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大好きなゲームに転生したら、推しも世界も腐りかけてて困るんですが…私が元に戻します!  作者: 藤紫
第一章 日常?編

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3.尊いのはどっちだ問題

放課後、人気の少なくなった訓練場の裏手。

私はまだ、あの中庭での一件が頭から離れずにいた。ガルド様の


『あいつ、妙に気に食わねえ』


……あれは一体、誰のことだったのか。

答え合わせがしたくて、というのは建前で、単純にガルド様の後ろ姿を追いかけていたら、気づけばこんな人気のない場所まで来てしまっていた。モブのくせに、行動力だけは無駄に高い自覚はある。


木の陰から、そっと様子を窺う。

ガルド様は、一人で剣を素振りしていた。

……いや、正確には、素振りをしている、はずだった。

振りかぶった剣が、途中で止まる。剣を握る手が、ほんの少し震えている。


「あの女…」


!…やっぱりフロレンティアのことが気になっていたのね。ウンウン。そうだよね〜。


「あいつだけは…許せねぇ」


へっ?


「ユリウスに馴れ馴れしく、話しかけやがって…。しかもユリウスの『メガネクイッ』を目の前で見やがって……。大体、あの『メガネクイッ』……なんだあれ、反則だろ……」


「……イヤ、違う…」


「オレはなにすっとぼけたこと考えてんだ?…嫉妬?あの女に嫉妬してんのか?いや、そんな…そんなバカなことが…」


えぇぇぇぇぇぇ!ギャァァァ!ウソ〜〜〜〜〜〜ン。

ガルド様ったら何を宣っていらっしゃるの?


『気に食わねえ』『あいつ』ってフロレンティアのこと。ユリウスじゃなくて?


『ガル×ユリ』カップル爆誕?


ない、ないないない。絶対にない。解釈違いも甚だしい。メインストーリーは殿下とフロレンティア。これが正解。


私的には殿下×ガルカップルが推せるけど…、ガル×ユリは断じてない。


嘘でしょ。嘘だと言って。


ガルド様は、私が木の陰に隠れていることにも気づかず、剣を鞘に収めると、そのまま切なそうな顔で校舎の方……多分、ユリウスがいるだろう方角を見つめていた。


らしくない。ガルド様は、こんな顔をするキャラじゃなかったはずだ。ゲームの中では、脳筋一直線、迷いなく前を向く戦士だった。

でも今、目の前にいるのは……誰かを想って、剣すら振れなくなっている、一人の男の子だった。


……ちょっと、なんていうか、認めたくないけど…これはこれで、尊いというかなんというか…ちょっとだけ見てみたい気もしなくはない…なんて…。


いやいやいや、そうじゃない。感動してる場合じゃない。

これは、絶対に、何かがおかしい。

私は木の陰で膝から崩れ落ちながら、心の中で盛大に叫んだ。


公式が、勝手に腐らせてるんですけど!?どういうことですか〜〜〜!!


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