第2話 【 亀裂 】
追放されたセビアは閉まるドアを睨みつける。
セビア:『これがあいつのやり方か。傍若無人だな。』
セビア:『手切り金は貰った。これ以上、あいつらに関わる必要は無いな。』
セビアはブザスから手切り金として受け取った金貨一千枚でパンパンになっている麻袋を眺めて呟く。
セビア:『用無し……か。』
セビアは夜空を眺めながら自分がテイムした相棒達の姿を思い浮かべる。
セビア:『……』
セビアは追い出された扉を背に無言で駆けるのだった。ブザスがいる中心街を抜ける途中、セビアは【エンペラー】のメンバーの一員である、【銀翼】というパーティのリーダーで聖剣士のフィンリー・アニムス達と遭遇する。
アニムス:『よう。セビア。…』
セビア:『……』
しかし、セビアはアニムスを無視して、彼等の横を抜ける。セビアの様子がおかしいことに気付いたアニムスはセビアの腕を掴む。アニムスに腕を掴まれたセビアは振り向く。
アニムス:『セビア。何があった?』
セビアが振り向くと、アニムスのパーティメンバーである、女魔弓士のロビン・フィラックスと重騎士のライト・クストーデが心配そうに尋ねる。
ロビン:『あなたらしくないわ?』
ライト:『いつものお前らしくないぞ?』
アニムス:『セビア。話してくれないか?』
セビアはアニムス等の心配している表情を見てここまでにあったこと。【エンペラー】から追放されたこと。自分がテイムした魔物をブザスに奪われたことをアニムス等に話した。話を終えるとアニムス等はブザスに対して、怒りを露わにする。セビアはアニムス等と別れると、プラフラス王国の城下街から離れた小さな街で宿を借りて、しばらく休むことにした。……
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一方、セビアと別れたアニムス等は、ブザスが拠点としている酒場に着くと、ブザスの胸ぐらを掴む。
アニムス:『ブザス。どういうつもりだ?』
ブザス:『何の話だ?アニムス。』
とぼけるブザスにアニムスは怒りを露わにする。
アニムス:『とぼけるな。何故、セビアを追放した?』
ブザス:『何故か?……セビアが何も出来ないからだろ?だから、追放した、それだけだ。』
アニムス:『なんだと?』
アニムス:『俺達はセビアがいたから、ここまで来れただろうが…違うか?』
ブザス:『何を勘違いしている。セビアは何もしていない。』
ブザス:『あいつは俺達の足を引っ張っているだけだ。』
ブザス:『足を引っ張っているお荷物は俺達のパーティには要らないんだよ。』
ブザス:『邪魔者は切り捨てて当然だ。』
アニムス:『本気で言っているのか?ブザス。』
ブザス:『本気も何も俺はパーティを守る為に当然のことをしたまでだ。』
アニムスはブザスのあまりにも高慢な態度に呆れる。
アニムス:『お前のその高慢な態度には呆れるよ。』
ブザス:『なんだと!?』
アニムス:『セビアがいない今、これ以上お前を相手にするだけ時間の無駄だ。それに面倒だ。』
ブザス:『どういう意味だ。……』
アニムス:『ブザス。悪いが俺はロビンとライトを連れてこのパーティーを脱退するよ。短い間だったが世話になったな。』
そういうと、アニムスは扉を開けて出て行く、そしてアニムスに続き、ロビンとライトも立ち去るがブザスは呼び止める。
ブザス:『お前らもか?』
ロビン:『当然よ。私達がこのパーティーにいたのは、セビアがいたからよ。』
ライト:『俺もロビンと同じ理由さ。』
ブザス:『待てよ……』
ブザスはライトを呼び止めるがライトはブザスの声を無視し、アニムスに続き出て行く、そしてロビンは出て行く前にブザスの方を振り向き、ブザスを哀れで可哀想な者を観るような目で見下す。
ロビン:『憐れで可哀想な人。あなたが彼を追放したことがこの先、どんな結末を生むかしらね。……フフッ。』
最後にロビンは意味深な笑みを浮かべ、ブザスの前から立ち去った。そして、この出来事が後に、ブザスと【エンペラー】の一部のメンバーとの間には亀裂が生じるのだった。……




