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霧隠あさひは今日も全く忍べてない!  作者: まるたん・しもんず


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第二話 M-1

私は霧隠芽依きりがくれめい

日本政府直轄の内閣官房特別非公開事案対策室《ないかくかんぼうひこうかいじあんたいさくしつ》、通称「特非対とくひたい」の調査分析課で主任調査官という、やけに長ったらしい肩書を持つ霧隠流忍術宗家きりがくれりゅうにんじゅつそうけの次期当主でもある忍者だ。


我ながら盛りすぎな自覚はあるぞ。


そんな私に課長から新たな指令が下されたのは、3日前のことだった。


それは私の姉、霧隠彩月きりがくれさつきの娘……つまりは私の姪にあたる霧隠あさひが通う中学で、今までになかった魔力痕跡が見つかったためだ。


そもそも姪のあさひは自覚はないが、歴史上最強と言われる親父殿の才能を受け継ぎ、天才と言われた姉・彩月の娘だけあって、親父殿に言わせれば潜在能力だけなら史上最高と言わしめる逸材だ。

まあ、本人は自覚がないようだが……


なのですでに、あさひの通う中学には一人部下が派遣されている。


今回は国外の魔術関連……おそらくは黒魔術結社と思われるが、そこが送り込んできたエージェントだろう。


このタイミングで、どうやら二人、しかもあさひと同学年に転入してくるらしい。


なので先手を打って、その二人はあさひと同じクラスにするように学校側にお願いしてある。


わかりやすく、目の前に餌をぶら下げてやろうじゃないか。


実際、発見された魔力痕跡から逆算してみても、あさひをどうこうできるレベルではないだろうしな。


ただ、特非対としても万全を期すために、私も派遣されることになったという流れだ。


しかし、すでに中学には一人派遣されているので、これ以上校内に門外漢を増やすのは教育的に生徒達の不利になりかねない、という判断から、私は中学の道を挟んですぐにある高校に潜入し、いつでも対応可能にする体制となったのだ。


そんなわけで、私は女子高生に変装したのだ。


うん!

まだイケてるじゃん!私ってば♪


ただ昨日、このイケイケなギャルJK姿をあさひに見せたら、すごくビミョーな顔されちゃった……。

いやほら、ちゃんとメイクもヤマンバとかじゃなくて、今っぽいナチュラルメイクなんだぞ!


唯一の救いは、義兄さんがすごく褒めてくれたことだ。

うん、さすがあの姉さんを惚れさせた男だよ!見る目がある。


結局、義兄さんと姉さんの許可を得て、私は姉さんの家族の家から高校に通うこととなった。


条件として、義兄さんが私のポルシェ911カレラ4Sを使いたいとのことだったので、早速仕事場に乗っていってもらった。

義兄さんが喜んでくれるのは、私も嬉しいのさ。


そんなわけで、朝からJKモードで味噌汁を啜ってると、あさひに


「なんでまだいんの?」


とか言われてしまった。


一応、姉さんに昨夜許可はとってるから、あさひに現状あさひは狙われやすいことを説明してやった。

それでも、あんまり実感が湧かないようだ。


まあ、仕方ないか……。

こいつは姉さん並に、私のできないことをさも当然のようにやってのけてしまうタイプだからな……


そして、二人の転入生の一人『木全澄夏』に遭遇した。


くっ……これがリアルな令和のギャルか!

ダメだ……ギャル度が桁違いだ!


というか、かわいいと綺麗が揃った最強じゃないか!?

あさひとこの子で名駅なんて歩いたら、チャラい男にナンパされちゃうぞ!?


……土曜は二人の尾行決定だな。


その後、澄夏ちゃんと少しやり取りをしたが、この子はエージェントじゃないと私は確信を持った。

むしろ、あさひの良い友人になってくれるに違いない。


つまり、送り込まれたエージェントは、もう一人の『神崎宵』の可能性が高いな……。


でもなぁ……部下からの報告書からだと、どう考えてもただの厨二病の思春期少年なんだよなあ……。

とりあえず、一度接触してみるか。


そう思いながら、少し離れた場所から、仲良く登校するあさひと澄夏ちゃんを眺めさせてもらった。


いやー、かわいい女の子同士って、本当にいいもんですね。


ではまた!


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