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第2話: magical girl meeting

第2話: magical girl meeting

今日は深夜まで、私の家の掃除が続いた。

別に乙女の部屋がどうこうなどではなく、単純に物が多いのだ。それが整理整頓し切れず散らかってるだけ。使い終わったティッシュや生ゴミなどが散乱してるわけではない。全て人生という任務遂行上必要なものなのだ。


桜さんは見る目がある。私の家の中に入った時にすぐに、「必要な物が多いですね」と。この子はわかってくれる子だ。そして趣味の物置き場や、パソコン部屋、隠し部屋の銃器保管庫などを重点的に見てもらい、私のプラモデル部屋も整理してもらった。桜さんは自身の部屋も今はベッドと机しかないが、文句の一言も言わない。


朝5時

アラームが鳴り響き、4時間睡眠から目覚め、まどろっこしい眠気に抗いながら2段ベッドから起き上がる。


「んんっ……眠いな……」


髪を整えて、朝の筋トレに向けて、スポーツウェアに着替える。

リビングにある、ランニングマシンとベンチプレス台に朝の日課を果たそうとしたら、桜さんがキッチンで忙しなく、調理と皿の盛り付けをしていた。


「おはようございます、弥生さん。筋トレをするとお聞きしていたので朝食はプロテインに合いそうなスクランブルエッグとツナサラダ、バタートーストをご用意させていただきます」

「おはようございます、桜さん。こんなに豪華な朝食は久しぶりです。筋トレ頑張るわね」


軽く準備体操を済ませて、ベンチプレスの重量をまず40kgから始める。


「1、2、3、4……18、19、20」


眠気も飛び、体力錬成モードに入り、10kgずつ重りをつけて、60kgを完了させ、レンジャー想定用のリュックを背負い、ランニングマシンで50分のランニングを済ませる。

その間にも桜さんはお弁当を準備してくれる。


「じゃあ、桜さん朝食にしませんか?」

「そうですね、配膳いたします」


素早く、右側から置くあたり、マナーがなってるな。


「弥生さん、コーヒーはミルクと砂糖はいかがなさいますか?」

「私はブラックが好きだからそのままでいいですよ」

「承知いたしました。本日の市ヶ谷駐屯地への集合時刻は?」

「10:00に入るように言われてます。内容は各国の特殊部隊魔砲少女とのミーティングよ、緊張するかもしれないけど積極的に参加してね」


桜さんは頷きながら、食事を食べる。私も食事を進めていると98V型の大型テレビが自動でつく。

すぐにスマホで集音マイクを起動させ、小声で桜さんに「敬礼準備ね」と伝える。


画面には灰色がかかった髪に、少し初老風の男性、陸上自衛隊の制服と空挺き章、レンジャーき章、3列にも及ぶ防衛記念章を携え、私達は素早く敬礼する。そして向こう側も。


「おはようございます。山岩陸将、本日は9:20に駐屯地に入る予定です」

「おはよう。ご苦労。三永訓練生、朝月三等陸佐の自宅はどうだったかな?」

「はっ……えーと……6LDKなのは驚きました……あと意外と必要な物が多かった事ですね」

「まぁ……日本の最重要戦力の1人である以上、我々も協力するのみだ」


そのまま30分ほど、軽い打ち合わせをしてから、陸将から一言。


「三永訓練生、私はこれでも魔砲少女を信用している。必要な時はいつでも頼ってくれ。テレビはニュースを映しておく」

「「はっ!」」


テレビ画面がニュースに変わり、防衛動向の話になる。


「続いてのニュースです。三風重工業は魔砲少女特殊作戦用の装備を、防衛装備輸出規則に設ける事を日本政府及び防衛省に提出したと発表しました。具体的な内容は不明ですが、着衣装備に関する物だと三風重工業の関係者は取材に答えました。次のニュースです……」


今日の打ち合わせと関係ありそうだな。頭の片隅に入れておくか。

朝食を済ませ、食器を桜さんの分も洗い、シャワーを浴びる。着替えは魔法特殊作戦コマンドの制服に着替えて、桜さんも着替え終わったようで、時間確認及び時計合わせを忘れない。


「現在時刻8:00ちょうど、貴官の時間も合ってるか?」

「え、あ、はい!」

「仕事前はこんな感じだから慣れてね。では、市ヶ谷に向かうぞ」


そのまま自宅を出て、バスに乗り、地下鉄に乗り換え、何駅かで回るように乗り換える。


「弥生さん?なんだか……変なところで乗り換えしてませんか?」

「自宅の特定対策だ。と言っても厄介なファン対策くらいにしかならないが、逆に着いてくる奴は後で報告すれば警視庁も防衛省も動いてくれる。少し付き合ってくれ」

「かしこまりました」


そして対策という名の回りくどい遠回りをした後に、予定時刻通りに市ヶ谷に到着した。駐屯地内のコーヒーショップでLサイズのコーヒーを購入し、モニター付きの大会議室へと入室する。

