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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第5章;弟子達との修行
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魔力操作を覚えよう

「まず、言っておく魔力操作とは奥が深い。簡単に習得出来ていても、まだまだ先がある。

今回はその1つの例だと思って聞いてくれ。俺が行ったのは、“魔術の矢”で行う魔力密度という技術を使って壁を登った」


「魔術の矢と同じ技術?」

 カティアを始め、フィフィもメリーダも不思議に思っている。


「サイリアに説明を受けたと思うが、魔術の矢は無系統魔術だ。属性も何も無い純粋な自身の魔力(マナ)を使っている。そこで魔力形成と魔力密度で、自分なりの想像で“創る”のさ。見ないと分からないだろ? だから眼に見えるモノを創る……よく見ていろよ」


 ジョーは適当に近くにある腰までの高さの岩に歩み寄った。

 そして――その目の前で静かに剣を持つように構える。

 そして、火の構え(=上段の構え)になると――何も持っていない腕を振り下ろした。


[ゴグゥゥ……ン]と岩が崩れる音がして、そのまま2つに割れた。


 そして、――ジョーの手には透明なガラスのような剣が出来上がっていた。


「これは、オレの国では“氣刀”と呼ばれる技法だ。自身の魔力をつかって魔力形成と魔力密度で刀を想像して創った」


 ジョーはカティア達の方を見つめ直し右手に出来た“氣刀”を見せた。


「師匠、そんな事も出来たんですか?」

 カティアは驚きの声を上げる?

 フィフィも頷いていた。


「魔術の矢とあまり変わらない技法だ。カティア達だって魔弾を創るじゃないか? アレと一緒だよ……」

 そう言いながら、ジョーの持っていた氣刀が霧散し、消えた。


「つまり、魔術の矢を飛ばすように遠距離武器を創るか、近距離武器にするかの違いだ。

では、ここから……、俺が崖に登れた種明かしをする……」

 そういって、ジョーは右足を空中に上げた。

 すると――靴底から氣刀のような透明な太い針がいくつか飛び出す。

「――コイツを、岩に打ち込んで身体を固定して登っていたんだ。肉体強化魔術(ストレイング)を併用して、身体を垂直に保ったまま……な。あとは交互に足の裏に創っていき、動かす時に消していくだけだ。登った後を見てみろ、穴があいているから」

 ジョーはそう言って笑った。

 重力操作でも何でもない只の力技に近かった。


「師匠、そんな単純なモノなの?」


「カティア、これって以外に難しい技術の1つなんだぞ。魔力で創って、消し、ソレを交互に行う、持続力も必要だし、何より肉体強化魔術と併用して行っている。素早く創って、消すは長い集中力を要するんだ」


 ジョーの説明にカティアは「そうよね……」と言って頷いた。


「この技術は多くの冒険者が使っている。例えば、1例として――“双璧(グレートウォール)”のガルン、ガイン兄弟だ。前衛の盾として彼らは絶対に後ろに抜かれてはいけない、そこで、体勢を構え、鎧の魔術陣で身体を重くすると同時に肉体強化魔術で硬くしている、魔力で全体の防御力をソコ上げ、さらに盾と両足で地面に魔力の棒を突き刺し、自身を固定している。それによって後ろに下がる事無く魔物の攻撃を受け止められるんだ。何もやらずに構えて固くしているだけならドラゴン系の魔物の前肢にふっ飛ばされるし、巨大猪の突進なんて受け止められる訳がない。高ランクの冒険者は見えない所での魔力操作が非常に上手い。

これは攻撃に関しても言えることだ。例えば“剣光(スラッシュ)”なんかの技術もその1つだな。剣を振るタイミングで素早く魔力形成と魔力密度を行い、切れ味の鋭い剣を創り、距離を伸ばしている。剣を振る時間の間に創る熟練の技だ。これによって距離感も計れないし、太刀の遠心力で高威力の攻撃になる。

つまり、攻撃でも防御でも高ランクの冒険者になりたかったら魔力密度と魔力形成の魔力操作は必須という事だ。わかったな?」


 ジョーの説明に――。


「わかったわ、師匠、コツが分かれば楽勝よ!」と、カティアは顔を明るくして答える。

「わかりました。訓練ですね」と、メリーダは頷く。

「や、やってみます!」とフィフィは意気込んでいた。


「うん、まずはやってみろ」

 ジョーは師匠の威厳でカティア達を勢いづけた。


「でも、師匠。なんで初めに教えてくれなかったんですか?」

 カティアは突然に怪しむような眼で質問をした。


「んッ……、だって訓練なのに、あれやこれを考える時間も必要だろ? 瞬時に自分で考えて行動する、冒険者にとって必要な技術だ。閃きを養う訓練でもあるんだよ、言われた事だけでは成長出来ないからな」

 ジョーは堂々を答えた。


「でも、始めに言って欲しかったです……」

「そうだよね……、カティアちゃん……」

「まぁまぁ、これも訓練だと思って……」


 等々――弟子達から不満の声が飛び出した。


(あれ? 結構長い事自分で考えて、調べて、いいな……と思った訓練だったんだけど……。あの本役に立たないぞ……)

 ジョーは不満の声に心揺さぶられる。

 ジョーが秘かに夜間警戒時に読んでいた本のタイトルは『誰でもできる、最強の弟子育成法』であった。

 弟子育成のための精神論、基礎的な修行法、対応の仕方等々、師匠の立場として書かれている。

 今日の為に前々からジョーは秘かに勉強に励み、弟子達を育てようとしていたのだった。


「ゴホンッ。まぁ……な。壁にぶつかるまで教えない事もある意味“優しさ”だ。自分で考えるという事も1つの成長に繋がる。そう言う訳でソレを念頭に置いて崖を登ってみろ。各々の魔力操作と肉体強化魔術を使えば登れるはずだ。コツはいかに“意識”し“集中する”か……という事だ、じゃあ再開するぞ」

 ジョーは手を鳴らし、弟子達に合図を送った。


 そして――訓練が再開される。


 サイリアと水精霊(ウィンティーネ)はカティア、フィフィ、メリーダを見守り、ジョーは離れた場所で独り訓練を再開していた。


 そして、カティア達は自分なりに創意工夫をして崖に挑むが、やはり言われたまますぐには出来ず、次々と水の塊に身を落としていった。





魔力操作の話は前々からやりたかった話です。

それっぽい文章が前から書かれていたんですが詳し書いてない話です。

すこし考察みたいな話が続きます。

ですがドラゴンとか巨大猪とかの攻撃の威力は半端ではありません。2トントラック時速60キロを想定しても体を頑丈にしているだけじゃ確実に吹っ飛びます。重さ+固定がないと耐えられないかと作者は考えていました。

それと同時に、よくある体ごと地面を削るとか、その辺の対策などを書きたいと前から思っています。

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