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第14話:Magical Pacific Case7

第14話:Magical Pacific Case7

「降下準備!!機長!お世話になりました!……」


私はマイクロ逆位相通信波のごく僅かな通信波が私の軍用腕時計の4つの信号用ランプのうち1個が赤色に点灯する。


「降下!降下!降下!」


とても高高度空挺降下できる服装でも、身体でもない少女達が飛び降り、最後に私も飛び降りる。

胃がフワッと浮く感覚にはあまり慣れないが、僅かながらの好戦心と小隊長として任を尽くす覚悟が決まる。


そんな時だった。


「弥生……聞こえますか?あなたのパートナー、契約魔砲妖精のリジャーシャです。魔剣の神士達が動いてます……オルフェデウスが人類に契約の誠実さを求めてます……早めに私のところに来てください……」


久しぶりのリジャーシャからの声に戸惑うが、私がいくら呼びかけても返事はしない。


「どうした!弥生!リジャーシャがどうかしたのか!?」

「カロライナ!なんでもない!演習後に伝える!今は作戦に集中してくれ!」

「了解!」


魔砲少女装備は多少の防寒性なども兼ね備えているが、-40℃の空間では真冬に半袖で過ごすレベルの寒さを感じる。

軍用腕時計の高度計は16000フィート(約5000m)を切った。残り降下時間を逆算するが、あと3分は真冬の寒さを体感するしかないらしい。


海の方を見ると、特殊作戦中隊の上陸部隊が少しずつだが近づいていた。

そして同時に偽装砲撃爆弾が爆発する音が聞こえてきて、反対側に醜い見た目をした複数の人型が合体した生き物にバズーカ砲を何門か付けたような個体が砲撃爆弾地点を逆攻撃を仕掛けてるように見える。

そうだ、私の最初のARSGの訓練の時にアイツらに……殺されたんだ……


1000フィート(約300m)を切り、JTAC隊員が開傘した頃だろう。

そんな考えがよぎった時に魔力を足元に集中させる。魔法現実反作用で物理法則を超えた減速かつ急ブレーキ無しでは魔砲少女と言えども肉片の出来上がりだ。


「はっ!!」


減速し、おおよそ高度50m付近で魔力を地面にぶつけて、スタっと立つ。


他のメンバーの確認のために空を見る。JTAC隊員がパラシュートで高度数十メートルといったところだった。


すると7.62mmNATO弾が異形の魔物を切り裂く銃声が聞こえる。


「シャルロッテが戦闘に入ったか……」


砂浜に着陸したシャルロッテを除く、私達魔砲少女小隊とJTAC隊員2名と共に地図を確認し、迫撃砲の弾着観測位置へと移動を開始。

良い観測位置として小高い丘があり、森を少し眺めることが出来て、市街地エリアも確認できる。


この移動の時に魔砲構成生命体と交戦しなかったのは有難い。ここで時間を消費すればシャルロッテの生死に関わる。


「朝月隊長、シャルロッテ隊員は未だ戦闘中。魔法科学性能付き双眼鏡で見る限り、魔力及び戦闘能力は迫撃砲にも耐えれます」


レイラの可愛らしさに似つかない正確かつ飾り気のない報告を聞いてから、JTAC隊員と砲撃準備を確認する。


「宮口一等陸尉、ネルソン大尉。準備はよろしいですね?」

「問題ないっす」

「Noted.(英語で承知致しました)」

「レイラ、緑色の煙幕弾を空に」

「了解ですっ!」


パンッ!という音と共にプシューと青色の空に緑の円柱を立てると同時にドンッ!ドンッ!と88mm迫撃砲の音が次々と少し下の森に幅広く、音速超える破片を振り撒く。


その間もJTAC隊員は弾着地点を見ながら、非常にシンプルで送れる情報量も極端に少ないが、探知・傍聴がほぼ不可能な、光を利用した直線上に信号を飛ばす機器で弾着位置の報告をする。


レイラとミラの2人が敵の排除率とシャルロッテの魔力消耗率を確認する事に注力していた。


「敵全体部隊損耗率2〜4体!シャルロッテさんの担当しているエネミーナンバー02は完全排除を確認!」

「迫撃砲支援完了とのこと!マジカルパシフィック第2想定開始です!」

「各自事前に策定したエネミーナンバーの位置へ移動!演習と言えども油断するな!作戦開始!」

「「「了解!!」」」


私率いる4名は、敵の防空及び主力支援砲撃部隊であるエネミーナンバー01の排除へと移動し、砂浜の方でも発砲音が聞こえる。

特殊作戦中隊が襲撃されているのか?


