティアが130回叩かれての終了だ。
カティアが一番多く叩かれたが、それは本人も望んだ事、誰も不満は言わないが、泣き声は響いている。
扉がカチャリと開く。
ジョーが無言で部屋の扉を開くと次に続くカティア、フィフィ、イアは瞳を真っ赤にしながら、お尻を抑えながらヒョコヒョコとひな鳥のようにゆっくりと内股で進み、みんなが居る場所に戻ってきた。
「ご歓談中に騒いで申し訳ない」とジョーは先ほどまでの悪鬼のような表情から一変してビルビスとユーイに謝る。
苦笑しながら「お気になさらず」とビルビスは答えてくれた。




