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第1話 【追放】

彼の名前はセビア・エスペランザ。ただのしがない冒険者。かつてはプラフラス王国の中で最強と言われている、【エンペラー】というパーティに所属していた。彼がテイムした仲間には、聖狼獣(フェンリル)の『ループス』とスライムの『モーデ』がいた。中でも仲間にしたスライムは数あるスライム種の中では特殊個体で非常に強いスライムだ。だが、そいつ等はもう彼の側にはいない。これは二ヶ月前の話だ。他国への遠征を終え、セビアも所属している【エンペラー】がプラフラス王国に帰国した夜の話。その日の夜、セビアは【エンペラー】のリーダーである『ブファス・ブザス』に呼び出された。……


セビア:『ブザス。急に呼び出してどうした?』


ブザス:『セビア。悪いけど、君は本日限りでクビね。』


セビア:『冗談だろ?』


ブザス:『冗談じゃないさ。』


ブザスはこの日、セビアを【エンペラー】から追放した。当然納得するわけがなかった。セビアはブザスに理由を問い詰める。


セビア:『ブザス。急に言われても、話がわからないんだが……』


ブザス:『わからないか?要するにお前はもう俺が率いる【エンペラー】に必要無いんだよ。』


セビア:『必要無いだ……と、それだけで納得するわけねえだろ?せめて理由を言え!!』


ブザス:『理由は簡単さ。だってよ、お前……プラフラス王国で最強と言われている俺が率いる【エンペラー】のメンバーの中で一番最弱じゃん。』


ブザスの取巻きはセビアを馬鹿にしたように笑うが一部の【エンペラー】のメンバーは焦りの表情を見せる。


ブザス:『まともに戦うことは出来ないし、攻撃魔法や回復魔法も使え無い。』


ブザス:『お前が出来ることといえば、俺等に強い魔物をテイムし、戦力を提供するだけだ。それ以外は何も出来ないだろ。』


ブザス:『そんな、最弱で無能なテイマーは【エンペラー】には不要なんだよ。』


セビア:『ブザス。それ、本気で言っているのか?』


ブザス:『当たり前だろ。お前の様な無能なテイマーより、お前がスカウトした有能な妖精(エルフ)の女魔法剣士を採用したほうがいいに決まっているだろ。』


セビア:『……』


ブザス:『俺も鬼じゃない。』(ジャラン)


そういうと、ブザスは大きな麻袋を二つセビアの前に置く。


セビア:『これは……?』


ブザス:『セビア。今までのお前の功績を称え、金貨一千枚だ。』


セビア:『手切り金か……?』


ブザス:『ああ。』


セビア:『本気なんだな?』


ブザス:『当たり前だろ。後、お前がテイ厶した聖狼獣(フェンリル)とスライムは置いて行け。』


セビア:『ループスとモーデをどうするつもりだ?』


ブザス:『どうするかはお前が決めることじゃない、そして、お前に拒否権は無い。』


セビア:『あいつらがお前の言う事に従うとは思えないけど……』


ブザス:『手は打っているさ。』


セビア:『どういうことだ?』


ブザス:『お前が知る必要は無い。これ以上、お前と話すことは何も無い。』


ブザスは自分の取巻きに合図を送り、セビアはブザスの取巻きにより強引に追い出された。こうしてセビアは【エンペラー】から追放されたのだ。……

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