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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第6章;獣人国に行きたい?
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報告

 ジョー達は拠点となる場所に1泊し、その後より道もせずに王領バクバに帰ってきた。

 城門をくぐった時には昼をかなり過ぎていたが、拠点からゆっくりとした帰還だったので仕方がない、それでも出発から3日経ち、予定通りの時間内に依頼を終えたので全体的に見れば想定内の話と言える。

 城門を通って帰還した兵士達に町の住民は興味を持った。

 激戦の後のように鎧の壊れた兵士が多数いる、血塗をふき取ったが汚れのついた武器の数々。それが印象深く異様に映り、普段の街並みとは違い不気味な雰囲気を醸していた。なによりも馬車の荷台に無造作に投げ捨て置かれた賊の死体×27名(※検分用)と各部位の損傷部位が数本、その後に続く馬車の檻に入れられた数名の浮浪者のように汚い男性4名(拘束具付き半裸)が不似合いなまま領主の屋敷へと続く道を通ってく光景は兵士達に対する畏怖を抱かせるには十分。


 住人は、恐れと奇異の目を向ける者が多いが中には盗賊の壊滅を願っていた住民も多く家の窓から遠巻きに成果を眺めていた。

 パレードをする内容でもないが周囲の重圧となっていた賊の討伐成果にギスギスした町中には曇った空が晴れるような気風が漂い始めてる。

 そして、兵士の帰還と盗賊壊滅の成果の噂はこの後には町全体に広がっていく事になった。


***


 ジョーは城門の中に入ると領主の館に行き『ターン=フィッキ=ゴーン』に事の経緯を簡単に説明した後、カティア達の待つハンブロック商会の敷地に帰ってきた。

 一時的に『ノンちゃん』を始めとする監禁された者たちは治療と休息、そして事情を聴くためにターンの預かりとなった為、やる事がなくなったのだ。


 ハンブロック商会に入ると馬車を降り、すぐに商会の従者が飛んできて馬の世話を引き継いでくれた。そうこうする内にすぐにハンブロック商会の主人である ビルビス=ハンブロックとその息子のユーイ=ハンブロックが飛んで出迎えてくれる。


「いや! ジョーさん、どうも、どうも、噂は流れていますよ」と吉報ともとれる言いぶりに、(もう聞きつけてきたのか……)と領主から直ぐに帰ってきて報告もしていないのにと驚くジョーだったが、“遠くから聞きつけるのも商才”の一部と考えて「いえ、もう話に聞こえていましたか」と謙遜気味に答えた。


「さッ、さッ、お疲れでしょうから、屋敷の中で話しましょう、お茶の用意も済んでいますので」と歓迎の準備満々の話をユーイは満面の笑みでしてくれた。


「それはありがたい、仲間の準備が済み次第すぐに伺います。その前に……私の弟子達と子供達は何処に?」

 笑顔のまますぐに確認したい事を訊いた。


「えぇ! すぐにこっちに来ると思いますよ」とユーイは機嫌よく応える。


「それはよかった、“イイコ”にしていましたか?」


「それは良くしていましたよ!」というユーイの回答にジョーは安堵する。


(何事もなかったか……)と胸をなでおろした。


***


 来賓用の客室に通された、前回と同じ部屋である。

 ジョー達はお茶の用意がされすぐに談笑していた。

 一仕事を終えた後で弛緩した空気、それが笑顔の由来だろう。和やかに話は進んでいく。


「――なるほど、それで盗賊連中はすべて討伐されたということですね」

 ビルビスは興味深そうに頷いた。

 ジョーとの会話を先導しているのは彼だ。盗賊との経過の情報を仕入れておきたいのだろう。

 ジョーは忌憚(きたん)なく状況を語った。終わった話だからだから隠し事も無い。

 唯一、逃げ出したレッドブローの話は除いて――。


「――生き残りが4名程いますが……全員がどうかは疑いがありますよ」

「ほう、逃げた方がいると?」

「いえ、実際に確実な話では無いので断言はできない上で疑いと言ったんですよ。実はニコとミック達に盗賊達の住む洞窟の奥を調べてもらったんですが、どうやら秘密の通路があったらしくてね」

「逃げ道ということですか?」

「そうみたいです、実際にこの眼で見たわけでは無いので詳しい事は……ニコに訊いてみてください」

 話題を振られたニコは一拍おいて口を開く。

「そうですね……。あの時は制圧が完了し次に進む段階でした。その為にまず、慎重に洞窟の奥に入りました、罠が仕掛けてあるかもしれないと……状況を確認して薄暗い中で奥に光源を確認したんです……ゆっくりとその光源の元を確認すると弱っている老人が一人鎖に繋がれていたんです。罠かどうかも言えず、周囲を警戒しつつその老人に近づいて周囲の村から人質にされた薬師の1人という事が確認できたんです。その後で部屋を捜索すると大量に積まれた木箱の奥から隠し通路のようなモノがありまして、その通路を通ると奥には崖、そして逃走用の縄ばしごがありました。逃走経路の確認をするのも可能でしたが、それ以上の捜索は中止して再び保護した男性に問うと、戦闘が始まってから、この部屋には誰も入ってきていないという証言を得ました、つまり、あの場から逃げ出した者はいなかったという事になります。よって逃げ出した盗賊は居なかったと結論をつけたまでです」


「なるほど……話を聞く限り安心しました」

 ビルビスは2回頷く。安心したのだろう。


「そこで後から回収される賊の遺体の身元を全て検分するようですよ、生き残った賊の残党がいますから、精査して、そこで全て解明するんではないでしょうか?」

 と、ジョーは先ほど領主から聞いた、今後の方針の一部を話す。


「ほう、なるほど。では……盗賊の頭目はどうなったのです? 捕まったと思いますがどのような奴だったのですか?」

 ビルビスの次の話題は今回の騒動の原因に移る。

 盗賊の頭目の人相は話の折でも気になる所だろう。


「それがですね、討伐は一応したようなのですが……“顔”の確認が取れなくて」

 といって、ゆっくりと茶を飲んでくつろいでいるラリーの方をジョーは見た。

 それに気が付いたラリーはキリっとひと言。

「私の技で首から上が吹っ飛んでしまいました!」と報告した。


「な、なるほど、それは仕方ないですね」

 ビルビスも弱腰で、そのように言うしかなかった。


「そういう訳で、体格と身体についた入れ墨、そして生き残った残党からの証言でそれが頭目という事になっています」


 ジョーがソコまで言うと遠くから「ニヤ―――ン!」と甲高い声が響いて来る。


「どうやらヘレンが連れてきてくれたみたいですね」

 ユーイが事情を説明してくれる。




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