おしおきタイム
形式上 ト書きで対応します。
ジョーはカティア、フィフィ、イアを部屋に連れ込んだ。
他の者は静かにその様子を見守る。
扉から漏れた声が聞こえ―――。
[ジョー]:「下を向いてるだけじゃわかんないだろ!?」
[カティア]:「師匠……怒ってるもん」
[ジョー]:「怒られる事をしたからだろ。お前たちは俺の言いつけを破って屋敷の外に出て遊んだな!」
[カティア]:「していません、しょ、証拠はあるんですか!」
[ジョー]:「まさかココに来てまで往生際悪く否定するとは思わなかったぞ」
[カティア]:「……」
[ジョー]:「証拠と言ったな、ここまでの言い方で解っているだろ? それでも言って欲しいのか?」
[カティア]:「言ってください」
[ジョー]:「じゃあ言うが……ゾゾロが喋っている。本人は秘密にしてたが秘密という事を喋っていたんだ、もう殆ど自白と同じくらいにな。それに、なんかの踊りだったか、誰かに習ったのか見たのか、それもプミプミと一緒に踊っていた、同じ踊りをだぞ? そんな事があるのか? お前たちが教えたのか? そんな訳ないよな! オカシイだろ? 肉喰って甘いモノ食べたって言ってたぞ!」
[カティア・フィフィ・イア]:「……」
[ジョー]:「あとな、黙ってるけど、ヘレンさんとか屋敷の人に訊いたら何処かに出かけたなんて1発でわかるからな。金の出どころも怪しいがユーイさん辺りにもらって出かけたんだろ? すぐばれる嘘をつくからダメなんだ」
[フィフィ]:「……ジョー師匠、すいません! 約束を破って出かけました」
[カティア]:「フィフィちゃん、言っちゃだめ!」
[フィフィ]:「もう…無理だよ、カティアちゃん、師匠は全部解ってるよ」
[カティア]:「それでも……前を向いて! 諦めたらそこまでよ」
[ジョー]:「前向きな言葉だけど、なんでウソをつくかなぁ~、こんな時じゃなきゃいい言葉なんだけど」
[フィフィ]:「ムリだよ、よく考えてカティアちゃん。ここまでバレてるなら、後は謝った方が良いよ」
[カティア]:「でも、師匠は怒ってるから……すっごい罰がまってる気がする……」
[ジョー]:「正解だ。そこだけは合ってたな」
[カティア]:「師匠……自白したら、少しは罪が軽くなりますか?」
[ジョー]:「少しだけな……」
――説明――閑話休題――
[ジョー]:「話はわかった……。まさか、初日の昼に町の屋台に顔を出して食いまくって、その足で“子供劇”を見に行って、その後も遊んで“なんとか亭”にデザートを食べて過ごしていたとは驚きだ(あぁ、だからゾゾロとプミプミは踊っていたのか)」
[カティア・フィフィ・イア]:「……はい」
[ジョー]:「本当にそれだけか? 他に何か言えてない事はあるか」
[カティア]:「……特にありません、これが全てです」
[ジョー]:「ちなみに……ゾゾロとプミプミに喋るなと隠ぺい工作したのは誰だ」
[フィフィ・イア]:『チラリ』
[ジョー]:「やっぱりお前か、カティア!」
[カティア]:「うぅ……申し訳ありません、師匠!」
[ジョー]:「いまさら素直に謝るなよ」
[カティア]:「それで、謝ったので……。これで、この件は終わりで……」
[ジョー]:「こらッ! 勝手に終わらすな、命令違反をした者には罰を与えるのが古来からの風習なの」
[カティア]:「そんな風習なんて破ってしまえばいいんです」
[ジョー]:「お前らが強気に出る話でもないからな! まったく反省の色が見られないなら、すごく厳しくするぞ!」
[カティア]:「……」
[ジョー]:「その前に……オレがなんで外出禁止にしたか意味わかってるのか?」
[イア]:「にゃ?」
[フィフィ]:「ふぇ?」
[カティア]:「???」
[ジョー]:「本当に意味わかって無かったのか……はぁ~」
[カティア]:「意味くらいわかってます。あれでしょ? ビルビスさん達に迷惑をかけるなって事でしょ?」
[ジョー]:「それは少しだけの心配だ。 本当に危険なのは俺たちが討伐した盗賊の関係者が情報を辿って襲ってこないかの心配だった。 基本的に標的にされやすいのは弱点のある状態の者たちからだ、その点、商会っていうのは警備の者たちもいるし人数が多い、基本的に守りやすい屋敷の配置だから宿よりも安全だと判断したんだ。それを……まさか何もわからず出かけるとは……」