その時絶望的な声と共に封鎖が破られた。


「こちら特殊作戦中隊長!神長!戦闘魔砲妖精が出現!幸い、数十体規模で火力も低いですが、何か嫌な予感がします!速やかにランチャー及びキャノンの始末を!おくれ!」

「こちら朝月、速やかな敵の排除に尽力する!終わり!」


リリーナが珍しく、気難しそうな顔をした。


「サクーラ、フルオートを準備してくれ。敵は集結している……」

「リリーナさん、なぜ分かるんですか?」

「私の魔砲少女装備のヘッドセットは特殊集音型だ……そして……キャノンクラス、ランチャークラスがこっちへ向かっている……」


そしてCP(コマンドポスト:前線指揮所)のリーダーでもある国岩一等陸佐から、無線封鎖を完全解除を告げる報告と共に魔砲少女の厳しい戦いが提示された。


「聞こえるか?朝月隊長。送れ」

「送れ」

「現在敵のランチャークラス及びキャノンクラス全個体、総数およそ11体がそちらへ集結している。敵は消耗しているが、朝月がリーダーだと認識していると思われる。他の部隊も向かわせつつ、台地に機甲部隊を展開中。送れ」

「こちら朝月、敵主力支援部隊の排除を行う。おわり」


総数は11体……この近くだと……ミラの狙撃支援が5分後に望めて、酒月達の小隊が10分以内に到着するのが最も現実的な支援可能時間だろう。

すぐに臨戦態勢を整えてるとミラから伝達が入ってきた。


「朝月隊長!こちらミラ狙撃要員!標的には我が方の魔砲化能力は有効!レクティクルに敵が入れば確実に倒せます!今そちらの支援に向かってます!送れ!」

「こちら、朝月!至急支援を要請!11体相手だと流石にこちらが不利だ!送れ!」

「こちら、ミラ。至急向かいます!おわり!」


私もコルト・ターミネーターを引き抜き、深呼吸し、覚悟を決める。

そうだ、初めての時は失敗した。だがそれ以降は成功続き、不安に思う必要はない!!


スコープ付きのOts-300軽機関銃を構えてた桜訓練生が叫んだ。


「標的キャノンクラス3体!近接装備もあり!」

「接近戦は私とリリーナで引き受ける!エミリアと桜は火力支援!エミリアのNLAW対戦車ミサイルの使用は任意!」


キャノンクラスが短機関銃のような銃器を何本か触手のような物で向けてきて、私とリリーナは即座に姿勢を低くし、銃を魔砲化させる。


そしてズドン!ズドン!、コルト・ターミネーターが火を吹き、分隊支援火力の桜とエミリアが素早く支援に入る。

コルト・ターミネーターの魔砲ですら、奴らには通常のライフル弾程度の威力しか与えられないと見た。

ならば機動力!マガジンを全弾食らわせてやる!!


私は魔砲少女装備の移動力強化用の注射を木の影に隠れた際に大腿動脈に刺して、速やかに早くなると同時に、ランチャークラスの大砲を正確に破壊しながら、ガンッ!ガンッ!と手のひらが痛くなるくらい衝撃を受け止める。これにより敵の前衛は機関銃と対戦車ミサイルを相手しながら、魔砲化能力で大量のAKMを召喚できるリリーナに魔力を削られ、私があらゆる方向からダメージを与える。


「このまま押し切るぞ!」

「対戦車ミサイル発射します!」

「リリーナ!距離を取れ!!」

「言われなくても!!」


パァン!!という音と同時に目の前が眩しくなるほど爆発と煙で敵のランチャークラス3体を撃破を確認。


ゆっくりとリロードをしているとパパン!と短機関銃の音が私の太ももを貫いた。


「え……?」

「朝月さん!!!」

桜さんの声が妙に遠く感じた。

「こんばんは。司会の朝月です。今回のゲストは我らの変態中佐ことカロライナさんです」

「やぁ、変態は言われ慣れしてるカロライナ中佐だよ。今日は私から弥生に質問したい」

「変な質問でなければお答えします」

「自衛隊における特殊部隊の指揮系統はどうなってるんだい?」

「……真面目すぎてビックリしました。基本的には陸海空で分かれますが、統合的な司令を下すのは防衛省と内閣総理大臣になりますね。なので特殊作戦群やSBU(特殊警備隊)もそれぞれ陸上自衛隊と海上自衛隊に属してます。ただ航空自衛隊にはアグレッサーと呼ばれる精鋭パイロット部隊はいますが、特殊部隊ではないですね」

「なるほどね、私の国には第160特殊航空連隊のような輸送専門の特殊部隊もいることを考えるとこの先航空自衛隊内にも全天候型の輸送部隊もできそうだね」

「そうですね。それでは次がマジカルパシフィック編ラストになります。もし投稿当日に見てる方いましたらぜひ見てくださると嬉しいです。お疲れ様でした」

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