賭け事っぽい茶番4
・・・・・・・・・・・
サルトとの通信を切って。
これで今回の件は終わりだと思っていたが、何か・・・・・。
何か忘れてないか?
今回の件を遡りながら思い出す。
サルトさんに借金返済用として20万払って貰った。
シャロンからの報酬は無かった。
ホワイトさんは捕まって・・・あの三人も捕まって。
呪いの件は多分もう済んだし。
ホワイトとの勝負は説明が長かった割には結局二回だけだったけど、まぁ依頼の件は解決したし。
お酒は飲めなかったから、いつかサルトさんと飲もう。あ、今誘っとけば良かったかな。
そういえばカジノから帰る時に、対戦したユミさんに一言挨拶するのを忘れて・・・。
ん? ユミさん?
風音「あ・・・!」
それだ。
テロ組織との勝負をする為に、ユミさんとの見せ試合で五億クインも使った。
あれルミナの自腹になってるじゃないか。
一応あれはルミナと事前に打ち合わせをした上で行った行為だが・・・。
あの時点ではシャロンからの報酬や、サルトに対しての返金を期待していたので、どうとでも補填出来るだろうと思っていたので気にしてなかった。
やばいやばいやばいやばい・・・。
結局ルミナに一クインも返ってないわ。
急いでルミナの部屋に内線を掛ける。
アリエイラ「何の御用でしょう?」
全然関係無い人が出た。
何故アリエイラが出たのかは分からないが、一旦置いとこう。今は急いでいる。
風音「今そこにルミナいてます?」
アリエイラ「いません。さっきゼロアさんを連れてクライアントに会いに行きました。場合によってはこちらのラボに連絡が入るそうなので、私が留守番を頼まれています。用があるのでしたら伝言しておきますが?」
なんとタイミングの悪い。
じゃあ連絡があったら風音が呼んでいると、伝言を頼んでおくか。
アリエイラに分かる様に、まずは今回の件を大雑把に伝えた。
風音「・・・って事があって。 で、今思い出したんだよ。よく考えたら、今回ルミナが五億クインを損しただけなんだって事に」
どえらい額の出費だ。五億クインは日本円に換算すると約四億円だ。そんな大金を無駄に使うとか、半殺しにされても文句を言えない。
黙って経緯を聞いていたアリエイラが、ルミナの代わりに答える。
アリエイラ「いいんじゃないですか?」
風音「軽いっ!」
アリエイラ「重く言いましょうか? いいんじゃ・・・ない・・・ですか?」
風音「いや言い方じゃなくて。 さっきまでルミナと仕事してたんですよね? ルミナの様子どうでした? 怒ってませんでした?」
アリエイラ「様子? 仕事中だというのにぼーっとしたり、急に顔面を両手で覆ってゴロゴロ転げまわったりですね」
風音「ぶっ壊れてるやんか!」
アリエイラ「いえあの子は嬉しい時にああなります。ただ今回はトリップ時間が長すぎますね。あれでは仕事になりません」
風音「そうなんだ・・・。じゃあ多分よっぽど良い事でもあったんだろうね。てことは五億の件は今のところそんなに怒ってないんだ。早めに謝ろう。・・・でもどうやって返そうかな?」
問題はそこだ。
それをこれから考えるか・・・。
悩む風音が黙っていると、アリエイラが風音の状況を察したようで再び答える。
アリエイラ「ですから気にしなくていいでしょう。あの子の五億でしょう? 今この瞬間にも全宇宙での翻訳機の売り上げと、銀行が増やす利息があの子の通帳に入り続けています。 もっと分かり易く説明しましょう。いいですか? ここにいくつかのアイスがあるとします。ルミナは趣味が悪いので小豆アイスを食べます」
風音「さらっと小豆アイスを罵倒しないで下さいよ。僕も好きなんですけど」
アリエイラ「あのどこが美味しいのか分からないアイスを一口齧ろうとします。でも硬くて一旦諦めます。信じられないような表情で、一瞬小豆アイスを見つめます。そしてもう一度挑戦します。次は歯で少しだけ削り取る事に成功します。 ルミナがそんな無駄な時間を過ごしている間にも、世界では多くの生物が死に、そして生まれます」
