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私達、冒険者として生活します!  作者: あきら・たなか
第5章;弟子達との修行
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自然利用訓練

 ジョーは進んでいく、それも何事もないように。

 カティア、メリーダ、は必死に着いていくが、やはり川の流れに動きを阻害され素早く前進できない。急げば急ぐほど動きに負荷が増して辛くなっていく。


 ジャブジャブと川の水をかき分け進んでいくが、その頃には無駄話もする余裕など、どこにもなかった。


 ジョーの後を追い、カティア達は何段も段差のある滝の手前まで来た。


「遅いぞ」とジョーは止まりながら注意する。


「「「はい、師匠!」」」


「よし、このまま戻るぞ、こうやって移動していくだけの訓練だ」

 と言って、ジョーは来た道を戻るように川を下っていく。


 それに連なってカティア達は追い掛けた。


 今度は川の勢いが後ろから来る、楽になるかと思っていたが予想と違う感覚に襲われた。


(なに、前に倒れちゃう)

(わぁぁ、こっちの方が辛いかも……)

(足を踏ん張らないといけません……ね)

 と、カティア、フィフィ、メリーダは困惑しながら訓練を続けていた。

 しかも、川底には小石があり、苔が生え滑りやすい事もカティア達には足枷(あしかせ)になっていた。もちろん籠は水流を受け自然と押してくる、意地悪いおふざけのようにカティア、フィフィ、メリーダの身体を揺さぶっていく。


(ようやく……、いい感じになってきたな……)と、ジョーは横目で見ていた。

 訓練の意味をジョーは伝えずに実体験で教えようとしていたのだ。この訓練は上るのも下るのも休みなく身体に負荷をかける訓練であった。自然の中で生活する冒険者は自然の脅威と不便さを知る事も大事だという意味もある。


 ジョーは身体が重くなってきた弟子たちを無視するかのように普段通りに進んでいく。


***


 ――4周目。


「キャアッ!! フィフィィィィ」

 カティアが叫んだ。


 フィフィが、体力が無くなり足を滑らせ転んでしまったのだ。


「しっかりしろ!!」

 ジョーは素早く反応して引き返し、フィフィを助けようとする。


 フィフィは川の深い所まで転がってしまい手を突き出していたが重りと体勢が悪く、立ち上がれない様子だった。


「ジョー、任せて!」とサイリアは言うと呪文を唱えた。


「水よ、貴婦人のごとくその手を差し伸べ水を我が手に……。水幕操奏(ウォータゲーム)

 サイリアの杖の先に魔術陣が出来上がり、フィフィが溺れている辺りの水面が光った。


 ぼっこりと、水面そのものが持ち上がり、フィフィを水が包んでいく。

 そして水の掌のようなクッションがフィフィを持ち上げていた。


「ゴホッゴホッ……」フィフィはそのまま水を吐き出し(むせ)ていた。

 サイリアはそのまま杖を引くような動作を見せると、水のクッションがそのまま川岸に移動していく。


 そして、地面で水のクッションが消滅し、フィフィはそのまま地面に腰を降ろした。

 全身ずぶぬれになっている。


「大丈夫、フィフィ?」

 サイリアは急いで安否の確認をとる。

 フィフィは頷き、大丈夫だという事を現した、


「おい、大丈夫か?」とジョーは川岸まで戻って聞いた。

 カティアもメリーダも続いて岸に上がっていく。


 次々に声をかけるが――フィフィは「大丈夫です、すこし中に水が入ったみたい……」と説明した。


 ジョーは安堵の溜息を洩らした。

 後、「そうか、よかった……」と言葉を伝えた。


「ジョー、ここまででいいんじゃない? 休憩にしましょうよ」とサイリアは提案する。

「わかった、そうしよう……」

 ジョーも同意した。


***


 河原に上がり、ジョーを始めとする訓練をしていた者はそこら辺に転がっている岩に腰を降ろす。布で身体の水分をとり、そして、サイリアが準備した。『サイリアの特別水』(=1リットル程の水に蜂蜜大さじ2杯、塩小さじ1杯ほどの訓練用水分補給水)を飲んでいた。


「水場の訓練でも水分補給は大事だ。むしろ汗が多く出て水分を取らないと痙攣なんかの症状が出るから、よくとるように」

 ジョーがそう補足を加えるように注意すると――「「は~い♪」」と元気な返事が返ってくる。フィフィはもう大丈夫そうに、カティアと水を飲みながらジョーの話を聞いていた。


「今日みたいな気温の日はいいが――寒冷地などで水につかった場合、すぐに服を脱いで乾かしながら身体を焚火で温めるんだぞ。他にも、ここではいいが水底に入る時は靴を着用する事、水場には予想外の魔物が潜んでいるかもしれないからな。そして突起物などで傷がつくと毒が入り込んで身体を悪くするから怪我の処置はしっかりとしないといけないぞ」


 とウンチクを続けざまに言い続ける。


 そして――目線の先はメリーダに固定されていた。


 なぜなら、水を滴らせ、服がピッチリと身体のラインを浮かび上がられていた。

 身体を濡らした美女がすぐ傍で座っているのだ、本能的に目線が誘導されてしまう。


 必然に――鼻の穴がプクッと膨らんだ。


「ジョー“さん”、説明しながら、何をみているのかな?」とサイリアは怪しむ目線でジョーにつっかかる。


「べ、別に、カティアやフィフィに他の場所での行動を実用的に教えていたんだよ……」

 と急いで目線をずらした。

「ふ~~ん……」

 サイリアはそのままジョーを見続ける。

 暫く、見続け「まあ、いいわ」と背筋を伸ばす。

「それで、この後どうするの?」

 サイリアは追及する事はせずに話しを進めた。


「メシの準備があるだろ? それでも早いか……、それまで山道でも走破してくるか……」

「走るの?」

「当然、体力造りも兼ねているからな。とにかく始めは走らせる」

「うえ~、やだなぁ~」

「サイリアも走るぞ、師匠として遅れるなよ」

「わかってるわよ……」と、サイリアは少し不機嫌に返事をした。


***


 ジョー達は休憩を終え、水に濡れた服のまま周囲の山道を走りまわった。ジョーは蛇腹刀を背中に背負い、さらに重しを着けながら走り、「遅いぞ、もっと早く」と後ろから急かしていく。

 そして、先ほどの訓練でクタクタになった一同に更なる試練の言葉を言う。


「よし、最後に舞流(ぶりゅ)鈍素振(どんすぶ)りで終了する。各自、用意!!」

 と鬼教官のジョーは言った。


「し、ししょうぅぅ、無理ですぅぅぅぅ」とカティアはヘトヘトのまま声を出した。

「できない……」――フィフィは下を向いている。

 メリーダは息切れしそれどころでは無い。


「ジョー、やめようよ……」とサイリアは中止を願った。


「甘いぞ、そんな体力でどうする。せっかくの訓練だぞ、さあ、最後の特訓だ!!」

 

 そのまま全員での素振りが開始された。


 そして河原に悲鳴にも似た声が響き渡る。



冒険者の訓練ってどうやるのか?

その疑問の1つにぶち当たった作者ですが……。

筋肉つけたいなら筋トレしてればいいよな……。

合宿だし、特別に出来る訓練ってなにかな……。

と色々考えた結果。今の形に落ち着きました。

やっぱり訓練と言えば重しに山中を走りまわる、でしょうか?


そして――水着シーンとは別に私服が濡れて体のラインが出る。そんなフェチ的な部分も好きな作者です。

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