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知らない間にチャラ男に奪われていた彼女を取り戻して二人で叩き潰した話  作者: かくろう


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第3話 裏切り

 希美が泣き止むのを待つこと30分。俺は再び話し始める。


「事情は分かった。その男の事は絶対に許せないけど、まずは事実の確認が先決だ。今から尋ねる事に、絶対に偽りは無しだ。全てをありのままに、包み隠さず答えてくれ」


 コクリ、と頷く希美。



 俺は椅子に座り直し、努めて冷静に、声を荒げないように……希美が取り乱さないように優しく声をかけるように心がけた。



「希美、そいつとはどのくらい関係を持ったの?」



 正直油断するとすぐに沸騰してしまいそうなほど怒り心頭に発す状態だったが、俺が取り乱せば彼女が冷静に話すことはできないと感じた為、一つ一つじっくりと事実を確認した。


「会ったのは……6回」


「6回……。それは最初のレイプも含めてのことか?」


「ううん……それは別。私が、自分からあの人に抱かれにいった回数です。無理やりされたのは、最初の2回。最初は気が付いたら終わってた。2回目は、動画と写真で脅されて、呼び出されました……でも、その後は……」


「自分の意志で……か」


「はい……4回目になる頃には、もう完全に乗り気で呼び出しに応じていました……」



 つまり合計で8回か……。

 瞬間沸騰しそうになる感情を必死に抑える。拳を握りしめすぎて血が滲んできた。




 その後であんなメールのやり取りをする仲にまで発展するのだから、その言葉も本当かどうか疑わしい。


 最初から普通に浮気をしていたのではないか。そんな風にすら思えてしまう。


 まともな神経ではない。


 なぜ自分の尊厳を踏みにじった相手と親密になれるんだ。


「理解できない……。なぜそんな男と親密になれるんだ」


「ううっ……」


「どうしてなのか、教えて」


「……………………気持ち、良かったの」


「はっ!?」


「最初は犯されたけど、何度も何度もされるうちに、もっとこの感覚を味わいたいと思ってしまった……」


「なんだ、って……」


「あんなに感じてしまったのは、初めてで……、自分の奥にあんな快楽があったなんて、知らなかった……。乱暴にされて、顔を足で踏まれた。怖くて怖くて……、逆らえなくて、でも、段々と痛くて乱暴なそのセックスを感じ始めてしまっている自分がいた。そのうち……身体が快楽に逆らえなくなってしまった……」


 それだけ気持ちよかったってことなのか?


 最初は無理やりだったけど、あまりの気持ち良さに情が移って絆されたってことなのか。


 その瞬間、凄まじい怒りが心を焦がして心臓を痛める。



「そんなに良かったんだ……。俺とのセックスよりずっと気持ちよかったんだ。俺達で培ってきた10年間をっ、たった数回のセックスだけで全否定するのかお前はッ!!」


 そんな馬鹿な話があるかっ!! 思わず大声で叫んでしまう。


「ごめんなさいッ! ごめんなさい、ごめんなさい……っ」


 彼女を責めるような事は言うまいとしていたが、どうしても我慢できない気持ちが溢れてくる。


「俺は希美を愛してたッ。誰よりも大切にしてきたっ! 世界で一番幸せになってほしくて、俺なりに最大限努力してきたつもりだった……。それは、俺の独りよがりだったのか? 希美にとってはレイプ魔のセックスより価値がない程度のものだったのかっ!!」


「ううっ……そんなことないっ……私は、幸せでした。アッ君に不満を感じたことなんてなかったっ!」


「だったらなんでなんだよっ!! なんで自分をレイプした奴の方が俺より優先なんだよっ!! おかしいだろッ!!」


 もう自分を抑えることができなかった。希美はボロボロと泣くばかりで、嗚咽交じりに謝罪と懺悔を繰り返す。


「しかもなんだよっ! 明日も会う気まんまんかよっ! 記念日の思い出を上書きするセックスが楽しみで仕方なかったってことじゃないかっ!」


 怒りに任せて何度も希美を罵った。もう一度零れてしまった悲しみの叫びを止めることはできなかった。


「自分がどれだけ頭のおかしいこと言ってるのか分かってるのかよっ! いつからそんなクソビッチみたいな思考をするようになったんだっ!」


「ごめんなさいッ! 本当にごめんなさいッ! 自分でも分かってるんですッ! まともな思考が出来なかった……。自分の立場を守ることしか頭になかったの」


「なんなんだよそれっ! もうちょっとマシな言い訳してくれよっ! 普通に浮気しましたって言われた方がまだマシだっ! 頭湧いてるのかお前はッ!」


「本当にその通りです……何も言い訳できませんっ……ごめんなさいッ!」


 止まらなかった。もう一度決壊した堤防はせき止めることができず、自分でも考えられないほど酷い罵倒の言葉が後から後から溢れ出てくる。


「はぁ……はぁ……はぁ……」


 ひとしきり罵倒した後……、喉がかれ始めたところで、ふと冷静になる。


 だが、待て……。問題はそこか? 本当にセックスが気持ちよかった。それだけであんな風になってしまうものだろうか?



 彼女の性格と、聞いた男の体格とか性格を考えると、怖くて逆らうことができず、自分を守る為に従順になるしかなかった。


 そのように解釈することもできるのか……?


 まだ結論を決めつけるのは早い。落ち着け……。



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