風音「真理を語るような口調で、小豆アイスを食べる時間を無駄とか言わんといて。 硬いのがいいんだよアレは」
アリエイラ「そうしてルミナが小豆アイスを食べ始めてから食べ終わるまでの、愚にもつかない時間を過ごす間にも、彼女の通帳には勝手に何億ものお金が貯まっています。その程度のものを、彼女が気にするとでも?」
風音「そうかもしれないけども」
その結論を言いたいだけだったのなら、アイスの話丸々カットでも良かっただろう。ルミナが五分弱ぼんやりしているだけで、億単位でお金が貯まると言えば良かっただけでは・・・。
風音「アリエイラさんの言わんとしてる事は分かるんだけど、そういう事じゃなくてね。普通に考えて凄い額だから。五億クインって」
アリエイラが何か考慮しているのか、少し無言の間があって。
アリエイラ「・・・そうですね。では私が肩代わりしましょう。 ルミナ達の足元にも及ばないものの、私もいくつか特許を持っています。そのくらいなら余裕を持って支払える貯金はありますよ。私の方からルミナに返しておきます」
急に方向性の変わった事を言い出す。
風音「いやそれはただ単に、僕の借りがルミナからアリエイラさんに移るだけじゃないかな」
アリエイラ「そうですが?」
何を分かり切った事を・・という口調。
風音「うん・・・。意味ある?」
アリエイラ「私が意味の無い提案をした事が、過去に一度でもありましたか?」
風音「幾度となくありましたけど」
風音がそう言うと、内線電話の向こうから屈託のない笑いが響く。
アリエイラ「うふふっ・・・。御冗談を」
風音「いや・・・」
冗談のつもりなど無かったのだが。
アリエイラ「では発表します」
風音「なにを?」
唐突過ぎて、本当に会話が通じているのか不安になる。
というかウチのエンジニアはこういう人が多い。急に話が飛ぶ。IQが高いからだろうか。
アリエイラ「今度風音さんの奢りで私と飲み会をしましょう」
風音「なんで?」
急に何の話だ。本当に話が飛び過ぎてついて行けない。
アリエイラ「なんで、とは? もしかして説明しないと分からないのですか?」
風音「お願いします先生」
アリエイラ「ふむ・・・困った生徒ですね」
説明や解説が大好きなアリエイラ。随分楽しそうだ。
困ったと言いながら、声は弾んでいる。
アリエイラ「まず風音さんのシャロンに対する200兆円の借金ですが、そもそも私の借金と言ってもいいほど私が深く関わっています。・・・であるのに、どうしてもっと私を頼ってくれないのですか? 私は風音さんからの許可さえ出れば、今すぐにでも私財を全て風音さんに譲渡したいのです。でもいつも断るでしょう?」
風音「頼ってるよ既に。もう十分頑張ってくれてるし。あんな馬鹿でかい借金に利息が付かないのは、アリエイラさんのおかげだから」
このやり取りはもう何度もしている。
アリエイラ「そう。このお互いの主張がいつも平行線なのです。 ですから今回の件で私が五億を肩代わりしたところで、私はそれを風音さんに対する貸しだとは思いません。しかし風音さんは借りが出来たと考える。この齟齬を解消するにはどうすれば良いと思われますか?」
また質問タイムが来た。アリエイラが解説を始めると、大体質問が飛んでくる。
しばらく悩んで、答えを出す。
風音「お互いが納得出来る形を・・・探すしかない、かな。自分で言うのもなんだけど、お互い頑固だからね」
こっちはそんな大金ほいほいと受け取れないと主張するし、アリエイラは払う義務があると主張するだろう。互いがそれを譲らないなら、妥協点を探すしかないと思う。
アリエイラ「はい、不正解です」
でも違ったらしい。
風音「ああそうなんですか? じゃあ答えは?」
アリエイラ「この場合風音さんの意見など聞く必要は無いのです。私が納得出来る形に収めるのが正解です」
風音「凄ぇよあんた」
