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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第5章;弟子達との修行
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魔物と人と文明~その1

「――と、言う訳で、冒険者になると、自然と仕事の住み分けが行われる。大抵の者は町や村付きの冒険者として仕事をするが、Aランク以上になると“国”が支援してくれる。つまり“国のお抱え”になる事が多い。まぁ、一種の冒険者としての優秀な終わり方だよな……。他に特殊な者として“流れ者”や“渡り者”として動く者もいる。そして仕事の形態として特殊なのは“迷宮探究者(ダンジョンマニア)”と呼ばれる冒険者チームだが、――」


 ジョーは寝る前にいつもの事のように弟子達の前で小さい黒板を横に講義をしていた。

 本日の議題は冒険者の生活の仕方、実用編といった所の少しこみいった話しをしている。教科書に無い、冒険者の生態のような話しだ。


「やっぱり、迷宮(ダンジョン)には行ってみたいわ。冒険者になったのだから……」

 カティアは目を輝かせる。

 ジョーの話を聞いて徐々に夢を膨らませていた。


「でもぉ~、カティアちゃん、迷宮(ダンジョン)は“ランク制限”が設けてある事が多いよ。現在の私達じゃ無理だよ」

 フィフィはそう言ってカティアの夢に水を差していく。

 どちらかと言うと現実的な意見を求める彼女らしい物言いだった。


「フィフィちゃん、夢は大きく持たないとダメよ!」

 カティアはそう言ってフィフィに自分の意見を押しつけるように高圧的に言い放った。

 

 その言葉にフィフィは尻ごみする。

「でも、私達は低ランクだし、強くなっていかないと……」

「大丈夫、すぐに強くなるっ!!」

 自らは、そうなると信じて疑わないカティアらしい発言だった。


「おい、まだ授業は終わってないぞ」

 ジョーは教えをそっちのけで話しこんでいる2人を注意した。

「「は~い、すいません、師匠」」

 そんな声が洞窟内に響く。


***――閑話休題。


「よし、終わり。もう、遅いから寝ろ!」

 ジョーは黒板を消して今日の授業を終える。

「え~、師匠、まだ、教えてぇ~」

 カティアは残念そうに声を出した。


「ダメ、明日の訓練に差し(さわ)るから。早く寝て疲労を残さないのも訓練です」


「そうですよ、お嬢様、健康にも悪いですし、お早く御眠りになってください」

 メリーダはジョーの話しに賛成し、すぐに寝かしつけようとする母親のようだ。


「でも、まだ大丈夫だし、それに、なんでもかんでも訓練って言われるのはヤダ。それだったら、ジョー師匠、寝る前にお話しましょう。チームの連携の為に雑談することも必要です」

 カティアはすぐに拒否し、続行を要求する。

 しかも、ナニナニだから必要です、という悪知恵まで働かしてきた。


(最近、カティアはこういう我儘(わがまま)な所が、ちらほらと出てきたよな……)

 などと、少しジョーは悲しくなる。始めの頃の初々しいカティアをいつからか心の中に求めていた。


「まぁ……いいよ、メリーダさん、それじゃあ、少し話しをしようか」

 ジョーは頭を()きながら仕方なく了承した。


 ジョーの言葉にメリーダは引きさがり、カティアは嬉しそうに頬を緩めた。


「でも、ちょっとだけだぞ……」


「わかっています、では師匠、何かお話を聞かせて下さい」


「おい、なんの脈絡(みゃくらく)も無く、話す内容も決めずに『さぁ、話して下さい』ってのは、一番つらい事だぞ……」

 ジョーはカティアの無茶ぶりの酷さに驚く。


 1つ溜息を吐いて、「サイリア、ちょっと茶を用意してくれ」と、お願いした。

「わかったわよ……」といって、サイリアは了承しる。

 そのまま奥に道具をとりに行くサイリア。

 その様子を見送った後、ジョーは再度、弟子と向き合った。


「仕方ないな……。じゃあ、話す内容は『冒険者と魔物についての話をしよう』と思う。最初に『冒険者ってなんである?』という基本的な話しをしよう」


 ジョーはそう言って切り出した。

 弟子達は静かに耳を傾ける。


冒険者組合(ギルド)に所属する者を冒険者と定義している。これは教えた通りだ。次にソコに流れる依頼を受けて俺達は仕事をし、依頼を達成したらおカネを貰う。こんな風に生活している。依頼内容も薬草採取、魔物退治、護衛等々、多種多様な依頼が舞い込んで来ている。その中で自分に出来る事を探し、依頼を決定する訳だが前に行ったと思うが様々な技能が必要だな。人々からの依頼をこなしていくと、人の生活する中での物資が運ばれ、経済的にも町を(うるお)し、交流が生まれる訳だ。つまり魔物がいるこの国では冒険者は必ず必要という事になる。もちろん国に護衛騎士がいればそうならないが……、実際には難しい事で、“その隙間を埋める”為に生れたのが『冒険者』でもある」


「つまり、師匠、冒険者は“隙間産業”ってことですか?」


「まぁ、カティア……そうとも言うな。実際に人を雇うという事は手間賃がかかるし、維持費もバカにならないんだよ。年給や月給もあるけど、その分を維持していく力の無い国もある訳だ。それにそういうお堅い職業になると見栄とか意地の張り合いで大変なんだよ……、それは置いておいて、――冒険者としての一番の問題は町に住みついて、依頼をこなしてはいるが……、まったくもって『冒険』なんてものをして無いんだ」


 ジョーに言われ、カティアとフィフィはハッとなる。

 確かに今までの依頼は薬草摘みのゴブリン退治で後は畑の護衛依頼のみ、つまり只の雑用任務がほとんどだった。


 話しに聞く危険な依頼も、確かに、キングゴブリン討伐、ドレイク討伐武練会など、一応は凶暴な魔物を退治してはいるのだが、冒険というカテゴリーに対しては、只の討伐依頼であり冒険部分は薄い。


 未開の土地や危険な大陸の発見や困難な場所を旅する事などしてはいなかった。


「し、師匠、それじゃあ、冒険者ってなんなんですか?」

 カティアはジョーの話しの核心部分を聞きたかった。

 しかし、自分の希望している答えは言いそうも無い事は分かっている。

 だが、彼女は聴かずにはいられなかった。


「まぁ、あれだ、時勢とか色々あって変化しちまってな……、現在は『危険な仕事もこなす、便利で手間も取らず、そして都合のいい時に利用される、それなりに有名でそれなりに難しいカネの儲かる職種』だ」


 ジョーはそう、寂しそうに告げる。


「それは聴きたくなかったぁぁぁぁよぉぉぉぉッッ!!」

 カティアの悲痛な叫び声が洞窟内に反響した。





冒険者の立ち位置が書いていて、いまいち定まって無い様子なので、その辺を説明したいと思います。

ついでに世界感も冒険者視点で説明できたらと思っております。

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