表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
39/68

【幕間】炎の巫女カグラ1

ゴゴ王国には発見されているだけで三十もの迷宮がある。その迷宮の中に王国の守り神とされている迷宮がある。それは、「熾焔の神ヴァルグナ=イグニス」の迷宮だ。


場所は帝国との国境沿いにあり、2000年前の帝国との戦争時には死火山にも関わらず噴火をし、帝国の侵略を退けたという逸話もある。


そんなゴゴ王国にとってシンボルとも言える「熾焔の神ヴァルグナ=イグニス」の迷宮を管理している一族がいる。マグナ一族だ。


代々「熾焔の神ヴァルグナ=イグニス」の使徒を輩出していて、迷宮の為に生まれ、迷宮に祈りを捧げ、一生を全うしている。


そんなマグナ一族に双子が生まれた。姉はリリ、妹はララと名づけられた。その双子は5歳で行われる迷宮内の儀式で、幸運にも、双子ともども「熾焔の神ヴァルグナ=イグニス」の使徒となった。使徒は宝珠と神性魔力が与えられ、加護の場合はわずかな神性魔力のみ与えられる。使徒になれる確率は百人に一人、加護でさえ三十人に一人の確率だ。


その吉報で族内は大いににぎわった。使徒は大量の神性魔力を保有し、戦闘能力に秀でているからだ。


迷宮の管理と言っても多岐にわたる。神への祈り、迷宮内の魔物・魔獣の討伐、迷宮への侵入者との戦い、イグニス山の整備など‥‥‥特に迷宮内の魔物・魔獣の討伐は激しい戦闘になるため使徒が生まれることは良いことだった。


双子が15歳になった頃、王太子が迷宮の儀式に参加することになった。一族は万全を期し、使徒と加護持ちを中心に迷宮内へ配置した。


儀式が終盤に差しかかったとき——迷宮の最奥の壁から、突如魔獣が現れた。溶岩蜥蜴と呼ばれる中位魔獣だ。


王太子よりおよそ10mの距離——最も近くにいた使徒が斬りかかるも溶岩蜥蜴の攻撃の方が早い。王太子に溶岩蜥蜴が吐き出した火の玉が襲い掛かる。


その絶体絶命を救ったのが双子の妹ララだった。ララは素早く王太子の前に出て魔力を纏った剣で火の玉を斬る——しかし、完全に消滅させることはできず、ララの左腕は大きな火傷を負ってしまった。二度と動かないほどの。


助けられた王太子は酷く後悔した。自分がもっと強ければ‥‥‥と。儀式が終わりすぐ帰る予定を一週間延長してイグニス山の麓の町に滞在した。毎日ララの看病をした。ララは非常に強い女性だった。片腕が使えなくなったことに大して弱音を一つも吐かなかった。


王太子はそんなララに恋をした。族長に話をし、側室に迎えられるように話をつけた。本来ならば使徒は外に出すことなど決してないが、片腕が使えないならばと例外的に迎えることができた。


王太子とララには二人の子ができた。二人目ができた時には王太子はすでに王になっていた。一人は苛烈なほどの激情とカリスマ性を持ち、後に「煉王」として他国はおろか、自国の貴族からも恐れられたグレン。もう一人は「熾焔の神ヴァルグナ=イグニス」の使徒として最も強い力を授かった「炎の巫女」カグラだった。


カグラは生まれた時から神性魔力を持っていた。極稀にそのような存在がいるが、皆、成長した時には人外の力を持っていた。カグラもそのような将来が約束されていた。


5歳になったカグラは、儀式の為に初めて迷宮に入った。10歳年上のグレンは加護を授かったが、カグラは使徒の力を得た。使徒に与えられる宝珠は今までの記録にないくらい大きく、深く輝いていた。


それを知った。マグナ一族はカグラを使徒として一族に迎え入れて迷宮の管理をさせようとした。が、カグラの父である当時のゴゴ王国の王が断りを入れた。しかし、マグナ一族は使徒として管理しない代わりに、「熾焔の神ヴァルグナ=イグニス」の使徒として他の迷宮の儀式に参加して欲しいと懇願され、了承してしまう。


当時のマグナ一族は代替わりをしていて、リリが族長になっていた。リリはカグラが使徒として儀式に参加する知らせを聞いて、どこか狂ったように微笑んだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