趣旨分かってんのか、と問いたくなる。
アリエイラ「いいですか? 風音さんが勝手に借りが出来たと思い込むのなら、私はそれを受け入れましょう。 その借りを私が納得出来る形で返して貰えば良いのです。 まさかとは思いますが、それ以前にそんな大金を受け取れないなどと言うつもりではないでしょうね? 黙りなさい。 借りを作る側に発言権などありません」
風音「なんか・・・矛盾してないそれ?」
アリエイラ「してません。というか何故反論しているのですか? 発言権は無いと言いましたよ」
風音「・・・・・・・」
もうこの人相手にどう言っていいのか分からないので、思わず黙ってしまう。
アリエイラはそれを、口答えをやめたと都合良く解釈したようで。
アリエイラ「はい、良く出来ました。 ではここで先程の会話を思い出してください。ユミさんという方の三億の使い道について、の辺りです」
さっきカジノでの件を説明した時、ユミさんという人が三億使ってカジノに居る人全員にお酒を奢ったという話をした。
風音もお酒を奢られるはずだったが、何故かジュースにされて残念だったという余談もついでに語った。
その部分。風音が実はお酒を飲んでみたかったという部分が気になったらしい。
アリエイラ「実は私もなんです。以前から飲酒には興味がありましたが、まさか風音さんも興味があったなんて」
アリエイラの口調に力が入る。
アリエイラ「なら風音さんの奢りで二人で飲みましょう。それなら大いに納得です。あぁ、今から楽しみになってきましたね。二人で脳細胞を破壊し尽くしましょう」
風音「いやいや、そんなんで五億の借りを返した事になんてならないでしょ」
アリエイラ「発言権は無いと言いました」
風音「って言われても・・・」
アリエイラ「それ以外の形では納得しません。あなたは借りを作っておきながら、返す事も出来ない男なのですか?」
風音「いやまだ借りは作ってな・・・」
アリエイラ「あら? 風音さんの中では、私と話し始めた時のまま時間が止まっているのですね。 私の仕事はマルチタスクが基本ですから。こうやって話しながら、もうルミナにメールで私がお金を返すと送りました。もう了承済みです」
ついでに言うならルミナから「別にいらないけど」との返信まで来ている。
穏やかな口調でアリエイラが続ける。
アリエイラ「僕は、アリエイラさんに、借りを、作りました。 はい復唱」
風音「でもまだお金の移動が・・・」
アリエイラ「復唱」
風音「完了してないなら、僕からルミナに訂正の・・・」
アリエイラ「復唱」
風音「僕はアリエイラさんに借りを作りました」
もういいや。
アリエイラ「はい良く出来ました。本当に困った生徒でしたね。息吹、晴嵐、ちゃんと今の音声を録音しましたか?」
息吹「はい」
息吹と晴嵐とはアリエイラが作った、仕事のアシスタント兼護衛の女性型ロボットだ。
見た目ほぼ人間と変わらないし、ロボットだから翻訳機無しで風音と日本語で喋る事も出来る。それが風音にとっては意外と便利な所だ。活動中は基本的に耳に翻訳機を付けていると言っても、24時間付けっぱなしって訳でもない。カノン内に母国語の通じる人が多いに越した事はない。
晴嵐が内線の受話器をアリエイラから借りる。
晴嵐「お~い艦長、もう後でグチグチ言うんじゃねぇぞ。証拠は録ってるからな」
風音「分かってるよ。今回だけは一応納得した事にするけどさ・・・。でも肩代わりのお返しが飲み会の奢りって、本当にそんな簡単な事でいいのかな?」
晴嵐「主がそれでいいって言ってんだよ。艦長が考える事じゃねぇよそれは」
こいつ相変わらず口汚いな、と風音が思っていたら。
アリエイラ「晴嵐、次に風音さんに対してえらそうな口を利いたら・・・分かってますね?」
内線の向こうで怒られているようだ。
晴嵐「は、はい。ごめんなさい。 ・・・なぁ艦長。主の提案で納得いかないってんなら、どうすりゃ納得してくれるんだ?」
