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第15階 光る目

「何?ドラゴンだと!?」

俺は表示されているマジックポイントの残量を確認した。

MP…残り5。さっきと同じだ。


やはり……俺じゃない!

このドラゴン、どこからか来たんだ!?


そもそもドラゴンはSランクのモンスター。

俺はSランクなんて生み出した事さえない。


――ドラゴンは咆哮を上げる。


「おい!ヤメろ!ユイが居るんだぞ!」


必死に叫ぶも声は届かない。

当然だが……


ドラゴンが吐いた炎の球がパーティーの盾役2人を吹き飛ばした。


ユイも……その身体を転がされる。


絶望感が俺の心を包んだ。


「おい!強いパーティー!何とかしろ!」

俺はコタツの天板を叩いた!


ユイは立ち上がった。

が……あきらかに怯えた表情。


そりゃそうだ…目の前にはドラゴン。


「そうだ!」

俺は急いでイメージを作り出す!


ドラゴンがその大きな足を一歩、踏み出した時。


「今だ!」

俺は"床のトラップ"を発動。

オブジェクト作成の消費マジックポイントはゼロ!


「落とし穴だ!」


穴の下部には、とびきりの剣山を並べた!


「落ちろ!」

俺がそう叫んだ瞬間…

ドラゴンは翼を広げた。


空を舞うドラゴン。


そのドラゴンは……口を開いた。


『何故……邪魔をする?』

「え?」

深く低い声が胸の奥に響く…


『お前はダンジョン管理者だろ?』

「ドラゴンがしゃべっている?」


『邪魔をするな…』

「ユイを…俺はユイを守るんだ!」


『お前は…生き返りたく無いのか?』

「はぁ?何の事だ?」


『まぁ良い、我に任せよ…』

そう言うとドラゴンは逃げるユイ達の前に降り立った。


「クソっ!!」

俺は見ているだけしか出来ないのか!?


「サンダーボルト!!」

「アイスランス!!」

老魔法使いとユイがドラゴンに向って魔法を放つ!


バリバリ!!

ズドーン!!


轟音が響くもドラゴンは、魔法をかわした。

剣士が宙を舞い、剣を振る。


が…ドラゴンには届かない。

不発!


「頑張れよ!お前ら強いだろ!」


ドラゴンは咆哮を上げると、

空気はビリビリと振動した。


ユイ達が帰るべき道の前にはドラゴン。


ドラゴンはふたたび口から炎の球を吐き出す!


同時に、ユイと老魔法使いが魔法を放った!


ドラゴンの放った炎の球と、二人が放った雷魔法、水魔法が空中でぶつかり合う!


ドーーーーン!!


爆発音が響く!


ユイ達は吹き飛んだ。


「ダメだ!力負けしている!」


次は何をする気だ!?

ドラゴンの目は異様に光っていた。

――その目からは強い意思を感じる。


「あいつ……ユイ達を、しっかり見ている。

――そうだ!目だ!」

俺は残りマジックポイントを使い切る決意を固めた。


生み出すのは……上だ!

ドラゴンの頭上に座標を合わせる!


グッと力を込めて、MPを5消費。


5で出せるのは、Bランクモンスターまで!


空中に生み出したモンスター。

その巨体を落下させた。


ドーーーーン!


ドラゴンの体に直撃!


『無駄だ…そんなもの。』

「見ろ!ちゃんと見てみろ!」


ドラゴンは、俺が生み出したモンスターを見た。

――そのクルクルと回る黄色い目を。


『バジリスク……』

ドラゴンは、そう言葉を発すると…徐々に石化していく。

「正解!知能のあるお前には効くと思ったんだ!」


『なるほど…面白い手だ。

――ダンジョン管理者よ。』

そう言い終えるとドラゴンは完全に石化した。


ダンジョン管理者って俺の事か?

思い返すも、そんなものになった記憶は無かった。


ユイ達は立ち上がる。


目の前にはバジリスク。

脅威は終わっていない。


「今のうちじゃ……逃げるぞ!」

老人が叫ぶと、ユイ達は身体を引きずりながら逃げ出した。


そして俺はマジックポイント、ゼロ。

どうせなら、あの石化したドラゴンを破壊したかったが……


ダメだ……意識が遠のく。


「ユイ……ちゃんと脱出するんだぞ……」

そう願うと共に俺の意識は暗闇へと落ちた。

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