用意された資料を眺めていると、いつも通りだ。


「あの……弥生さん……魔砲少女の会議って……プラモデルの組み立て方とか……近所の100均で売ってる物の話するんでしょうか?」

「あぁ……アイスブレイクのようなものだ。いきなり、固い会議から入るのは全員あまり得意ではないからな。それに我々は国連軍の予備戦力として極東管区第1魔砲防衛大隊、第1魔砲少女小隊としての任もある」


桜さんは困惑しているが無理もない。私も初めて会議に参加した時は、あの金髪の百合魔砲少女に変なことを言われて、会議に集中出来なかった。


会議室内には私達の他に書記官と国岩一等陸佐、魔法特殊作戦コマンドの現役を退いた魔砲特殊課程をクリアした教官数名が座っている。基本的に私と桜さん以外は話す予定は無い。


「総員、定刻だ。2人に任せるぞ」

「承知しました。一佐」


カーテンが自動的に閉まり、明かりもつく。そしてモニターがつくと同時に、私は机の上で腕を乗せ、顎をのせる。


大型モニターの画面が、4つに分かれ、それぞれの国名が把握できる。アメリカ、ロシア、イギリス、ドイツの4カ国の魔砲少女の一部がこの極東アジアの主戦力だ。


「やぁ、弥生。この前作ってくれたマフラーを冬季作戦時に持っていこうと思うよ」


この金髪碧眼の少しキザな喋り方をする魔砲少女こそ、この極東管区の魔砲少女部隊リーダー、メリン・カロライナだ。そして変態でもある。


「ちょうどそっちでは夏場に届くように贈ったから、私の事を嫌いになってくれると思ったんだけどね」

「私が君を嫌うわけないだろ?」


私は苦笑するとロシアの魔砲少女リリーナも反応する。


「メリー、我が国ではそんな態度でいたら粛清されるぞ」

「私は美少女に粛清されるなら本望だよ」


こんな変態がリーダーではあるが、戦闘と仲間思いに関しては本物だ。もっとも仲間に恋心を抱いてる時点で仲間思いと見れるかは別れるかもしれないが。


「まぁまぁ、リリーさんも、メリーさんも落ち着きましょうよ。私は楽しいお話と今後の極東アジアの為の会議しに来たんですから……ねっ?」


「失礼、レイラちゃんはいつも大人しくて可愛いね。その通りだ。新しく入ったメンバーも居るみたいだし彼女にも喋ってもらおう」


アーサー・レイラ、イギリス王室近衛特殊作戦軍団の人質奪還部隊の中隊長を務めている。見た目は可愛らしい女の子だが、その見た目以上に有能さを示す魔砲少女でもある。


「桜訓練生、自己紹介を」


私が促すと、桜さんは立ち上がり、敬礼して、自己紹介をする。


「陸上自衛隊魔法特殊作戦コマンド訓練生、三永桜です!まだ未熟ですがよろしくお願いいたします!」

「よろしくねっ!桜ちゃん!」


カロライナとは違う純粋に憧れや尊敬心で、魔砲少女が好きなレイラが真っ先に応えてくれる。期待通りだ。


「よろしく、桜」

「よろしく頼む。サークラ」

「ダンケ(Danke、ドイツ語でよろしくの意味)、桜」


カロライナ、リリーナ、シャルロッテの順で挨拶をしていき、イギリスとアメリカ側の第2戦力も自己紹介をしてくれる。


「ハロー、ミラ・ソフィアーナよ。ミラって呼んでね。桜さん!」

「レイラの補佐をしているエミリアです。あまり魔砲の力は強くないですが、運転が得意なので安心して乗ってください!ミス桜」


一通り自己紹介が終わり、しばらくのアイスブレイクが続くと、本題へと切り替わる。


「そろそろ始めようか。魔砲少女特殊作戦装備の是非についてを」


カロライナが声色を変えて、真剣に切り出す姿に場の空気は一転した。

「ご拝読ありがとう。朝月です、今回は桜さんにゲストとしてお招きしました」

「三永桜です!早速ですけど弥生さん、魔砲と魔法の違いについて詳しくお願いします!」

「良い質問ね、魔法というのは魔砲と魔剣を合わせた物というのが少し細かい括りになっていて、より大きく言うなら別世界の物理法則みたいなものよ」

「では、私達の魔砲銃は現実の物理とはまた違うんですね?」

「その通り。どこの世界にいるかでその世界の物理法則が有利に立つから現実世界で魔法を使えば弾き返さたりすることもある。それを利用した防弾プレートなどもあるわ」

「なるほど、魔砲少女育成課程で習った通りです!」

「「それでは皆さん、良い土日を!」」

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