風音「待ってもらうのが一番現実的かな。 シャロンの仕事をこなして、どうにかお金を貯めてから返す形でどうかな?」
晴嵐「は~~? ちんたらした事言ってんじゃねぇよ艦長よぉ。待てるかよそんなもん。この甲斐性無しが」
アリエイラ「息吹」
息吹が晴嵐の腹を殴る。
晴嵐「あ・・・ごめんなさい。腹はやめて下さい」
息吹が晴嵐に代わり、内線に出る。
息吹「失礼しました艦長。ですが晴嵐の言う事も決して間違いではありません。今はシャロンで請け負った仕事は、借金返済に充てるべきだと思います。身内に返済している場合ではありません。 といって、他に返す術も無い。ここは主の主張に従うのが、最も合理的だと思います」
風音「うん・・・」
言ってる内容はほぼ同じなのに、息吹に言われると納得する。
風音「まぁ、そうだね。今回はそうしようって決めたんだし」
もうグチグチ言うのはここまでにしよう。
アリエイラ「息吹。あなたはとても賢い子ですね」
アリエイラが息吹の頭を撫でる。
主に褒められて喜ぶ息吹が、更に機転を利かせた提案をする。
息吹「ですがお二人ともお酒が初めてなのですよね? でしたら万が一に備えて私が付近に待機していましょうか?」
風音「いいの?」
息吹「もちろん。艦長と主の為に働く事が、私の一番の幸せですから」
これは風音にとっても良い提案だ。
初めてなら飲んでいい量が分からず、急性アルコール中毒になったりとかも考えられる。介護ロボが居てくれると心強い。
風音「あ、じゃあ息吹も参加する? ついでに奢るよ」
息吹「いいのですか私も参加して」
アリエイラ「・・・ん?」
風音「確か食事をエネルギーに変換する事も出来たよね? じゃあ一緒に食べよう。息吹なら大歓迎だよ」
息吹「艦長・・・ありがとうございます。私も前々から艦長に・・・」
アリエイラ「息吹?」
アリエイラが一旦内線を保留にする。
息吹「はい、何か?」
アリエイラ「今回の飲み会は、風音さんが私に借りを返す為のものです。だから二人だけで行うと決めたものですよ?」
息吹「私もそう思い少し躊躇しました。私のような者が同席していいのかと。でも安心して下さい。艦長は大歓迎と言って下さいました」
爽やかに答える。
アリエイラ「息吹」
にっこりと笑顔で名を呼ぶ。
息吹「はい、何か?」
アリエイラ「あくまで五億の肩代わりの話です。風音さんから誘われようが、お金の話に関係の無い者が場に居るのはどうなんでしょうね?」
息吹「同感です。ただ艦長は私にも奢ると言っておられましたので、無関係だとは考えていないと推測されます。今回の話の流れを考えるなら、奢る金額が多い方が艦長の肩の荷が軽くなるのですから。 私がその一助になれるのなら喜んで」
聖母のような息吹の微笑み。
アリエイラ「息吹」
笑顔のまま名を呼ぶ。
息吹「はい、何か? あ、それと安心して下さい。私が居ればお二人の介護も出来ます」
胸に手を当てて言う。
アリエイラと風音に対する「献身」。
息吹の所作は全て、その一点に集約されている。
アリエイラ「息吹?」
アリエイラの貼り付いた笑顔の裏に何かを感じ、晴嵐の表情が強張る。
息吹「はい、何か?」
アリエイラ「たまには風音さんと二人で、仕事の話以外のお話をしたいと思う事があります。今回の提案は、それを兼ねてのものだったのですが」
息吹「ですよね。艦長はカノン内で人気者ですから、いつも誰かしらの邪魔が入ります。私などはなかなか雑談も出来ないのが現状です。かと言って私のような者が、レスタ君のように暇さえあれば艦長室にお邪魔するなど、畏れ多くてとてもとても・・・。ですので今回の飲み会では、遠慮なくお話が出来そうで楽しみです」
アリエイラがまた息吹に何か言おうとすると。
息吹「あ、そうでした主。一つだけお願いがあります」
先に息吹からアリエイラに何か言いたいようだ。
アリエイラ「・・・何かしら?」
