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自称世界一の魔術師  作者: サバ太郎
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筋肉馬鹿

その後俺たちは寮に向かった。


寮は学園内にあり、男子寮と女子寮が1階で繋がっていて中央に食堂がある。


また、クラスによって部屋のグレードに違いがあってAクラスは超高級な部屋だがFクラスは普通の部屋だ。

俺たちはEクラスなのでちょっといい部屋である。


クラスはそのまま階を表すので、俺たちは2階ということになる。


鍵をもらって部屋に行く。ベルクの部屋は俺の隣の隣だった。


部屋に着くと、先に送っておいた荷物が置いてあった。と言っても、服や砥石、本くらいなのですんなり片づけれた。


片づけ終わって暇になったので、ベルクの部屋に遊びに行くことにした。


「はいるぞ」


俺がベルクの部屋に入ると、そこには大量の荷物がありベルクが整理しているところだった。


「グレイか。荷物が多くて大変だったんだ、手伝ってくれよ」


「いいけど、こんなにいっぱい何持ってきたんだ」


俺が箱を開けると中に謎のでかい物体があった。


「なんだこれ」


そう言って取り出そうとするが、全く持ち上がらない。


負けるものかと、さらに力をこめる。


「うおおおお!」


「何やってんだ、グレイ」


不思議そうにベルクが聞いてきた。


「はあ、はあ・・・。なんだこれ、全然持ち上がらん」


そういうとベルクは笑い始めた。


「人間ってのは貧弱だな。こんなんも持てないのかよ」


そういうとベルクはひょいっとその物体を持ち上げ、そしてスクワットやらの筋トレを始めた。


ベルクの体格がいいことは見ればわかるが、こうも違うものなのか。


俺も力には自信があったんだがな。


「獣人と人間じゃ、全然違うんだよ。同じ体格でも、俺ら獣人からしたら人間の筋肉なんてスポンジみたいなもんだ。まあ獣人でもこれを軽々持てるのはそういないだろうな」


謎の物体を床に置いて、笑顔でベルクはそう言った。


「試しに俺の腹思いっきり殴ってみろよ。もちろん魔術はなしで」


そう言ってベルクは腰に手を当て胸を張るようなポーズをとった。


「怪我人だからって、手加減はしないぞ」


俺は思い切り拳を振りぬく。


狙うは鳩尾だ。


「おらぁ!」


ベルクの鳩尾に俺の渾身の一撃が当たった。


それと同時に変な音が聞こえた。


硬い。硬すぎる。


そのまま俺は地面にうずくまる。


痛い。


拳がぶっ壊れた。


本気で殴ったにも関わらず、ベルクは微動だにしなかったのだ。


「なかなかいいパンチだったぜ」


さわやかな顔でそう言ったベルクに魔術を叩き込んでやろうかと思った。


というか、こんな奴とよくいい勝負できたな。


それだけ魔術が偉大ってことか。


自分の手に治癒魔術をかけながら立ち上がる。


「もしかして残りの箱も筋トレ道具なのか」


「もちろん違うのもあるが、まあほとんどそうだな」


どれだけ筋肉馬鹿なんだ。


「グレイは治癒魔術も使えるんだな」


「一般的な魔術は全部使えるからな。治癒もその内の一つだ。と言っても、俺は一人で行動していたしあまり治癒魔術は鍛えてないな」


ベルクはあまり理解していないらしく、曖昧な返事を返してきた。


「それよりも、お前の魔術は何なんだ。風の魔術なんだろ」


先の戦闘で使ってきた技について聞き出す。


「あー、あれか。よくわからん」


「はあ!?何がよくわからんだ。なんて魔術なんだよ」


「名前も何もないぞ。ただ動きたい方向に向けて力をこめるだけだ」


ああ?こいつはまさか。


「魔力ってわかるか」


「当たり前だ。魔力を使って魔術を発動させるんだろ」


「ちょっと魔力練ってみろよ」


俺がそういうと、ベルクは全身に力を込め始めた。ベルクの体が筋肉で膨張する。


包帯が張り裂けそうだ。


確かに魔力が高まっていくのを感じる。


これはやはりそうなのか。


「なあベルク、全身に力を入れずに魔力練れるか?」


「何言ってんだよ。無理に決まってるだろ」


「だろうな!お前は魔力と筋肉の区別がついてないんだよ!」


魔力を練るのに必要なのは集中力と、魔力を感じ取る力だ。


魔力は自分の内側にある、生命力のようなものだ。集中していないと、魔力を感じとって引き出すのは難しい。


だから戦闘しながら、大技を放つには時間がかかるのだ。


ベルクが魔術を使えるのは、魔力を体の根幹の筋肉と考えていて、さらに日々集中して筋トレしてるせいで力を込めるときが一番集中しやすいからだろう。


「魔力と筋肉は別物だ!体の奥に力の源みたいなのがあるだろ。それが魔力だ。集中してその力がどんどん大きくなるようにイメージしてみろ!」


俺の勢いに負けて、ベルクは言う通りに魔力を練ろうとする。


「ああー、なんかかすかに感じるな」


ベルクが納得したように頷く。


「まあこれで魔力を感じる難しさがわかっただろ。難しいから、この学園があるわけだからな」


「なるほどな、これが魔力か」


そういうとベルクは魔力を練って、全身に風魔術をまとい始めた。


「なんでできるんだよ」


俺はもう適当に流すことにした。


「ありがとな、グレイ。いいことを教えてもらったぜ」


「どういたしまして。あと魔力トレーニングはやりすぎない方がいいぞ。魔力が尽きるとぶっ倒れるからな」


「この練習をしたらグレイみたいに、ぽんぽん魔術使えるのか?」


「集中力と魔力操作のうまさ、魔力自体の総量次第だが、普通は無理だと思うぞ。俺はすべてにおいて、他の人より優れているつもりだからな」


魔術でも負けたら、立ち直れなくなりそうだ。

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