[カティア]:「それは師匠がそこまで言ってくれなかったせいです!」
[ジョー]:「おいッ! 出かける前に『大丈夫です。お任せを! 約束は破りません、いい子にしてます、心配しないで依頼頑張って下さい』っていう啖呵を切ったのはどこのどいつだ!」
[カティア]:「……ここにいるわたしたちです」
[ジョー]:「それじゃあ、バツを受けるな」
[カティア]:「仕方がありません、受けましょう」
[ジョー]:「何か上から目線だな」
[カティア]:「罰を受けるのに上から目線とか下から目線なんて関係ありません」
[ジョー]:「それじゃあ反省が無いと考える……そうだ! どうだろう……自ら希望して罰を受けるというのは……」
[カティア]:「それってどういう意味ですか?」
[ジョー]:「言葉通りの意味だ。俺はお前たちが『罰を受けます』と自ら宣言しない限り罰を与えない」
[カティア]:「それってつまり、バツを受けない事も可能だという事ですか?」
[ジョー]:「その通り」
[効果音]:『キラキラ』×3
[ジョー]:「しかし……罰を受けないと……カティア、フィフィ。お前たちをベルンの町に返す事にする!」
[カティア・フィフィ]:「えぇッ!」
[ジョー]:「何を驚く事がある。お前たちはこの依頼についていく時に反抗的な態度をとったら強制的に帰還させると宣言しているはずだ」
[カティア]:「でも、どうやって帰れっていうんですか! 帰り道にオークの軍勢に襲われて危険です!」
[ジョー]:「安心しろカティア、フィフィ。今回の仕事で顔が広がった。鉄庸ノ団みたいな大所帯のオリとカチーナやリド達、それにビルビスさん達も護衛兵を貸してくれるだろう。よかったな、すっごい人数で護衛をつけてもらえるぞ、安心してベルンまで送り届けてくれる。例え小説のような設定でもオークの軍団を蹴散らしてくれるはずだ」
[カティア]:「師匠! それは無責任という奴です。最後まで連れて行って下さい!」
[フィフィ]:「無理だよ、カティアちゃん。師匠はつまり……自ら罰を受ければ連れて行ってくれるって事だと思う。選択肢は一択なんだよ」
[カティア]:「フィフィちゃん。わかってるけど……罰が怖いの……。師匠、ちなみに罰の内容はなんでしょうか?」
[ジョー]:「それを聞いてしまうか……。仕方ない、教えよう! 『お尻をきつめに叩く』だ!」
[カティア]:「師匠、それはセクハンです!」
[ジョー]:「おバカ! 一番叩きやすくて、一番安全だろ? あとは何処を叩く? 頬か? 腹か? それは暴力の部類でダメだ。はっきり言えばお尻が一番脂肪がついて安全なんだ」
[カティア]:「それでも……乙女のお尻を触るのは師匠的にどうなんでしょうかぁぁッ!?」
[ジョー]:「それっぽく言っているけど……。それだったら、カティアはどんな罰を希望するんだ?」
[カティア]:「えッ………、肩たたき100回とか? 感謝の気持ちを込めて奉仕します」
[ジョー]:「おバカ! もう罰はケツ叩きに固定します。それじゃあ、やるの! やらないの! やるんだったらソコの机に手をつけてケツを上げろ!」
――時間経過。
[効果音]:[バンッ]
[カティア]:「師匠、覚悟が決まりました来てください!」
[ジョー]:「よろしい、いい覚悟だ」
[カティア]:「ちょっと待ってください。ちなみに……何回叩かれるのですか?」
[ジョー]:「ンッ? 80くらい?」
[カティア]:「それって結構な数ですよねッ!」
[ジョー]:「そうか? はじめ100回位にしようかとおもってたんだが……」
[カティア]:「わたしの予想よりもだいぶ多い!」
[ジョー]:「俺のさじ加減次第だからな。これでも情が出てしまってだいぶ数を減らしたんだ。文句を言うようならもっと多くするぞ」
[カティア]:「その数でお願いします!」
[ジョー]:「よし、いいだろう。その前に自分の罪を認め、お願いするんだ」
[カティア]:「……カティアは師匠の言いつけを守らず。勝手に外に出て仲間とその身を危険にさらしました。悪い子ですから……どうか、バツをお与えください」
[ジョー]:「良く言えた。それじゃあ……いくぞ」
[カティア]:「ししょう……ど、どうかお優しくしてください」
[効果音]:『ニヤリ』
[ジョー]:「あぁ、わかっている」
[効果音]:[パアァァァ――――――――――――――――――ンッッ!]