息吹「飲み会の日はちゃんと髪の毛を手入れしてきてくださいね。仕事ではなくコミュニケーションを目的とした場で、いつものボサボサのままでは主が恥をかいてしまいます。せっかく美人なのに、と艦長も言っておられましたよ。 普段主は見た目を気にしておられない様子ですので、私もこれまで言及しないでおきましたが、飲み会の日は別です。そのまま一緒に行ってしまうと、仕えている私までだらしないと思われてしまいます。どうかその日は・・・」
アリエイラ「晴嵐」
晴嵐「ほいっと」
晴嵐が息吹の腹を割と本気で殴る。戦闘時以外はここに強い衝撃を与えると、緊急停止する仕様になっている。
くたりと身体を半分に曲げ、息吹が気を失ったように停止した。
晴嵐が内線の保留を解除する。
晴嵐「艦長~~」
風音「あ、やっと繋がった」
晴嵐「息吹がやっぱり行けないみたいでさ。なんかその日は仕事があるって」
風音「マジかよまだ飲み会の日付も決まってないのに」
晴嵐「そこは息吹だから。艦長と主の休みくらい把握出来てるよ。開催日の予測くらい余裕だって」
風音「あぁ確かに。なるほどね。 でも休みなら調整出来るけど」
晴嵐「うん黙って艦長。もう喋んな。な? とにかく息吹は来ないんだよ」
風音「そっか残念。 じゃあ晴嵐は? 奢るけど来る?」
晴嵐「行く訳ねえだろボケカス! 何の為に息吹をシバ・・・」
また内線が保留になる。
アリエイラ「晴嵐、息吹を連れて退場」
晴嵐「失礼しました!」
晴嵐が息吹を担いでルミナの部屋から出て行く。
すぐに保留を解除する。
アリエイラ「・・・すみません風音さん。騒々しくしてしまいまして」
風音「いやいいけど、それより息吹をシバ・・・の後なんて言ってたの?」
しっかり聞いていた。
アリエイラ「何の為に息吹をシバ刈りに山へ行かせて、晴嵐が川に洗濯をしに行くと思っているのか。忙しいので飲み会には参加出来るわけがない。というような内容を口汚く言ってましたが、あまりにも口の利き方がなっていなかったので、途中で聞こえないように内線を保留にしました。あとで折檻しておきます」
風音「あ、そうなんだ。なんにしても折檻はやめたげて。あと芝刈りはフィリコがやってくれるし、洗濯は洗濯機使っていいからねって言っといたげて」
アリエイラ「分かりました。ではまだ仕事中ですので、飲み会の日取りはまた後日話し合いましょう」
風音「うんじゃあお仕事頑張ってください、今回のお礼はまた改めてって事で」
内線を切った。
風音「ふぅ・・・」
思わぬ形で五億クインの借りが消えた形になったが、やはり甘えてしまった感も拭えない。
神狼の肉の時のような臨時収入みたいな仕事があれば、それでコツコツ貯めていこうか。
貯めたところで、多分アリエイラは受け取らないだろうが。
しかし・・・・・・驚いた。
風音(まさか今時、川で洗濯してたとはね・・・)
いくらこの辺の川の水が綺麗って言ってもさ。この時代にやる?
晴嵐にメールで洗濯機の使い方を解説して送っておく。
質問があればどうぞ、という一言と共に。
何故か「どつくぞ」と返信が来た。
あとがきっ!!
いやお疲れ様でした。ちょっと長めの余話でした。
ここまで読んでくれた方ありがとうございます。
じゃあここからまたちょっと長めのあとがき行きましょか!
余話はいろんなジャンルに挑戦してみようと思って、賭け事の話をやってみました。
いやぁ・・・ね。
ほんと読み返してみて思いましたよ。
頭脳戦を考えるの向いてないわ。
もっと言うと頭脳戦を文字で表現出来ないわ。
本当はもう少しまともなゲームを考えて、ひとつの話にまとめようと思ってたんですけど、めっちゃくちゃ文字量が多くなるし、ややこしいし。
ややこしい云々より一番思ったのは、これ誰がちゃんと読むねん、って。
何人が状況を理解出来んねん、って。
結局最初想定してたものよりかなり単純なゲームにしたつもりでしたが、それでもアレです。ややこしかったでしょ? 読んだ時ルールの部分を読み飛ばした人、私以外に何人居ます?
