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駅から少し行ったところの、総合スーパーマーケット。この町に着いたとき、二人が衣服を買い揃えた、あの店だ。
曽山と西原は、一階に、それらしいグループを見つけた。
『それらしい』とは、つまり、何というか、ファッションに自己主張が強く現れたタイプの若者たちのことだ。髪を染めたり、パーマをあてたりしている。ダボダボのズボンを腰で履き、財布につけた太い鎖をジャラジャラ鳴らしている類の若者たちのことだ。
6人いる。うち二人は女の子だ。春人より少し若いが、高校生というわけでもなさそうだ。
曽山は、まだ少年とも言える年頃の若者たちに歩み寄った。
石原は、10m手前で、靴が床に貼り付いてしまったようだった。
「君たち」
突然声をかけられて、若者たちは怪訝な視線を返した。
「何スか?」。一番手前にいた、赤いシャツの男が答えた。
「なんや、このオッサン」。奥にいた、片耳にピアスを3つ着けている男がニヤケ顔で茶化す。二人ほど、笑った。
赤シャツは、「おい、失礼やろ!」と仲間を咎めて、ピアスの代わりに「すんません」と謝った。
意外に、礼儀が正しいようだ。
「いいんだ。ゴメンね。遊んでいるところ。人を探してるんだけどね。岡本春人っていうんだ。知らないか?」
「岡本?岡本は、けっこういてるからなぁ…。おい、お前ら、知らんか?」
「金髪でね。なかなかの男前だ」
「金髪も、けっこういてるからな。ヨウスケ、お前も金髪やしな」。赤シャツは、一番太った仲間を指さして言った。「男前だしよ」。と、付け加えた部分は皮肉だろう。
「ちょっと待って。春人?良太さんとこのハルさんって、確か岡本やなかったっけ?」
そう言った女の子のロングヘアーも、茶色というよりは、金色に近い。
「そういえば、いてたな。そうや、間違いない。オッチャンら、ひょっとして、刑事か何かッスか?」
『刑事』の言葉に、曽山は険しい顔になった。つまり、今探しているのは、警察にもマークされるような奴ということになる。
「そういうわけじゃないよ。春人くんは、僕の友人の息子さんでね。友人のお墓参りに来たついでに、一度会って話をしたいだけなんだ」
曽山が言うと、さっきの女の子が、
「あ、そういえば、二年くらい前に死んだって聞いた!ハルさんのお父さん」
「バカに詳しいやんか」と赤シャツ。
女の子は、「イケメンやからね」と、照れ笑いを浮かべた。
「良太さんたちやったら、いつも、『アドラメレク』っていう喫茶店に入り浸ってますよ」
「アドラメレク?」
「商店街の裏道にある、小さい店ッスよ。でも、やめといた方がええッスよ。あそこには、ろくな連中が集まって来えへんから。急ぎやないんなら、家に帰るんを待った方がええんやないスかねぇ。日ぃ改めるとか…」
赤シャツが、「なぁ」と仲間に同意を求めると、一同揃って首をすくめた。




