↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
14/40

第14階 強敵の出現

視点:ユイ


「え?ヒュドラの首……今、生えました!?」

「そうじゃった、奴は再生するのじゃった。」

見間違い、そうあって欲しかった。

――だけど、シイラスさんの言葉にまるで時が止まったかの感覚に陥る。


私達は、やっとの思いで10階層まで辿りついた。


目の前にいるヒュドラは奇声を発し、

ケルベロスは唸り声を上げている。


「そんな……再生するだなんて。離脱しますか?」

「いや、ユイ殿がいれば大丈夫じゃ。」

え?私??


「まずは、治療じゃ。」

負傷していたダイキくんにポーションを。

毒に侵されたバーサスさんには毒消し薬を使用する。


その間も、二体のモンスターからは毒霧攻撃を放ってきた。

それをシイラスさんが風魔法で退けている。

「悪いが、そろそろ限界じゃ…」


ケルベロスの首は二つになったとは言え、まだまだ強烈な毒霧。


「ユイ殿、水魔法…アイシングは使えるかな?」

額に汗を滲ませながらシイラスさんが問いかけてきた。

「はい、大規模なのは無理ですが…」


「充分じゃ。合図したら、ヒュドラの首に打ち込むのじゃ。」

ニヤリと笑うシイラスさん。


「次、毒霧が収まった時に、勝負をかけるぞ!」

「ダイキ殿、バーサス、動けるか?」


「「おう!」」

膝をついていた二人は立ち上がると共に声を揃えた。


「エイレン殿とダイキ殿でケルベロスを撹乱!

――集中力を切らすでないぞ。」

「バーサスとサイバーはヒュドラに対して、アレじゃ!」


「ユイ殿は、わしが合図するまで待機!」

「はい!」


エイレンとダイキが走り出すと同時にシイラスさんが魔法を唱える。

「風魔法……ホワイトミスト!」


辺り一面が真っ白になる。

「これは……霧??」


視界が奪われ、モンスターの位置も分からない。


ギャーーーー


金切り声が木霊する。

これは……ヒュドラの断末魔!?


「今じゃ!あの光に向ってアイシングを!」

「はい!」

白い霧に覆われる中、一筋の光が前方にきらめく。


「アイシング!!」

私は杖を持った手を前方に伸ばし、水魔法を発動!


光を覆うように氷を形成していく。


「もっとじゃ!もっと固く!」

シイラスさんの声に応えるべく、杖の先端についた水晶に魔力をこめた。


――やがて、霧が晴れる。


「え?ヒュドラの首が1本減ってる?」

そして、落ちた首の根元には、私か形成した氷結。


……メリメリ


一瞬、氷結にヒビが入るかのような音が聞こえる。


「ユイ殿、見事じゃ!再生は出来ん!」

「あ、はい!」


「それよりも……次の準備じゃ!」

「え?」


見ると、剣士のサイバーさんが宙を舞っている姿があった。

起点となった場所を見るとバーサスさんが盾を上へと構えていた。


「もしかして……放り投げた!?」

「そうじゃ、バーサスとサイバーの連係技じゃ!

――サンダーボルト!!」

シイラスさんの電撃魔法!


見上げたヒュドラの首、その2本の首に電撃が打ち込まれる。


ザンッ!!


ヒュドラの首が切り落とされる。

サイバーさんの剣は、光をまとっていた。


「ユイ殿!」

「はい!アイシング!!」

光を帯びた首元に水魔法を発動!


「凍れーーー!!」

必死に氷結を形成する。


「よし、ユイ殿はしばし休憩を。」


私は、思わずその場に座り込んでしまった。


ダイキくんとエイレンは、ケルベロスと対峙。

2本首になったとは言え、強敵。

慎重に攻撃をしている。


シイラスさん、サイバーさん、バーサスさん…凄い。

三人の連係――シイラスさんが魔法で陽動。

バーサスさんが盾となり、その脇からサイバーさんが少しずつヒュドラの体力を削っていく。


「これは……時間の問題ね。」

1本首となったヒュドラ。

毒霧を吐くも、シイラスさんの風魔法で無効化される。

そして……


ザンッ!!

最後の首も、サイバーさんによって切り落とされた。

その巨体を投げ出すかのように横たえる。


「よし、次はケルベロスじゃ!」

シイラスさんの号令で、2本首のケルベロスを5人で攻める。


ダイキくんとエイレンも、シイラスさんの指示で動きが良くなった。


ドンッ!!


最後は、エイレンの槍がケルベロスの胴体を貫く!


「やったわね!」

私は駆け寄ると、エイレン達と喜びを分かち合った。


「ユイ殿の氷魔法のおかげじゃな。

あと、ダイキ殿とエイレン殿の陽動も良かった。

おかげでワシらはヒュドラに専念出来たのじゃ。」

ダイキくんとエイレンは照れくさそうに笑った。


「さて、先に進もうかのぉ。」

正直、怖い。

また、さっきのようなモンスターが現れたら。


――でも、この三人の力があれば。


そう考えたのは間違いだった。

少し歩いた先で、私はそう思う事になる。


「あれは……ドラゴン!?」


大きな体には両翼があり、長い首の上にある顔の眼は鋭く光っていた。

シイラスさんを見ると表情がこわばっている事が分かった。


「ぐぉぉぉぉぉぉーー!!」


その咆哮でさえ攻撃のよう。

――思わず私は顔を背けた。


「いかん……勝てん……逃げるぞ。」

シイラスさんの言葉と同時にドラゴンが動いた。


大きく開けた口の中が赤く染まる。

空気までもが熱くなるのを感じた。


「くるぞ!」

盾役のバーサスさんが前へと出る。

つられるようにダイキも盾を構えた。


――ドンッ!


口から吐かれたのは炎の球!

「――大きい!」


バンッ!!


盾で炎球を防いだ!

――のは確かだった。

が、次の瞬間…私の体は宙を舞った。


「痛っ」


――痛みを堪えながら、周りを見る。


ダイキくんも、バーサスさんも盾ごと吹き飛ばされていた。


「みんな……」

声にならない声を出しながら、私はゆっくりと立ち上がる。

見上げると、目の前にはドラゴンの姿があった。


ダメ……逃げなきゃ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。