結果一回もまともに試合しませんでしたもんね。
最初からサブタイトルで言っちゃってますからね。茶番て。
凄いわ。こういう賭け事やらなんやらの話を書き続ける人って。推理小説とかもそうだけど。どんな脳の構造してんねんて思います。
さて。
それよりこの話の最後の部分ですよ。
この話本当は三部分で終わる予定だったんです。だから三部分目の終わり方も、話の終わりっぽい感じで締めてるんですよ。
でも今このあとがきが載ってるのって四部分目じゃないですか。
そう、この四部分目の最初に書いてある「何か忘れてるような・・・」の件ですが、あれは私の心の声です。
終わるつもりだった三部分目までを全体的に読み返してみて、何か引っかかるな・・・って思って。
もう一回読み直して精査した結果。
主人公側が大損こいてるのに、ほったらかしにしたまま話が終わっている事に気付いたんです。
うわやっべ、ってなって。
で追加で急いで書いたのがこの四部分目です。
少し話は変わりますが。
今までいろんな漫画家さんとか小説家さんとかが、「長編を書いているとキャラクターが勝手に動きだす」みたいなことを言っているのを聞いた事がありませんか?
私は三回あります。
じゃあ誰が言ってたの? と聞かれても、覚えてるのは「エルフを狩るモノたち」を書いていた矢上裕さんだけですが。
あと二人誰だっけ・・・?
まぁそれはどうせ思い出せないからいいとして。
キャラクターには個性がありますよね。
作者が物語の大筋や細かい場面の流れを考えて登場人物を配置します。
そうすると、その場に配置したキャラクターが各々の個性に則って動き出し、発言や行動を上乗せしてくれるというか、作者が思い描いていた以上に場面を彩ってくれる。
・・・っていう事なのかなぁ? 合ってる?
ちょっとまだ分からんけども。
っていうのも私はこの作品を書いている時に、キャラクターが勝手に動くなぁ、みたいな事を思った事ってまだ無いんですよね。
まぁ初めての作品だし。拙い部分も多いし。
まだそういう域に達するのは早いのかなと思っていました。
・・・が。
今回の話の四部分目を書いていてちょっと思った事があって。
この部分の概要を端的に書くと、主人公の風音がクルーのルミナにお金を返そうとする。という話でした。
だからこの四部分目の登場人物はその二人の予定だったんです。
風音が内線をかけて、ルミナにお金を返す事を伝えて・・・。
・・・・・・・・・・・
そこから話が進まないんです。
いや無理矢理話を展開させる事は出来るんですが、どういう風に展開させても、ルミナっていうキャラの個性がお金を絶対受け取らないし。当然風音という個性も引かない。何が何でも受け取ってほしいけど、でも相手が年下の女の子なんであんまり強く言えない。ルミナはそんな風音に強く出れない。
お互い無言になって終わる・・・みたいな。
それ以上進めようが無いので、そのままフェードアウトで話が終わり。
それはそれで肩透かしみたいでアリっていうか私は好きなんですが、それもう一個前の帰郷編でやったよ。
続けて同じ事繰り返すなや。って思って。
で、仕方なく関係無い人を配置したら、ま~話が進む事。
新たに配置された人もお金を受け取らない人でしたが、極端に我の強い人だったので助かりました。
で思ったんです。
あ、これがキャラクターが勝手に動くって事?
こっちが想定した配置では話が動かなかったり、最初想像もしてなかった人を配置するとスムーズに動いたり。
そうか、これがか。
・・・これがか? 合ってる?
勝手に動くと言うより、個性に縛られて動かなくなったっていう印象の方が強かったけど。
まぁいいです。
物書きとしてのレベルが1上がったと、ポジティブに捉えましょう。
それでいくとあと50くらいレベルが上がらないと、万人に読んで貰える作品にはなれない気もしますが。
ここまで何話書きましたっけ・・・? 余話入れて7話くらいかな。
7話書いてレベル1個上がっただけか。 じゃあ50上がるのにどんだけかかる?
7×50で、350話か。
・・・ぼちぼち頑張ります。
ここまで読んで下さってありがとうね。また次の話で。バイバイ。




